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@麻布十番/東京ご近所プロジェクトってなに?
 僕は、「単純に知的な好奇心」と「自ら今後展開したいビジネスの可能性」という2つの視点から、数ある東京の街の中で、この「麻布十番」という街をかなりの確信を持って「選んで」ココに住むことに決めました。その理由は、いくつかあります。
理由1:東京のコアの部分に位置していること
理由2:地域コミュニティとしての求心力があること
理由3:ここを生活圏にしている在日外国人が多いこと
僕は、東京という都市が欧州の諸都市のように成熟していくとしたら、ここ麻布十番辺りからなのではないか、と思っているのです。
 そう、ただの普通の生活が送れる街。それが成熟した生活だと思うわけです。
普通に買い物をして、普通に家に帰り、普通に食事ができる。思い立ったらすぐ外食できる。映画やコンサートにもすぐ行けて、すぐ帰ってくることができる。
そんな普通の生活です。東京でそんな生活が得られる場所って少ないですよね。でもそれってパリでもロンドンでもミラノでもまったく普通のこと。麻布十番には外国人がたくさん往来しています。大使館がたくさんあるのも理由のひとつだとは思います。でもここが普通の街だから、彼らはここに集うのです。
実際、「住める」街って東京の都心にあります?
 住めない街ばかりだから、住んでない、ただ働くだけの街だから人々はそこに愛着も持たないし、ただ通過するだけになります。それが東京という都市に真の文化や伝統が根付かない訳だと思います。
しかし戦後50年以上の年月をかけて、地縁を解体し、社縁をその代替物として、郊外の労働者を都市で働かせるというモデルを定着させてきてしまったのだから、これを覆すのは大変なことです。
 失った地縁がすぐに回復できるとは思いませんが、インターネットを介して、バラバラになった住民同士をもう一度繋ぎ合わせることはできるかも知れません。実際、都心の中で唯一快適に住める場所としての「麻布十番」ですら、やっぱり「無名(アノニマス)」な人の集まり。
でも「住む」っていうことは、ただそこにいる、っていうことじゃないと思います。
ということで、ご近所さんをネットワークしてみよう、という試みがスタートしたわけです。
ご近所さんの知り合いがいると、頂き物をシェアしたり、暇なときにお酒を誘ったりと、それはそれは賑やかで楽しい生活が手に入ります。あれ? でもそれって普通のことじゃん。
その普通のことが手に入らないのが東京なんでしょ?
ご近所のネットワークを、今の時代にあった形で軽やかにしなやかに繋いで、世界中のどこにでもあるけど東京では手に入りにくい、成熟した普通の生活を手に入れていく。
それが@麻布十番/東京ご近所プロジェクトなんです。
普通の街だからこそ、僕はここに住むことにした。
普通の生活を手に入れる活動を草の根から展開したい。
 宮脇檀さんという近年ご逝去された建築家の代表作に『都市の快適居住学』という著作があります。
僕の問題意識はほぼ彼と同じ。職住が遠く離れ「郊外から都市へ働きに出る」というライフスタイルではなく、「都市に住む」というライフスタイルを選択したいと僕は考えました。
しかしそう考えると、文字通り「快適な都市生活」が送れそうな場所は東京にはあまりにも少ないことに気づいたのです。

 赤坂や六本木などの繁華街は喧騒や汚濁の問題がありますし、青山や神宮前はお洒落だしハレ感は楽しめるけれど、生活を送っていく上での基本コストが高いし、インフラも十分とは言えません。
今流行りの中央区や江東区も利便性は高いけれど、やはり生活インフラの整備は今一歩。歩いて銀座に行けます、なんて宣伝文句も溢れていますが、トイレットペーパーを買いにいちいち銀座に歩くのも難儀ですし、実際どこで売ってるの?という感じ。文京区や台東区はなかなかの環境ですが、住民が高齢なのも手伝ってやや枯れた(失礼!)街ですし、僕ら30代〜40代が生活する場としては刺激とパワーに足りない気がします。

 ほらね、麻布十番ってかなりいい線行ってる街でしょう?