久しぶりのパリ、初めてのブリュッセル
(2004年10月9日〜16日)
久しぶりにパリを訪れた。
季節は10月の中旬。
もう十分寒いだろうと予想はしていたものの、
その寒さは想像以上だった。
もちろん、出発前の東京が約25℃だった、
というのもあり、寒さというものをを忘れていたというのが正しい感覚かも知れない。

確かに天気予報で伝えられる気温は
9℃〜12℃程度なので、真冬とはいえないのだが、何故か体感温度が低いのだ。
天気も雨混じりの曇天。
ホテルのスタッフの話では、
10月になってしまったら、ずーっとこうよ、
だそうだ。

数年前、そのときはサンジェルマン・デ・プレの滞在型アパートメントに宿泊したのだが、
9月だったということもあり、陽射しは厳しかったのを思い出す。
9月、10月では大きく気候が変わってしまうらしい。今度から気をつけよう。。。

我々の現在の定宿は
マドレーヌ寺院近くのプチホテル。
比較的安価で、朝食が充実しているし、
英語が通じるため、なんとなく通っている。
プランタンなどのデパートが集まるオスマン通りにも近く、買い物も便利。


さて、今回のトリップではブリュッセルの友人を訪問する、というのがひとつのイベントだ。
パリ(北駅)とブリュッセルの間は「タリス」と呼ばれる新幹線が1時間25分で結んでいる。
いわゆる「TGV」なのだが、ブランド戦略が異なるらしい。(詳細は不明)
黒ずんだ赤の車体はあまり美しくないし、かなり汚れている。聞くところによるとパリの北は雨が多く、車体が汚れやすいのであまり掃除をしないらしい。(笑)

思いのほか早く、ブリュッセルMIDI駅に到着。
さ、さむ〜。
パリよりも一段と寒いではないか。
パリよりも北にあるのももちろんだが、ブリュッセルは中世の面影を色濃く残しており、結果、ものすごーく底冷えのする石の街、という印象だ。友人に駅まで迎えに来ていただき、市内観光をさせていただいた。この友人、かの田崎真也さんのお弟子さん&ワイン塾の先生で
ソムリエ、更にチーズのシュヴァリエもお持ちの女性。日本では妻が個展を開くときのレセプションをプロデュースしていただくなど、随分とお世話になった方である。
その彼女が外務省勤務の方とご結婚し、現在ベルギーに駐在している、という訳。
Rose Blansheという郷土料理のお店で昼食。ワーテルゾーイというクリームシチューが非常に美味しかった。ムール貝の白ワイン蒸しは一人前1kgだそうで、その迫力にはやはりビックリ。社交その他いろいろと面白い話を聞かせていただいた。

お店が面しているのは「グラン・プラス」と呼ばれる大広場。15世紀〜16世紀の建物が残り、パリとは異なった風情を醸し出している。
街中を散策すると、有名な小便小僧のジュリアン君が登場。どうやら、これが世界に数多ある小便小僧の父(?)らしい。
売店にも小便小僧グッズがずらり。
ワインオープナーまである。(もちろんある場所がらせん状になったもの・笑)


市庁舎、教会、音楽博物館など、
それぞれに赴きのある建物だ。
欧州でも最も由緒あるアーケード街もある。
ベルギーと言えばチョコレートが有名だが、日本でも人気の「ノイハウス」のチョコレートはここが本店ということだ。

半日の滞在はすぐに終了。
「ヴィタメール」「ピエール・マルコリーニ」など新興のチョコレート屋さんが軒を連ねる広場からタクシーでブリュッセルMIDI駅へ。
そしてタリスでパリに帰還。
そうそう。
タリスを使う際には、必ず往復のチケットを買った方がいい。片道だと数倍の値段になってしまうのだ。








さむーいブリュッセルで、僕はすっかり体調を壊してしまった。薬局で咳止めシロップとトローチを勧めてもらい、それを購入。
しかし、まったく効かず。
寝ていても埒が明かないので、
セントアンヌ通りの「国虎屋」のおうどんを食べにでかけた。ここは日本にあっても通いたいくらい、なかなか美味しいうどんを出している。
特に我々夫婦が好きなのは「国虎うどん」だ。
味噌仕立てで生姜が利いているので、身体が温まる。寒いパリにはぴったり。
でもちょっと高い。確か12EUROくらい。


1日休んで、ヴェルサイユツアーに参加。
入国してすぐツアーを予約したのだが、
この日しか都合が合わなかったので、
英語ガイド付きのものに参加。
まあ、大体分かるだろうと思ったのだが、
結果として、妻はややオカンムリ。

ルイ13世とか、フィリップ○世とか、名前の他に確認しなくちゃいけない情報が多くて、自分が理解するだけで一杯一杯でした。
中途半端な通訳斬り! 御免!

今回の取材の主目的は、ヴェルサイユ宮殿、大小トリアノン、マリー・アントワネットの小村の見学である。
朝、9:15分にホテルレジーナ前、ジャンヌ・ダルク像付近でバスに乗車。10:30にはヴェルサイユに着く。何しろ、パリとヴェルサイユはわずか18キロの距離。

午前中はヴェルサイユ宮殿内を見学。意匠を中心に普通の観光客とは違う視線で宮殿と接してきた。最も有名な「鏡の回廊」はメンテナンスのため、一部のみがそのまま。
あとは、ボードで覆われていた。残念。
午後の見学はマリー・アントワネットの小村からスタート。しかし当時の流行だったとはいえ、自分の趣味のためだけにこんな広大な村を作るとはかなり御気楽なものだ。
小村から小トリアノンへは、緑の小道を少々歩く。ここでちょっと驚いた。
体調が良くなった気がする。
大地を踏みしめ、木々の下を、小鳥の声を聞きながら歩く。
それだけで、何故かパワーが回復したような気がしたのだ。やはり自然は人間にとって大切なものなのだな、と痛感した次第。
かのアインシュタインによれば、
自然と最も近しい関係を構築しているのは、日本人ということだ。
もしかしたら、日本人は自然によって癒される傾向が他の人々よりも強いのかも。

小トリアノンには、有名なマリー・アントワネットの肖像画がある。何度か目にした事のある肖像。本当にこのような王妃が実在したのだろうか。何か、幻想のような気がしてくる。

大小トリアノンの見学中は晴れていたヴェルサイユだが、空にはやはりご機嫌斜めの雲。
今回も好天には恵まれなかったものの、
前回よりもじっくりと一日かけて見学できたのは非常によかった。
妻のジュエリー新作に期待!


滞在中に、結婚7周年を迎えた我々。
シャルル・ドゴール・エトワールのフレンチ、
「ステラ・マリス」でディナーを頂いた。
今回は初めての訪問でもあり、デギュスタシオンにしたのでポーションも丁度よく、美味しく頂くことができた。ただ、新装開店直後だったので、やや塗装の匂いが残っており、それが少しきになったというところだろうか。
隣の席の日本人ビジネスマンとも知り合いになり、なかなか楽しいディナーとなった。


今回の反省点は、出発前忙しすぎたこと。
当日の朝までパッキングしての強行出発が、
結局体調を崩す原因になった気がする。
今度からは、もう少し余裕を持って出発したいところ。無理かもしれないけど。

タリスにあのまま乗っていれば、
アントワープを経由してアムステルダムまで行ける。次回は、もう少しベルギーやオランダまで足を伸ばしたいもの。

そんなことを今、思っている。