■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 最新50

ラグナ日記スレpart3

372 :(^ー^*)ノ〜さん :03/03/12 14:33 ID:+wqqxTlt
ちょっと長いけど、ご容赦だ。

2002年 某月
久しぶりに、この世界の私を目覚めさせてみた。
私はこの世界に別れを告げる為に…最後に世界を見て回る事にした。
色んなシガラミに囚われ、疲れ果てた上での決断だった。
この世界は私が生まれた場所…初めて見て、初めて歩いて、初めて友達と語らった場所。
何も、変わってないな…そう思いつつ道を、森を、街を歩いた。
何をするでも無く、ただブラブラと歩く。
今見ている世界…昔と全く同じ景色なのに、全く違う世界に見える。

最後に辿り着いた首都を、無機質な露店商人の間を歩き、大通りを歩んでいく。
そして、何気に立ち寄った図書館横の裏路地。
そこに赤髪の彼女は居た。
誰も居ないと思ってなのか、エモを出したり、独り言を言ってみたり。
ふと、私と目が合った途端、無言になってしまった。

「なにしてるの?」
少しの間を置いて、私はそう話し掛けてみた。
おどおどしつつも、少しずつ打ち解けていく私と彼女。
どうやら、今日初めてこの世界に生まれ、勝手が判らず裏路地でこっそりと練習していたらしい。
あれこれと、雑談をしたりしている内に、レベル上げの手伝いをする事にした。
ちょっとした気まぐれ、と言う奴だろうか。
倉庫に眠っていた一振りのマインを握らせ、外へと誘った。

それから約2時間、手違いでLinkモンスターを叩かせ、気絶させてしまったりしたが、
心から楽しいと思える時間を過ごした。
どんな小さな事でも、目を輝かせて触れる彼女を見ている内に、
ずっと忘れていた「ダイジなモノ」が私の心に染みていく。
初めてココに立った時、全てが新鮮だった。見えるモノ、触れるモノ、全てが輝いていた。
今の彼女の様に、全てを楽しんでいた、そんな気がする。

373 :(^ー^*)ノ〜さん :03/03/12 14:34 ID:+wqqxTlt
続き

出会いがあれば、別れもある…私の命が潰える時間が迫ってきた。
首都に戻り、最初に出会った場所に座って暫しの雑談の後、意を決してその旨を彼女に伝え、
話を最後まで聞いてくれた彼女に、心から礼を言い…トレードマークだった緑の触角を手渡した。
幾らほど時間が経っただろうか…ぽつりと、彼女の口から言葉が紡がれた。
「私は、いつでもココにいますから」
そういい残すと、彼女の影は薄くなり、消えた。

そして私も、己の分身をその場から去らせ…そして、己の手で永遠の彼方へと送った。
56歳と言う、短い一生を終えた不憫な我が子を、涙と共に。


2003年 某月
最後の別れを告げた時から、幾ばくの時間が流れただろうか。
姿は違えど、遠い昔に葬られた我が分身と同じ名前で、立っていた。
何の気まぐれか判らないが、首都大聖堂前に私は居た。

何も変わってないな…そう思いつつ無機質な露店商人の間を歩き、誰も友達の居なくなったこの世界を歩いた。
そして、ふと立ち寄った図書館横の裏路地で足を止めた。
何も意識せず、何も考えずに…其処に着いた。
そう言えばノビなんて、久しぶりだ…等と思いつつ、人気の無い其処でエモを出してみたりして一人苦笑していた。

「なにしてるの?」
ふと、声を掛けられた。
突然の声に驚いて振り向いてみると、緑の触角を付けた赤髪の女騎士が立っていた。
お互いの目が合い、長い沈黙の後に、一振りのマインと共に彼女の口から一言、言葉が贈られた。
「おかえりなさい」と。


続きを読む

掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
名前: E-mail (省略可) :

read.cgi ver5.26 + n2 (02/10/01)