【紹興酒の定義】

 中国産のお酒は、大きく分けると「白酒」と「黄酒」の二つに分類することが出来ます。

 「白酒」とは、蒸留酒の酒。(茅台酒、汾酒、五糧酒、高梁酒、白乾児酒、等)
 「黄酒」とは、醸造酒の酒。

 という意味になります。

 そして、「黄酒」の中の一つに「老酒」という物が有るわけですが、老酒には、その各産地の名前を商品名に付け加えてラベルに表記することが、一般的であるようです。(紹興酒、上海老酒、福建老酒、江蘇老酒、等)

 ここでやっと、紹興酒の名前が出てくる訳ですが、では、紹興酒の定義とは、

『紹興酒とは、浙江省紹興市の鑒湖の水(湧き水)を使い、製造後3年以上の貯蔵熟成期間を経て製品化した物を「紹興酒」と言う』となります。

 ですから、この定義があてはまらない物は、本来「紹興酒」とは言えないわけですから、台湾製の老酒は、紹興酒とは名乗れない、名乗らないのが、正しいあり方だと思います。

(※)紹興酒の定義を読んでいただければ判るとおり、中国全体を考えた時、紹興酒とは、中国の一地方都市の地酒に過ぎません。江蘇、浙江周辺(江南地方)の穀倉地帯で作られたモチ米を原料として製造されていますので、その地方では常飲されているとは思いますが、 それ以外の地方では、「紹興酒」という名前すら知らない人がいるのかもしれません。(酒の全生産量の80%位は白酒だと言われています)

 また、中国国内向けに出されている紹興酒は、紹興酒の要件(3年以上の熟成)が適用されていませんので、日本人が知っている紹興酒とはかなり味が違う場合もあるという事らしく現地で飲んでみたい場合など、注意が必要かもしれません。