Half Moon
月を見るのは好きだ。それが喩え三日月であろうが満月であろうが。
秋でもないのに一人寂しく酒など飲んでいると気が滅入ってくる。
私が寂しさを愚痴れば影がそれを笑い、月がそれを諌める。
そのうちに空が白み始め、それと共に頭はどんどん重たくなる。
そろそろ三人の飲み会もお開き、明けていく空に月も光を
月よ影よ、また酌み交わすとしようじゃないか。 |
・作者から一言('02/06/16)
ひょんなことから「飲めや歌えや雑文祭」というものがあることを知り、 |
月下獨酌花間一壷酒 花間 一壷の酒 獨酌無相親 獨り酌みて 相い親しむ無し 擧杯邀名月 杯を擧げて名月を邀え 對影成三人 影に對して三人と成る 月既不解飲 月 既に 飲むを解せず 影徒随我身 影 徒に 我が身に随う 暫伴月將影 暫く月と影とを伴い 行楽須及春 行楽 須く春に及ぶべし 我歌月徘徊 我歌えば 月 徘徊し 我舞影凌乱 我舞えば 影 凌乱す 醒時同交歓 醒むる時 同に交歓し 醉後各分散 酔いて後 各々分散す 永結無情遊 永く無情の遊を結び 相期遥雲漢 相期す 雲漢遥かなり |