豚汁を食べ物として扱う理由


    もしこれが豚汁でなく味噌汁であれば素直に飲み物としたであろう。

    味噌汁は具が何であれ味噌汁である。豆腐、油揚げ、大根・・・、いずれの具が入っていようと呼び名は味噌汁、つまり主成分は「味噌」なのである。また食卓の上での味噌汁は「御飯」や「焼き魚」といった主食・副食によって脇に追いやられてしまい、ただのスープという立場に甘んじている。このことから味噌汁は「飲む」ものと言える。

    しかし具が豚肉となった場合この状況は一変する。豚肉が加入したことで栄養価もグンと高上し、副食はおろか主食の「御飯」さえも脅かす存在と化すのだ。呼び名も「味噌汁」ではなく「豚汁」となる。これは「味噌」に代わって「豚肉」が主成分の座に着いた事を意味している。豚肉はどんな加工を施そうとも食べ物であって飲み物ではない。それ自体がメインディッシュとなり得る食材なのである。よって豚汁は明らかに食べ物、スープではなくシチューに近いモノとして位置付けられる。

    ここで取上げる商品は「ドリンク」とまで銘打たれているが、上記の理由から「食べ物」として扱うこととした。