「日乃出堂通信Vol.50」
前号で、5年目に入った(一応月刊のつもりだから)日乃出堂通信です。

 DVDとか買いまくりですが、あまり見てません。「ゴジラ」や「ラドン」も買うには買ったのですが...
「ラドン」は見ました。やはりあのラストは良いですね。
「死者の学園祭」も買うには買ったのですが、見る気になりません(大笑)
 ところで、伴奉天さんが博物館徘徊記を送ってくれました。
 皆さんも読んで実際に訪問してください。
 江戸東京博物館でも見られる江戸の暮らしについては、江戸東京博物館から清澄通りを南に進んだところにある(らしい)深川江戸資料館も一度見てみたいですね。
「江戸東京たてもの園」には誘ってくださいね。

*** いもほり日記 By NBC兵器大好き ***
「RED PLANET」
アントニー・ホフマン監督作品
ワーナーブラザーズ
 再び火星映画です。前は「ミッション トゥ マーズ」でした。
 端的に行って「この映画はDVD買わない」です。お話はその程度でした。
 しかし、この映画に出てくる未来ガジェットは楽しかったです。
 他には何もないな。
 そうそう、ヴァル・キルマーは相変わらず良いです。
 おわり

「映像の世紀」
 やっと、NHKも欲しいDVDが出始めました。ビデオでは結構欲しい作品がリリースされていますけどね。
 NHKはなんでこんなに悲観的に世界を見るのでしょう。
 この「映像の世紀」に収められた映像も戦争ばかりです。
 でも、10集目の「民族の悲劇果てしなく」は何度見ても人間のすばらしさを思い起こさせてくるのでうれしいです。
 でも、民族の悲劇“果てしなく”ですからねえ。確かNHKスペシャルで1999年からやっていた「世紀を越えて」でも“戦争・果てしない恐怖”みたいな副題をつけた回がありました。もう、人間はこの愚かしい行為をやめられないような考えを持っているようです。非国民的だよね。
 万世一系のすめらのみことが世界を治めれば、民族どうしの争いも何も無くなるはずなのに。所謂八紘一宇ってやつよ(使い方間違っている?)。

「クリムゾン・リバー」
LES RIVIERES POURPRES
マチュー・カソヴィッツ監督
Gaumont
 一応サスペンスらしいので、なんか書くとなぞ解きになってしまうので書くべきではないと思います。(うそだけど)
 フランス語でやられるとなんとなく内容が深いような気がしてくるのがおもしろい映画だと思いました。と言うわけで、深い内容はなかったりします。
 オチは「映像の世紀」に通じるものがあったりするわけです。

「図説 食人全書」
マルタン・モネスティエ著
大塚宏子訳
原書房
 写真はあまりありませんが、図説ではあります。それほど生々しくはありません(判断基準が異なるので何ともいえませんけどね)
 基本的な部分は網羅されていると感じました。ある意味、「基本テキスト」にできる本と言っても良いでしょう。
 私が今まで読んだ少ない“長い豚”関連の本では気がつかなかったキリスト教における聖体拝領が食人(食神)儀式だと言うのが指摘されていました。確かに指摘されて考えると「確かに!」と言う感じです。
 最後の最後に書いてある「第12章 産業化・組織化された食人 21世紀の食糧難に対する答え」は何かの皮肉なのでしょうか?よくわかりません。その部分は、人口増加に対して人間にとって最適なタンパク源たる人間を食べないとならないって話でした。でもねえ、人間って成長に時間がかかるのよね。だから私は全く賛同できませんでした。
 ところで、「日乃出堂通信35号」で紹介した「人肉食の精神史」に書かれていた臓器移植のことにも触れています。
 私は直接的な食人にはそれほど抵抗は無いのですが(抵抗があるとすれば、以前書かせてもらったように食肉として育てられていないことによる味や食感に対することでし)、胎児を素材にしたさまざまな製品を“「人肉食」と聞いただけで顔をしかめる人たちが平気で使っている”と言うことを想像すると気分が悪くなります。


*** 博物館探訪記3連発 伴奉天 ***

 「れきはく」探訪

 如月某日、東京方面へ行く機会があり、そのついで国立歴史民俗博物館へ行って来ました。兼ねてから訪れたいと思っていたので、着いた日は京成佐倉駅の近くのビジネスホテルに宿泊し、翌日開館と同時に入場することにしました。
 京成佐倉駅から案内図を頼りに西方に歩くこと約15分。入り口にたどり着きました。そこから始まるなだらかな坂道を上っていると、途中右手に見覚えのある石仏が。それもそのはず、寄ってみると臼杵磨崖仏の複製でした。
 そこからまただらだらと続く坂を上って行き、約5分後に漸く博物館の入口にたどり着きました。しかし、少し早く着きすぎ、9:30の開館まで暫し休憩。とはいえ、私と同じ様に開館待ちをしている人が他に3人居ました。
 9:30 開館。
 この博物館は5つの展示室があり、それぞれ原始・古代(第一)、中世(第二)、近世(第三)、日本の民俗(第四)、近現代(第五)の資料が展示されています。また企画展示室には、日本の建築(建物のスケール模型)と今回は新着資料がありました。
 入場券を買って、入るとすぐに波の音がお出迎えです。
 今回は初めてなので展示室を順に見ていくことにしました。
 原始・古代についての第一展示室は、石器や縄文の生活、弥生の生活が展示されていましたが、私の興味を惹いたのは弥生人が豚(猪豚)を飼っていたということです。縄文人が犬を飼っていたことは知っていましたが。
 ということは、仏教の伝来と共に獣肉食は減り、明治の文明開化まで一般化しなかったということでしょうか? それと、木製と鉄製の違いはあるとして、農器具はこの頃からあまり変わっていませんね。
 展示内容は古墳時代から奈良時代(律令制、平城京)へ。
 この展示室には沖の島(宗像三女神を奉ってある島)のエリアがあるのですが、神社の祭具(禁足地)展示が興味深い。石上神宮のもあり、十種神宝(とくさのかんだから)かしらと思わせられました。また、東大寺の写経室では瑜伽師地論の一巻が展示されており、玄奘三蔵を想起させられました。
 次に中世の第二展示室へ。
 王朝文化と称して貴族の衣装などが展示されています。
 また、仮名の発明の変遷の展示がありました。
 戦国時代の京都畿内・洛中洛外図の立体化模型があり、絵では分かり難い情景が良く分かるようになっています。
 個人的には、現存する世界最古の印刷物である百万塔陀羅尼に惹かれました。聞いたことはあるのですが実物を見るのは初めてです。グーテンベルクの聖書もそうですが、歴史に残る印刷の始まりが教典であることは洋の東西を問わずなのですね。  時代は下り、近世の第三展示室へ。
 百姓の世界というのがあるのですが、これを見ると田舎の昭和30〜40年代はこの頃からちっとも進歩していないのでは?と思ってしまいました。
 近世といえば江戸時代ですから、大都市江戸、旅や民衆の文化についての展示がありました。
 ここでの見所は、覗きカラクリ・地獄極楽でしょう。なかなか面白かったです。
 そして、第四展示室、日本人の民俗世界へ。
 そこは、大阪は法善寺の水掛不動です。関西に来て早十年になりますが、行ったことがありません。「仏教戦隊ブッダマン」の歌で知っているだけです。(水掛不動には、先日行って来ました。人だかりというほどではありませんでしたが、そこそこ人は来ており、線香の煙は絶え間なく上がっていましたね。もっとも狭い場所なので人だかりがすると身動きが取れなくなるかも?)
 もう一つは、笠森稲荷。こっちは全く知りません。しかし、法善寺水掛不動に対抗するなら巣鴨の刺抜き地蔵では?と思ったのは私だけでしょうか?
 そこを過ぎると、いろいろな地域(村里、山、海浜、南島)に住む人の暮らしとそこで奉られている神々についての展示がありました。
 人が神仏に頼み、願うという行為は、生活する場所に限らず続くのでしょうね。
 村里の暮らしは、私の成長と重なりますので、なるほどと思う箇所が多かったです。
 更に、私の実家の町にも平家落人伝説があるとの記述を発見し、今まで聞いたことが無かっただけに驚きました。
 また、穀物倉(箱倉)の作りは実家と同じであることに気付きました。さすがに外に出てはいませんが。
 最後の第五展示室は近現代。
 文明開化による教育の普及、洋風建築、自由と平等を求めた民権運動、殖産興業による労働。北海道の開拓については改めて満州の開拓と似ている(寧ろモデルか?)ことを感じました。
 ここでは、大衆娯楽である活動写真館の再現を満喫しました。(でも、カフェーの看板に書いてあった美人局ってどういう意味? 何か私の知っているのと違う意味があったのかしら?)

 13:30から歴博講演会「葬儀と祭壇」を聞きました。
 葬式の祭壇が葬列にとって変わりつつあり、また団体葬などの大規模な葬式は宗教色を薄めた生花祭壇が多い。
 葬式における祭壇の変遷により、現代における死の受けとめ方を考えるというものでした。
 それほど難しい内容ではなかったし、レジュメもあったので分かりやすかったのですが、私としてはその先の葬る者と葬られる者、墓の関係が知りたいところです。祖霊信仰が廃れた後には墓の意味が変わると思いますので。某将のように“死んで鎮護の鬼”となる必要はこの国には不要でしょうしね。

 企画展示には新着物が展示されていました。テーマは誕生・結婚・葬儀です。
 他に日本の建物の模型がありましたが、時間が無く見ただけという感じであまり記憶にありません。

 16:30、閉館の案内があった後、博物館を後にしました。

 個人的に興味があり面白かったのはやはり第四展示室の日本の民俗です。
 歴史学(考古学)より民俗学に興味を持っているならば、第四、第五展示室から上(過去)に遡った方が時間的に楽かも知れません。この点は失敗し、お陰で最後の方は早足のなってしまいました。尤も、公演を聞かなければ時間は充分あるでしょう。
 とはいえ、私は民具を見て当時の生活を想像するのが好きなので、ここにはそういった民具が少ないのが残念でした。日本の歴史文化を知るには良いと思いますが。
 あと絵を立体化した模型や複製が多く、わかり易くはあると思います。これも模型化や複製についての異論があるとは思いますが。

 それと、見学した日は親子で歴博館内を回っている人が多く、歴博内の展示についての問題集(?)みたいなものを解きながら回っていました。ちょっとうるさかったけど、オリエンテーリングみたいで楽しそうでした。
 また、ここにはそれぞれの代表的な展示についてレポートがあり、それを集めるだけでも館内を回る意義があるかも知れません。

 機会があったら一度は行って見る価値があるかも知れません。二度目はどうでしょうね?
 とはいえ、これで来訪したい博物館が一つ消えました。
 あと東京圏で行きたい博物館は「江戸東京博物館」「江戸東京たてもの園」
「目黒寄生虫館」などでしょうか? 機会を模索しなければ。


「江戸東京博物館」探訪
 2001/02/11(日)晴れ
 宿泊先近くのJR佐倉駅から総武線に乗ってJR両国駅まで行く。
 駅構内のコインロッカー(駅の外にコインロッカーはない)に荷物を預けて博物館へ向かう。看板がありわかりやすい。国技館から相撲の太鼓が聞こえてくる。
 博物館は7F建ての大きな建物だった。
 3Fの江戸東京広場までエスカレーターで登り、そこで入場券を購入する。
与謝蕪村の特別展もやっていたが別料金だったので、今回は常設展のみの入場券を購入。
 10:00開館と同時に入場。
 常設展示は5Fと6Fなので、エスカレーターで6Fまで昇り、そこから降りてくるというのが一般的な見学コース。
 常設展示室は大きく3つに分かれており、それぞれ江戸ゾーン、東京ゾーン、通史ゾーンと名付けられている。
 先ずは、お江戸は日本橋を渡って江戸ゾーンの江戸城と町割りのエリアへ。城下町江戸の様子や徳川家系図、江戸城についての展示がある。松の廊下が江戸城のどこにあったかとか、武家上屋敷の様子などが模型でわかりやすく示されている。
 一巡りした後、6Fから5Fへ。
 ここで江戸時代の暮らしぶりを見る。棟割り長屋の模型(中ではお産の様子を展示)を見ながら、落語の「三軒長屋」や「長屋の花見」を思い描く。次は浮世絵の作成模様、貨幣の展示。ここには千両箱(?)が置いてあったので持ち上げてみる。約10kgあるという。
 江戸の商業や農業のところでは肥桶も置いてあった。これも屁っ放り腰で担いで見る。
 このように、実際に触って体験できるものもある。
 江戸の芝居の展示では、歌舞伎の仕掛けの模型があり、時間が来るとガイドが説明してくれる。仏壇返しやどんでん返しなど、見ていて面白い。こういった仕掛けものも幾つかあった。但し、何分かに一回という風に時間が決まっているので、見ようと思ったらその場で松必要がある。
 こうして江戸の文化を一通り見て回った後、通史ゾーンへ。
 旧石器時代から現代までの展示があったが、歴博で見たのより小規模だったためあまり興味がなかった。
 さて、次は文明化後の東京へ。
 まずは、ガラスの下に鹿鳴館、あの煉瓦街の銀座の模様などの模型など。鹿鳴館は家根が割れ、中の様子を見ることが出来るし、銀座では当時の事件をディスプレイしてある。
 しかし、ここで一番感動したのは、市民文化と娯楽のエリアに展示されていた浅草十二階こと凌雲閣の1/10(?)模型でした。設計図がないため写真や絵からの復元と言うことだったが、写真でしか見たことがない私にはこれで十分。これだけでもここに来た価値は有った。
 東京大震災に東京大空襲、新宿の闇市と戦前から戦後の怒涛の時代をくぐり抜け、最後は世界の中の都市としての東京で締めくくり。
 私は、民具や居住空間に興味があるのだが、東京の台所は座り流しだったということを今回初めて知った。また、移動できる竈なども知らなかった。個人的に言えば、こういった民家の模型はもっと間取りがよくわかるように屋根の上から見下ろせるようにしてくれたらと感じた。
 江戸東京博物館は他にも、映像ライブラリーや図書室があるのだが、今回は時間が無くてパス。次回、来る機会があったら、東京ゾーンだけ見て、こちらの施設で過ごそうかなと思った。とはいえ、一日あったら十分見て回れるのではないだろうか?  それと、分館の「江戸東京たてもの園」には是非とも行きたいものである。

 国立民族学博物館・企画展「大正昭和くらしの博物誌」

 3/17(土) その日は曇り空に時折小雨が降る日だった。
 にもかかわらず、万博公園へ向かう人が多い。
 こんな日に梅見でもないだろうから、民博に行くのかしらと思っていたら、国立国際美術館のエジプト文明展へ入っていった。どうも相当の人気を博しているらしい。

 今回は企画展と言うことで、常設展の料金で入場できる。
 会場に入ると、たくさんの招き猫と福助人形、達磨が並べてあった。
 渋沢敬三のアチック・ミューゼアム(屋根裏博物館)の初期の収集はこういった郷土玩具だったそうで、こういったものを並べての博物館ごっこが、後のみんぱくに繋がって行ったというのを、予備知識で読んだ中公新書「民博誕生」に書いてあった。
 その後、収集物が玩具から民具へ移っていく。
 履き物研究ということで足半(あしなか)草履がたくさん展示されている。田下駄の展示もあったが、これは今では異人の履き物らしい。
 初期の民具の収集物も展示されているが、表示がないものについては見ただけでは用途のわからないものが結構あった。民具は奥が深い。ということで、絵入りで使用方法の説明があるものはわかりやすい。また、展示は台の上だけでなく壁や空中にもあり、空間全部が展示という感じで、視線をあちこち彷徨わせる必要がある。また、「これは何に使うものか?」というQ&Aが幾つかあり、これもまた知的好奇心をそそる。
 次に敬三は民具にX線を照射して、その内部を調査したという展示があったが、これはなかなか興味深い。
 それから、アチック・ミューゼアムが旅行団を組んで各地で集めた民具の展示。このときの様子を16mmフィルム(無声)に収録しているのだから、さすがは渋沢子爵。お金持ちである。
 2階には日本各地の協力者が集めた民具、それから重要有形民俗文化財のオシラサマ(!)が展示されている。
 その民具の中に底抜子杓というものがあった。正に底を抜いた柄杓。漁師の民具のようだったので、もしかするとアレ用ですかね?
 それから、また1Fに降りて、日本から海外の道具へ。台湾や朝鮮半島、南洋群島の収集物が展示されている。
 最後に、渋沢敬三の博物館に掛けた夢について紹介したコーナーを最後に企画展を出る。
 個人的には、アチック・ミューゼアムの旅行団の収集物と各地の協力者が集めた民具というのが、普段の展示場にあるときよりも身近に感じて面白かった。

 昼食はレストランみんぱく。メニューに民族料理(主にアジア)が追加されていたので、 今回はナシゴレン(ガドガド付き)を食した。ナシゴレンとはインドネシア風焼き飯のこと。それほど辛くなく、なかなかの美味。ちなみにガドガドとはピーナツペーストドレッシングのサラダ。これはままというところか。しかし、みんぱくへ行って食事をする楽しみが増えたことは収穫である。

 次に常設展示のオセアニアの変更を見に行った。
以前の弓矢や槍の展示が無くなり、代わりに先住民族(ハワイ、アボリジニ、マオリ)の独立運動と芸術・文化について展示されていた。弓矢や槍を見てリアルな冒険を想像していただけにちょっと残念。

 最後にみんぱく(国立民族博物館)の変更について
・ビデオテークの利用が当日に限り、何度でも可能になった。
 (正月休みに行ったときにも何度も利用可能だったので、そのときからか?)
・3/15より、みんぱくの本館1F無料ゾーンに。
 そのため、みんぱくゼミナールや1Fのイベント、勉強室、売店などは自由に出入り可能。
 代わりに、入場券のチェックは2Fへ移動し、常設展示室への出入りにチェックが入るようになった。
 (常設展示室から出ると入場証明を一々するのが面倒)
・レストランみんぱくに民族料理(主にアジア)のメニューが追加。
・4/1から文化施設入館者の自然文化園の入場は無料化。
 (これでみんぱく入場料だけで行ける!)


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* 日乃出堂通信 Vol.50 2001年 4月 1日発行    *
* 発行:日乃出堂                 *
* e-mail:hig@fat.coara.or.jp           *
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