Pacific Crossroads, 2010

Japanes-American Naval War Plans, 1917-1922
トラック島を中心とした中部太平洋の日米の戦いです。値段が安くカウンター数も少ない入門用の位置づけです。外側に1917-1922と書いてありますが、実際には1919年のシナリオしか存在していません。日英同盟らしきThe Angro-Japanese Allianceという言葉が出てきます。ただし英国は参戦せずに港湾での補給のみ可能となっています。
カウンターはダブルサイズの艦艇ユニットが25個とシングルサイズのマーカーとユニットが40個しかありません。マップは東を上にしたA3×2です。中央部にトラック島、南にカヴィエンからラバウル、北北西にサイパンとグァムがあります。

日本には弩級戦艦の扶桑、山城、巡洋戦艦の比叡、榛名、霧島、よしゅん(Yoshun)、ていぼ(Teibo)、前弩級戦艦の薩摩、安芸、軽巡の筑摩、矢矧、平戸の計12隻のダブルサイズカウンターが、アメリカには弩級戦艦ニューメキシコ、ミシシッピ、ワイオミング、アーカンサス、アラスカ、ハワイ、アイダホ、巡洋戦艦イントレピッド、ボンノム・リチャード(読み方に諸説あり)、装甲巡洋艦シアトル、偵察巡洋艦マニラ、ダバオ、セブの13隻が登場します。

「よしゅん」と「ていぼ」は謎の艦です。「ようしゅん」だと「陽春」と変換されます。これなら秋田藩所有の軍艦にあった名前ですが、それとこれは全く違うはずです。もしかして鹵獲艦かもしれませんが、陽春という艦名は秋田藩のものだけです。

金剛のユニットが無くシナリオにも登場しないのは Vol.VIIIのCruiser Warfareに登場したためだと思われます。これに登場した艦艇と本作品に登場した艦艇を合わせると、ほぼ当時の連合艦隊が揃います。伊勢と日向のみが、この時代の艦艇なのにもかかわらず、どこにも登場していません。また残念ながら連合艦隊勢揃いのシナリオは存在していません。
コマンドジャーナルによると金剛が存在しないのはイギリスに接収されたためとのことです。

このままの陣容では、弩級戦艦が2:7で日本が圧倒的に劣勢に立たされます。完成当時世界最大最強の戦艦の36cm砲12門が火を噴くぜとなるのを期待しましたが、実はアメリカのニューメキシコ、ミシシッピ、アイダホも同じ砲撃力なのです。まともに艦隊決戦を挑めば数の差で確実に負けます。

選択ルールとして、「封鎖突破任務」、「沿岸防備任務」があります。

Battle Scenarios
#1 Fast Cruisers, 1919/4 夜戦, 好天,日米軽巡または偵察巡洋艦3隻と駆逐艦10隻同士の殴り合い
#2 Assault on Guam, 1919/4 昼戦, 好天,日の全力艦隊の来寇を米の2/3程度艦隊が阻止する
#3 Raid on Truk, 1919/5 昼戦, Fog,日の巡戦と軽巡が守るトラック環礁を米巡戦と水雷戦隊が襲撃する
#4 Strategic Warfare, 1919/6 昼戦, 好天, 厳重に守られた米のフィリピン補給船団を日の巡戦の戦隊が襲撃する
#5 Battle Wagons, 1919/7 昼戦, Mist, 日米の超弩級戦艦2隻ずつに護衛の駆逐艦の戦隊同士の殴り合い
#6 Lone Wolf, 1919/7 夜戦, 好天, ド級戦艦安岐と駆逐艦4隻が守る輸送船団を米巡戦イントレピッドが襲撃する

Operational Scenarios
#1 To Guam and Beyond, 1919/4, グァムまたフィリピンに向かう米輸送船団
#2 Raid On Rabaul, 1919/4, ラバウルに砲撃を仕掛ける米軍
#3 Tip and Run, 1919/5, 通商破壊を仕掛ける米軍
#4 Convoy to Rabaul, 1919/6, ラバウルに向かう日輸送船団
#5 Through Ticket, 1919/6, フィリピンに突破する米艦隊と阻止する日艦隊
#6 Supply Train, 1919/7, 日本軍の通商破壊

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