大したことのない品物を新調した話あれこれ


■2021.0831(火)

●終端装置
 光回線の終端装置を新調しました。回線とルーターの間に挟むやつです。買い取り品じゃないから新調つうか交換ですな。
 機械的に寿命だったらしく、だいぶん以前から電源が不意に落ちてしまう症状が多発していたのだ。2008年末からこの回線だから、装置の寿命は13年だったことになる。家電として見れば短い気もするし、IT製品だからまあ妥当という気もします。

 洗濯ハンガーなんかとは違って、こいつの不具合は深刻な問題だった。最初こそ電源を抜き差しする等で復旧できたので、こないだ捨てた扇風機みたいに「減価償却はとっくに終わってんだけど動いてるからまだいいや」みたいな運用をしていたのだ。しかしその頻度はどんどん上昇し、末期はもぉいつ何時落ちるか分かりゃしない、そしていったん落ちると通電回復には数時間の冷却が必要という状態に陥った。事そこに至ってやっとカスタマーサービスに連絡し、交換の手配を取ってもらった。交換は無料なのにここまでためらっていたのは、以前相談した際「数日間は既存の回線も使えなくなります」って言われてたからなのでした。
 今回相談したところ、前回のその懸念点が解決していました。断線期間は機材交換に要する数十分で済むのだそうだ。終端装置はますます調子が悪くなっていたから、仮に一週間断線しっぱなしですって言われても交換してもらわざるをえなかっただろう。それが数十分で済むのは本当にありがたい。
 そんな瀕死の終端装置は、工事日程確認の折り返し電話を受けた直後にまた断線した。そして今度はもう何をどうやっても通電しなくなったのでした。オレはいまだに携帯電話のたぐいを持っていないので、この最後の電話連絡ができなかったら正味詰んでました。起動一回、時間にして数hの差で首の皮がつながったわけで、ああ危なかった。漫画なんかでよくある「しんがりを守り抜いて立ったまま戦死する古参兵」みたいな働きを最後に見せてくれたぜ。

 そんなこんなで。現代社会におけるインターネット回線の必要不可欠性を改めて思い知らされましたヮィ。つうか今ごろ思い知ってないで、スマホを持てばいいだけなんだよな。こないだ死に損なったときにも連絡手段が絶えてドえらく苦労したのだ。いや別にオレだって何かポリシーがあってスマホ持ってないわけじゃないのだけど、でも必要ないんだもの。オレ居職だし。PCでやる仕事だし。
 このへんの諸事情とスマホ持ってない自慢はまた後日に別途。

●運転免許
 運転免許を更新しました。
 五年の間に死に損なったので、更新に当たってはいつもの手続きとは別に取り調べ的なことをされました。死に損なったのはいつだ期間はどれぐらいだ、時計の絵が描けるかお手手をにぎにぎできるか、そんなことを10分ぐらい聞き取りされたぜ。医師の診断書も求められました。
 めんどーだからもう免許証要らねって言い掛けたんだけど、今後は必要になるかもしれんので思い止まりました。ワシももう歳じゃで、まともに歩けない日が来るかもしれませぬでのう。目が見えなくなるかもしれんし、寝たきりになるかもしれぬ。そうなれば自動車に頼るしかありませぬのじゃ。
 これは冗談で書いてんじゃないです。だって来るでしょ、自動運転。わりともうじき。たぶんオレが生きてる間に。そしてそうなった暁でも、運転に当たっては免許証が要求されるに決まってる。それが日本の行政。


■2021.0829(日)

●ハイジニーナ
 つい最近知ったこと。「ハイジニーナ Hygienina」って「パイパン」のことだったのですね。
 つい最近まで知らんかったです。というか、これは意図して知らんかった。デリケートかつセンシティブで・男性は知らなくてもいい・知っているとむしろ無作法、みたいな話かと思って目を逸らしてました。ほらオレ、紳士だから。
 実はそこまでデリケートではなく、「ハイジーン Hygiene 衛生的」という英単語を基にした、わりと新しめの造語なんだそうだ。「デリケートゾーンの除毛によって生理中の分泌物がアンダーヘアに付着せず、臭気、蒸れ、かゆみなどを防げる」のだそうです。って、改めてこう書くとオレなんかの目にはデリケートかつセンシティブで、男性は知らなくてもいい知っているとむしろ無作法な話に読めてしまいますな。ほらオレ紳士だから。
 そのうち仕事のネタにしてみようか、などと思いますな。ひとつ期待しておいてくれたまえよ。

●ゾーニングしております
 んー。仕事のネタにしてみようかと思ったんだが。んーんー。語義語源は前項どおりでいいとして。んーんーんー。
 これ、オレみたいなポルノ業者が扱っていい語なのだろうか。業者として扱う以上おのずとポルノチックに取り上げることになります。嬉し恥ずかし剃毛ごっこ、みたいな取り回しになりましょう。アルプスの少女と金髪の暗殺お姉さんが剃毛し合うおねロリものー、みたいなのがパッと思い浮かびます。後者は『鉄拳』の人な。

 剃毛プレイは和姦を盛り上げるのに好適な趣向なので、今まで何度も使っている。でも、それをこのハイジニーナって語に絡めていいのかしら。危険なのじゃないかしら。人の噂に聞くところ、ここ何年か世の中には「ツイフェミ」と呼ばれる恐ろしい集団が跋扈しているそうじゃないですか。
 オレはツイッターとかはやってないんだけど、それで安心とはいかないらしい。「環境型セクハラ」みたいな理屈で攻めてくるんだそうです。そんな人たちのうち、誰かお一人でもお気持ちのデリケートゾーンに触れてしまったが最期、たちまち『7 days to Die』の貞子ゾンビのごとく金切り声を上げられるのだと。すると四方八方四里四方しりしほうからお仲間が群がり集まってきて、世にも恐ろしい袋叩きに遭うのだと。ほんまかいなと思うけど、でもオレはそんなふうに聞いたよ。「これは誇張じゃないからあなたも気を付けなさい」って言われた。
 オレの言語感覚だと、ハイジニーナみたいな新しめの造語って、その人たちのデリケートゾーンに置かれてることが多いように思われるのです。ゆえに扱いがためらわれるのです。

 それらをもろもろ考え合わせたうえで。
 やっぱりそのうち使ってみる、と決めた。
 オレが商ってる品目はもとより男性向けポルノなのだし、それ用の看板を出して店開きしてる以上、文句を付けられる筋合いはいっこもないはずだ。お嫌な向きは目を逸らして通り過ぎてください。これ見よがしに鼻を摘んでくださってもオレはぜんぜん困りませんです。
 んー、なんかどうエクスキューズしても攻撃的になっちゃうな。そういう意図はないのです。上記には「ツイフェミ様がたに皮肉の一つも効かせてやれ」的な趣旨はいっこも含まれてません。オレが言いたいのは「当店ではきちんとゾーニングしております。ご理解ください」ってことだけだ。


■2021.0820(金)

●更新メモ
 洗濯ハンガーを新調しました。400円ぐらい。前回のと同じのを買ったぜ。
 なんでわざわざこんな取るに足らないことを書いてるかというと、ハンガーの更新をこの日記で記録しているからです。洗濯ハンガーとはなんかオレ相性が悪くってねえ。買うハンガー買うハンガー外ればっかり。なので日記でメモ付けて、新調するときは必ず見返すようにしてるのです。
 前回は2015年の2月ごろに新調してるな。死に損ない期間を差し引いて、6年間にだいぶん足りないぐらいでダメになっている。まあ400円の安物だし、こんなもんだ。

 古いほうが死にはじめたのは半年ばかり前だ。洗濯ばさみをつまんだらパキッ!と割れた。それが合図だったようで、どのはさみもこのはさみもパキパキと景気よく割れること割れること。割れたのは素の洗濯ばさみと交換して運用してました。そんなのを今回捨てる前に検品したら、本来のはさみは一箇所しか残っていなかったってゆーね。
 竹の花は六十年ごとに咲き、そして一斉に枯れるという。そして洗濯ハンガーのはさみは六年にいちど一斉に割れる。なにやら文学的です。直射日光中の紫外線が樹脂の高分子結合を切るーとかなんとかいう理屈があるんでしょうな。

 オレメモ。5年ぐらいで割れ始めたらすぐに買い替えなさい。400円ぐらいの物だからためらわない。洗濯ばさみを交換する手間が惜しいです。

●おさらいメモ
 『世界SF全集』という叢書がある。早川書房刊。全35冊。1968〜71にかけて刊行された。当時は「選りすぐりの名作集」てな風情だったけれど、今となっては「こてこての古典集大成」だ。良い意味でコテコテ言うてます。オレはガーンズバックとハミルトンが好き。
 この全集に収録されているあたりをおさらいしたいなあ、と思ってる。ついこないだ、ここいらの内容が脳内でごっちゃになっていることを発見したのです。あれっあの話って『夏への扉』だっけ『たんぽぽ娘』だっけ?みたいな。『地球へ…』が似てるのは『アトムの子ら』だっけ『スラン』だっけ?みたいな。

 オレメモ。竹の花の周期と同じ2028年ぐらいまでにはなんとかしなさい。


■2021.0815(日)

●マスク消費ペースの計算
 こないだ調達したマスク400枚のうち、50枚の箱一箱が空いた。
 消費期間は約80日。ちょっとでも外出する日には必ず一枚消費する、その日のうちはその一枚で回し、翌日には持ち越さないという自分ルール下で運用したので、オレが外出するのは8日のうち5日、年平均228日ということになりますな。居職としてこれは多いか少ないか。
 消費ペースがこのまま続くとして、残り350枚を消費するには540日間を要する計算になる。1年と5ヵ月半だ。ワクチン接種が猛スピードで進んでいる折から、その頃にはコロナ騒動も収束を見ておりましょう。未開封分のうち一、二箱ぐらいは消費されないまま廃棄されるのではないか。そうなってくれればいいねえ。

●「男子小学生アデランス逆さ吊り事件」
 運転免許証を更新せよと通知する葉書が来た。そうかもうそんな年月が経ちましたか。今年なのは不幸中の幸いだったな。死に損なってた期間だったら確実に失効してたぜ。
 バリカンを手にし、念入りに坊主にする。写真用におめかししています。この写真は申請用だ。免許証用は会場で撮影されるそうなので、髪の毛が伸びる前に所轄の警察署に行かなくちゃな。

 バリカンでバリバリやってる間に、なんとはなしに思い出しされた話がある。「男子小学生アデランス逆さ吊り事件」だ。同年代の子供に起きた事件として聞いた話だから、もう何十年も前のことになります。

 当時、かつらメーカー「アデランス」のCMがテレビでばんばん流されていた。あの「アデラ〜ンス〜♪」ってキャッチィなフレーズを、当時の男子小学生たちはこぞって口まねしたものです。
 そのフレーズが事件の引金になった。どこだかの男子小学生が、担任の男性教師に面と向かってそれを三度唱えてみせたのだそうだ。「アデラ〜ンス〜♪」「アデラ〜ンス〜♪」「アデラ〜ンス〜♪」ってこ憎たらしく歌ったんでしょうな。光景が目に浮かびます。
 おぐしが気になるお年頃だったその男性教師は、一唱二唱までは耐えた。しかし三唱めに仏のヅラが吹き飛んだ。彼は縄跳びの縄でもって当該児童の足首を縛り上げ、校舎の二階だか三階だかから逆さ吊りにしたのだ。
 これが「男子小学生アデランス逆さ吊り事件」です。

 以上は当時伝え聞いたままの話だ。大すじは間違っていないと思う。昔の話だがはっきり憶えています。だが、後年それを話のネタに使おうと検索しても、該当する事件に調べ当たらないのです。検索ワードをあれこれ変えてみたがダメでした。
 もしかしてデマだったのだろうか。いわゆる都市伝説のたぐい。それともオレの偽記憶か。でも聞いた相手が誰かまではっきり憶えてるんだよなあ。
 あるいは。当時は大ごとにはならずに面白珍事件扱いだったのかもしれない。男子児童の生命身体に別状はなかったという顛末を聞いた記憶があるから、おおらかなる昭和の当時はそれで済んだのかもしれん。今だと大ごとだよなあ。アデランスが広告出稿を停止するレベル。巻き添えでアートネイチャーも。
 本当のところが知りたい。情報求ム。知ってる人がいたら掲示板に書き込んでください。お礼にマスク50枚入箱あげます。未開封のやつ。


■2021.0810(火)

●扇風機
 扇風機を新調しました。
 古いほうは45Wの三枚羽。新しいほうは36Wの五枚羽。ワット数は小さいのに風力は新しいほうが強い。羽の枚数が関係しているのかな。それともモーターが改良されたのか。
 でも。この比較はちと不公平なのだ。古いほうは2006年に買った個体なのだが、2011年ごろに倒して羽をぶち割ってしまい、それをごみ捨て場で拾った羽で弥縫的に修繕して運用していたからです。拾ってきた羽はほぼ同形状だが、前のふたが微妙に閉まらなくなる程度の差異はあった。それがパフォーマンス低下を起こしていた可能性があります。
 そんなジャンク機を、すぐに買い替えるつもりでだましだまし運用して約十年。ポンコツ運転期間のほうが遥かに長くなりました。心の減価償却は余裕で2周分ぐらい終わってます。ポンコツなのに頑張ってよく働いてくれましたわ、お疲れちゃーん。だからといって自分の死に損ない体験にこじつけるような文章は死んでも書かないぞと。

●『ワレール』
 扇風機を物色しててふと目に入った商品。思わず目を釘付けに、心臓を鷲掴みにされた素敵商品。その名は『ワレール』。
 品目は「瓦」。空手等の演武に使います。試割り用瓦『ワレール』。すごーく割れやすい『ワレール』。こう煉瓦の上に積み重ね、おもむろにチョップ一撃、気持ちよおに割れまっせ『ワレール』。あっこれ欲しい! ひと目でそう思いましたですな。リンクは張りませんので各自ご検索あられませ。ああっ欲しい欲しい。ワレールが欲しい。
 ほぼ衝動的にカートに入れちゃったんだが、これ9枚売りなんだよな。しかも扇風機より高価。それで冷静になってカートから出しました。バラ売りがあったら2、3枚買ったと思う。いやいや、日本の商品命名は駄洒落が基本であるという事実を改めて思い知らされました。

●『ウレール』
 それで思ったんだが。ペンネーム改名しようかな。本文を担当した商品が売れる文章屋「ウレール」って。今までいくつかPN使ってお仕事してきたけど、どれも今いち売れてないんですもの。嘘売りが嘘売りに来て嘘売れず嘘売りながら帰る嘘売りの声。そんなお茶の挽きっぱなし、嘘のつきっぱなしを一発逆転すべく、死に損ないが一念発起して改名! その名はウレール!
 んー。悪くない。と思う。「JJサニーチバ」みたいな無茶しやがって感が横溢しています。

 でも。「ウレール」だと人名っぽくないよな。瓦に間違えられても不本意ですし。じゃあ姓まで付けよう。「ウレール佐々木」か? いやジェントル佐々木さんという同業者さんがいるから、ご迷惑になっちゃいそうだよな。やめよう。
 じゃあサニーチバ式でぜんぶカタカナにするか。そうだ閃いた! 

「ウレール・モンカキマッセ」

でどうだ?! 大阪系フランス人って人物設定で売り出しまんがな。モン・マッセってのがフランスっぽいでんがな。これなら無茶しやがって感が横溢の上をいって漲ります。漲ってあふれ返って容れ物ごと引っ繰り返ってあたり一面うさん臭くなりそう。

 クイズ。
  1.この項は冗談で書いている
  2. 〃  しごくまじめに書いている
 さーどっちだと思う?


■2021.0806(金)

●去年まで蛍光灯
 室内照明をLED電灯に替えてからちょうど一年が過ぎた。去年まで蛍光灯を使っていたのです。
 世間はすっかりLED化しているらしい。オレも蛍光灯に何かこだわりがあって使い続けていたわけではなく、普通に灯くから替えてなかっただけなのだが、それが去年の今ごろ壊れました。シパシパとまたたき始めたと思ったら、やがて照明器具本体が異臭を立てて泡を吹き、そして点灯しなくなったのです。大げさじゃなくてほんとに泡を吹きましたのだ。
 照明関係のWikipedia記事をあれこれ読んでみたところ、蛍光灯は2019年いっぱいで命脈が断たれていたらしい。そしてLED電球は2017年ごろかなりの値下がりがあったのだそうだ。通販サイトを見たらホントだ、ぜんぜん高くない。オレのイメージしていた価格の6〜7分の1程度です。
 取り寄せてみたそれは、蛍光灯と違って電球を換装できない。というか必要ない。何万時間か稼働するので、灯かなくなったら本体ごと換装するべきなのだと。便利です。それでいて電気代は、大づかみな計算で蛍光灯より\80/月ばかり低い。お得です。こりゃ蛍光灯の命脈も断たれますわ。
 一年間使ってみて、不具合はまったく感じない。明るすぎて直視しながら通電できないぐらいか。オレなんかが死に損なってた間にも文明はどんどん進歩していく。

●ネトウヨ日記#037『リブート』
 新調つながりで、ひさびさにネトウヨ話すんぜ。

 この10〜20年ぐらいか、ハリウッド映画には「リブートもの」が多い。役者を入れ替え設定をてこ入れし、今までの話はチャラにして現代ふうに新規巻き直し。その新調をリブートと呼ぶのだそうだ。マーベル系の商業的大成功からこっち特に目立つようになったのだと体感しております。

 それで思ったんだけど。近いうちに『フー・マンチュー博士』もののリブートが来るんじゃないかなあ。どんな博士なのかは各位ご検索いただくものとして、これは冗談ではなく、本気でそう予感する。内容も『天才悪魔フー・マンチュー』みたいなコメディではなく、原典の趣旨に沿ったガチなヤツ。中国資本に蚕食されたハリウッドにそんな真似はできっこないってのが今までの常識だが、冬季北京五輪がワールドワイドで袋叩きに遭ってる昨今、あながちない話ではないと思うのですよね。
 フーマンチュー博士役は誰がいいだろう。オレがぱっとイメージするのはマックスフォンシドーなんだが、それじゃミン皇帝ですね『フラッシュ・ゴードン』の。まあ誰でもいいや。あのどじょう髭に辮髪帽という強烈なアイコンさえあれば誰が演じようとも博士に見えましょう。そして陰謀を企む。今までの話はチャラにして現代ふうに新規に巻き直した、何かとんでもない陰謀を。
 んーとねー。陰謀の具体的内容まで考えたんだけどねー。そして書いたんだけどねー。さすがに時節柄マズイので、ちょっと自粛ー。ほらオレの仕事がアニメ化されるとき、声優さんに一勢に降板とかされちゃうと困るからさー、ゲラゲラ。


■2021.0731(土)

●ナゲット知らず
 「チキンナゲット」。仕事でこの食い物のことを書いてて、ふと気が付いた。
 オレ、このチキンナゲットって物を食べたことがないぞ!

 そんなバカなと思うでしょ。現代社会にあってチキンナゲットを食べたことがないだなんて。誰だってそう思うオレだってそう思う。
 でもオレは、この食べ物の味がまるで記憶にないのです。食べたことがないか、ぼんやり生きてて味わわずに喉を通したのか。いずれにせよオレは、チキンナゲットという食い物について何も知らない。日記のネタにするためにカマトトぶってるーとかでなく、ガチの本気で知らない。知ってるのはこの語義を知らないナゲットって名前と、なんか小ぶりで扁平な揚げ物だってことだけだ。チキンというからには鶏肉を揚げてあるんでしょうな。

 これでは仕事のネタにならないので、口にしてみることにした。
 お安く試してみるべく、業務スーパーで冷凍のやつを購入。500グラムで300円ぐらい。おそらくこれがチキンナゲットの底辺であるはずだ業務スーパーさんごめんなさい。
 調理済だから冷凍したまま電子レンジに2分半掛けろ、あるいは油で2分半揚げろと取説にはある。その二つの方法で温め直す。テストなので時間は厳守する。そして食べてみたところ、んん〜? なんだこれ? なんとも歯ごたえのない食べ物だな。ムネ肉っぽいんだけどなんか違う、気の抜けた味。レンジでぬくめるとふにゃっとします。油で揚げたほうは衣がカリっとしてる分だけ好ましいんだが、でもどっちもお味はもう一つで丙丁付けがたい。
 オレの顔には何を食べても美味いシアワセな口が付いているのだが、これはチョットと感じます。自分で買っては食べないし、お一ついかがと進められたらいやお気持ちだけと遠慮してしまう味。てかこれ、本当に鶏肉なのか? オカラとか混ぜこんでない? 一番お安めのだからこんなに美味しさ控えめなのでしょうか?

 ここで正解を見に行く。一般論ならウィキペディアにお任せだ。独立した項目がありますな。
 なるほど、これは一枚肉じゃないのか。ミンチとか小片を寄せて揚げるのか。道理でおからみたいな味がして形も均一だったわけだ。歯ごたえ重視派なオレが気が抜けた味に感じたわけだ。
 理解しました。これは挽き肉料理。かに脚肉じゃなくってカニかま。そう思ってもっぺん食べたらあっさりお味で美味しいじゃないの。ソースに漬けて食べるそうだが、そこに各社工夫のし甲斐がありましょう。
 あと、語義も書いてあった。ナゲットとは英語で「天然の金塊」の意なのだそうだ。知らんかった知らんかった。この小判みたいな形が金塊に見えるからなんでしょうな。面白〜い。さっそく仕事に使わせていただく。

●カマよりボイル
 業務スーパーの悪口書いちゃったから別件で褒めてバランス取りますの話。

 プレインな食事が続いたとき、肉体が「うまみ」を欲することがある。これは日本人が海外で罹るホームシックの原因の一つで、グルタミン酸の欠乏症なのだそうです。お醤油舐めさせたら治るんですって。「中華料理店症候群」の逆ですな。
 肉体がそんな欠乏を訴えてきたとき、オレは「カニかま」を摂取することにしていた。均質でMSGの摂取量をコントロールしやすく、安価かつ美味なので言うことないのです。特に直近の10年ぐらい、カニかまはどれを買っても美味しい。最安級のはさすがに繊維が雑だけど、その1グレード上あたりからまるで別物になります。何種類も試してオレのお気に入りはニッスイの「焼がに風味」って商品です。

 だが。近所に業務スーパーが出来て以来、上述の用途でオレは、もっと別の、より上等な物を食べることにしているのだ。
 それは何かと言うと「冷凍ボイルほたて」です。冷凍の粒のまま口に放り込み、体温で溶かしながらぐちゃぐちゃとしがむ。口中にあふれるうまみはカニかまに劣らず、貝柱の腰の強さがそれをさらに際立たせる。一粒で最安級カニかま1パック分の満足感。業務スーパーでお安く買える物の中では一、二を争うお気に入りです。以上褒めるパート。

●だしがら
 以下けなすパート。そんな冷凍ボイルほたてには、露骨に当たり外れがある。
 当たりを引くと実にうまみ豊かで、上述のとおり一粒でMSGチャージ完了。なのにハズレを引くと味がスカスカで肉体の欲求を治めるには四粒も五粒も摂取しなければならない。
 この違いは何でしょう。何か別種のジェネリックほたてかしらって思って調べたけど、アワビ≒ロコ貝みたいな立ち位置のモドキは、ホタテには存在しないようだ。「イタヤ貝」ってのがあるんだけど生産も流通も少なく、養殖ホタテの代用にはなりえないのだそうです。
 この手のボイルの茹で汁は、無駄なく再加工されるのだと聞いたことがある。たとえばかつおぶし加工の下茹で汁。大量に出るこれは顆粒だしに加工されるのだ。
 このボイルほたても、そのだしをたっぷり引きたくて何度も茹でてあるのじゃないかしら。だから貝本体の味が抜けてると。産地で違うのか検証してみたが、どうやらそうではなさげ。同じく加工会社でもなさげ。同じパッケージでも当たり外れがあります。どうやらロットの問題らしい。
 現時点での検証結果はここまでだ。引き続き検証を進めます。って、これ以上何が分かるとも思えないけれどな。まあチキンナゲットみたいに何か話のネタになるかもしれませぬゆえ。


■2021.0724(土)

●尿石
 しばらく家事をおざなりにしてたところ、便器がイヤ〜な感じに黄ばんできた。
 今まではたまに食器用の漂白剤でも垂らしておけばきれいになってたんだが、今回は不精の期間が長かったせいで黄ばみが落ちてくれない。むらのある、なんとも汚らしい黄色です。漂白剤でも中性洗剤でも落ちてくれません。レンジ用の油落としでもだ。
 何も考えずに有り物の洗剤を投じるのはここでやめた。この手の汚れの落ちなさは酸性とかアルカリ性とかに起因してるってのが相場だものな。食器用漂白剤はアルカリなので、この黄ばみは同じアルカリ汚れという理屈になる。じゃあ酸です。
 店頭で手に取って確かめ、大定番『サンポール』を買ってきた。こいつが最もドライな酸だ。余談だけど、ドライマティーニってカクテルは氷を投じる前にタオルで拭き上げるのだぜ、という話を昔『それゆけイルカ探偵』という小説で読んだです。そのうちどっかで使おう。
 そのドライなサンポールを多めに垂らし置いたところ、なんということでしょう、あの強固に沈着した黄ばみが一夜にしてきれいに融け去ったではありませんか。サンポールすげえ9.5%塩酸すげえ界面活性剤すげえ。子供のころ十円玉をピカピカにして以来の感動です。

 一連の経緯の理論的説明を求めてネット検索する。理屈は上記で完全に当たりでした。あの黄ばみは「尿石」と呼ぶのだそうだ。へー、ニョウセキ。トイレ汚れにそんな名称があったのか。何か仕事のネタになりそうなんでメモしておく。

●童貞石
 尿石を知らなかったのはきっとオレだけだ。こういうケースは貴重です。そういう誰でも知ってる話を下ネタにふくらませるのがオレの仕事でありますからな。こんなんパッと思いついたぜ。

「主人公は童貞青年。長年童貞をこじらせたせいで陰茎、特に雁首周辺にいぼ状の突起が出来た。これは恥垢とザーメンかすが混じり合って石化沈着した『童貞石』なのだ。」
「いかなる偶然かこの突起の位置が絶妙で、青年の陰茎はいわゆる真珠埋設ペニスの超強化版と化した。その性的最終兵器でもって彼の復讐の進撃が始まる。」

 んー。文章にはちと適さないネタかな。同人CG集でよくある、絵に文字が乗るタイプならまずまず適か。むしろエロ漫画向けな気がする。尺は『WEEKLY快楽天』で読切、受けがよければ同ネタでもう一回てな感じ。内容はワニマガジン社系なら昼寝先生とか、三和出版系だとしのざき嶺先生に描いてもらえるとご機嫌な感じ。

●絵心
 エロ漫画にはオッチャン通暁してんでー、みたいな書きかたをしちゃったものの。
 オレは今まで、エロ漫画というジャンルを志したことが一度もない。「志さなかった」じゃなくて「志せなかった」。というか漫画、イラスト、その他画業全般についてだ。
 絵心がないのです。オレにはぜんぜん。いやホントないねー。皆無。謙遜とかではなくて徹底的に無い。いやこの場合テッテ的というのが正しい文法だ、ってぐらいに無い。
 練習してみたことはあった。もうずいぶん昔です。すべての創作は模倣から始まる。模写から始め、諦め悪く何十点か描いた時点で匙を投げた。もちろんぜんぶエロい絵です。すべての芸術はエロから始まる。
 そんで。出来た絵はどれも「すじ悪」。幼児が描くみたいな純真なヘタ絵ではなく、ヘタクソな描き手のヘタさが石化沈着した尿石のような、もぉホントにどっしょもない絵なのです。しかも練習の始めと終わりで何の上達も見れなかったというね。ここで「こんな具合に下手なんですわ」ってヘタ見本を飾るべきなんだろうが、まあとてもお見せできない。尿石で一面まだら黄色な便器を「うちはトイレ掃除が下手なんですわ」って見せびらかすようなものだ。露悪的です。
 かわりに事例で説明する。たとえばオレは、フリーハンドで丸が描けない。どんなに丹念に描いても筆の起点と終点が一致せず、オウムガイの断面みたいになっちゃう。字もドへただ。黒板とかに板書をすると縦書き文字がどんどん左肩下がりになってっちゃう。画像の全体バランスを把握する能力がぽんこつなのだと思う。テッテ的に。
 以上。別に何が主張したいわけでないんだが、ドラゴンスピーチに向かって気持ちよくしゃべってたらこんな文章になりました。オッチャン自分語りが大好きやでー。隙あらば自分語りすんでー。


■2021.0718(日)
 忙しくてこの日記も滞りがちです。遊んでません。嘘屋は遊んでませんから、I上さんY坂さん。

●コカコーラゼロ
 そういうメモが溜まってるので、「最近まで知らなかったこと」の話をちょっと何回かしてみます。きょうは炭酸飲料『コカ・コーラ ゼロ』の話です。

 コカコーラゼロが飛躍的に美味しくなっているらしい。そんな話をどっかで小耳に挟んだ。そんなん嘘やん、と思った。
 だって。あれは2007年ごろのことだ。商業誌のショート・ショートのネタにしたからはっきり憶えている。当時のコカコーラゼロは、ありていに言って「論外」だった。オレは何でも美味しい雑な口が付いてるシアワセの国の住人なのだけれど、正直これだきゃ飲めんわって思った。化学薬品臭とか薬臭いだとか腐されることが多い飲み物だったけど、そういう評には収まらない、なんつうか「これは飲んだら駄目ダメだめ駄目ー!」と肉体が金切り声をあげる感じ。たとえば綿菓子のふりをしたグラスウールに思いっ切りかぶりついたらあんな感覚がするだろうか。
 そんな論外な飲み物が、しばらく忌避している間に改良され美味しくなっているらしい。そう小耳に挟んだのです。そんなん嘘やんと思ったのです。

 ちょっと仕事のネタにしようと思って、試してみた。食べたらダメなジェネリック食品ーみたいな話にしようと思って。
 そうしたところ、あらやだホント、改良されてる。当時オレの肉体に走ったあの絶許反応は今回はない。後味がわずかに薬臭いと感じるけれど、まあコーラって薬臭い飲み物だものな。比較テストなら判別できましょう、だが黙って飲まされたら無印コーラだと思っちゃいましょう。これならオレでも飲めます。

 同業者というかゲーム畑の人には、コーラをブート剤になさる方がわりと多い。あの角砂糖16個/缶の砂糖が脳にドテピンと効くのだそうだ。
 昔お付き合いがあった中にもそういう人たちがいた。その人たち、今はいかがお過ごしだろうか。まだ角砂糖16個/缶の炭酸飲料を昔のペースで飲んでらしたら、お体がてきめんにおポンコツになっておられることだろう。もしこの日記を読んでたら速攻でコカコーラゼロに切り替えてください。砂糖入ってないから効き目は弱いと思いますが、死に損ないの言うことは聞いとくもんですぞ。お毒見は嘘屋が済ませておきましたゆえ。

●塩が足りない
 その当時からオレは、甘い物をあんまり口にしない。だから脳にドテピンと活を入れたいときには「塩」を舐めていた。ひとつまみの塩を舌の先端に乗せ、口中で味わってから嚥下するのです。これでテンション上がります。
 この習慣は、読みかじり由来のかっこつけから始めた。詩人のシラーだか哲学者のデカルトだかのエピソードで「精神を高揚させるためひとつまみの塩を舐めてから執筆した」ってのを読んで、あっなんかカッコイイ! よしきょうからオレもシラー(だかデカルト)!って始めたのです。バカですネー若さって。
 バカはバカとして、このやりかたはけっこう効いた。たしかにテンション上がります。当時の仕事を見返してみると、緊張感というか無理な斜面に爪を立ててもっとよじ登ろうとした痕跡が文面に残っていて、ほほえましくも痛々しい。
 思うにこれって、血圧を上げて脳をクロックアップする効果があったのだろうな。こないだ死に損なって以来、医者の指導で日々の血圧を記録しているのだけれど、血圧の低い日はたしかに作業のはかが行かないもの。
 上記のような事情を医者に説明し「また塩舐めてもいいですか?」って訊ねたところ、目の玉が飛び出るほど怒られました。だから今のオレの仕事は、イヤミな批評家なんかの言う「塩が足りない」状態なのだ。塩のほうにもコカコーラゼロみたいなジェネリック食品がないものかしら。「粗塩16つまみ分の血圧がこのひと匙で!」みたいなヤツ。あったら舐めるんだけど、「そんなんないですか?」って医者に聞いたらまた目玉が飛び出るぐらい怒られそうで聞けないオレ。


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