線路を分岐させたり交差させたりする場合,車輪にフランジという出っ張ったふちがあるため単純な構造では済みません。しかし,それゆえに実に工学的な美しさをもっている機構と言えると思います。 なお,タイトルにあるように,正式には「分岐」と「交差」は分けて考えられておりますが,両方の機能を兼ね備えているものもあるのでここではまとめて「分岐」として扱っています。 |
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秋田県・大館駅
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●江ノ島電鉄線・長谷駅側近の踏切,江ノ島駅側近の踏切 ●都電荒川線の一部(大塚駅がおすすめ) |
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では,この角度が浅ければ浅いほどいいかというとそうでもありません。分岐器自体が長大になることはもちろんですが,異線進入(下図)という重大な問題も抱えてしまいます。これはノーズが鋭いため,本来進行したい方向ではない方向のフランジウェイに誤って車輪が進入してしまう現象をいいます。当然列車は脱線してしまいます。これを防止するために,クロッシングの反対側のレールにはガードレールが設けられています。クロッシング側の車輪が異線進入しようとすると反対側の車輪がガードレールに当たって脱線を防ぐわけです。 |
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また,上越新幹線・高崎駅付近では長野行新幹線の分岐にこのノーズ可動クロッシングによる#38という大変浅い角度の新型分岐器が導入されています。これは分岐側へ160km/hで進入することが可能です。その後、都心と成田空港を結ぶ東武スカイライナーでも導入されました。 |
![]() ![]() 東海道新幹線 |
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●京浜急行線・生麦駅ホーム |