The Great War at Sea

 1900年前後から1920年ごろまでの主力艦同士の戦いを比較的簡単なルールとシステムで再現したものです。前ド級戦艦から、ド級戦艦、超ド級戦艦までを扱います。巡洋艦も非装甲の巡洋艦から装甲巡洋艦、防護巡洋艦などが単艦で登場します。駆逐艦、水雷艇、砲艦は約4隻が一組です(編成シートに隻数を記録します)。

 ユニットには、国籍(軍艦旗)、艦種と番号、速力(2+, 2, 1, 1s)、砲撃力(主砲-副砲-小口径砲)、上面図、艦名、雷撃力(発射管 or 船体固定)が記載されており、軽巡以上はダブルサイズユニット、それ以下はシングルサイズユニットになっています。国籍を軍艦旗で識別するというのが曲者でして、第一次大戦やそれ以前の国の国旗ならまだしも軍艦旗が全部わかるわけねーじゃん、です。オーストリア・ハンガリー帝国の軍艦旗には苦労させられました(笑)。オーストリア・ハンガリー帝国は第一次大戦で負けるまではアドリア海(イタリア半島とバルカン半島の間)への出口をもっており、かなりの規模の海軍を保有していました。

 作戦マップでは攻撃側が事前プロットで航路を決め、防御側が短期間のプロットを連続して行いながら敵を索敵するシステムです。いったん艦隊が接触すると戦術ディスプレイで戦闘が開始されます。
作戦マップは、半分ずらした正方形のレンガ積みになっていますが、戦術ディスプレイはヘクスで表されています(初期の製品は戦術ディスプレイもレンガ積みです)。

作戦マップの海域1つは1辺が32マイル(51.2km)です。戦術マップは1ヘクス8000ヤード(7200m)です。作戦マップの1ターンは4時間、戦術マップで5回の砲撃戦(2+, 2, 1, 1+, allの各移動ごと)が終わると作戦マップの1ターンが終わります。

シナリオの種類

シナリオには作戦シナリオと戦闘シナリオがあります。戦闘シナリオは戦術ディスプレイにユニットを並べて移動と砲撃から始まります。作戦シナリオでは両者が事前プロットを行い、移動しながら索敵を行い、敵と遭遇してから戦術ディスプレイでの戦闘が始まります。

戦術システム

 要約すると、向きは関係なく必要なのは距離だけで、砲撃力と同数の6面さいころを振り6の目が出れば命中という「6出ろシステム」です(修正あり)。主砲砲撃力は三笠で3、金剛で8、長門で11です。

 対辺間10へクス、1辺6へクスのメガへクスで戦術戦闘を解決します。昼間視界は4へクス夜間視界は2へクスです。非活動側はメガヘクス中央の7ヘクス(中心ヘクスとそれを取り巻く6ヘクス)に配置され、活動側はメガヘクスの縁に登場します。主砲の射程は3へクス副砲の射程は2へクス小口径砲の射程は1へクスです。砲撃力11以上の主砲は4ヘクスの射程を持っている長距離砲となります(ただし4ヘクスで砲撃するときは砲撃力が半分となります)。

奇襲: 索敵ダイスが6の目だった場合、主導側は1ヘクス近いヘクスに配置できます。

 戦術ディスプレイの1ターンは複数のインパルスに別れており、速力区分ごとに1ヘクスだけの移動を実施し、移動終了後に射程距離内の艦同士が砲撃戦を行うというシステムになります。1ターンは4インパルス構成になるため、1インパルスは実時間の60分に相当します。

速力の早い艦は多くの移動機会が回ってきて多く移動できます。速度が遅い艦は、砲撃戦後の移動で接近できますが、すぐ次の主導側の移動で距離をあけられてしまいます。つまり、優速な艦は交戦距離を自由に選ぶことができるわけです。

 砲撃戦は、速度が遅いために当該インパルスに移動できなかった艦でも実施できます。なお、艦の向きは戦闘に関係せず、ヘクスのスタック制限は8隻という大胆な簡略化がなされています。砲撃力分のさいころを振り6の目が出たら命中という、いわゆる「6出ろシステム」です。命中したら命中箇所を決定して、砲撃した砲のサイズと命中箇所の装甲程度から貫通したかどうかを決定し、貫通すればダメージ判定となります。砲のサイズは、主砲、副砲、小口径砲の3等級に、装甲は重装甲、軽装甲、装甲なしの3等級に簡略化されており、重装甲を貫けるのは主砲のみと、砲と装甲の等級同士が1:1対応になっています。主砲が軽装甲か無装甲に命中した場合、ダイスを1つ振り4-6の目で追加1打撃を被ります

砲撃命中修正: データ表の艦名がイタリック体の場合は+1、同一または隣接ヘクスを砲撃する場合は+1、目標艦艇が行動不能の場合+1

ドレッドノートの場合、主砲火力は7なので、目標にさいころを7個振ることができます。2ヘクス先への射撃ごとの命中期待値は1.17発です。隣接または同一ヘクスなら2.33発になります。

 雷撃は同一ヘクスまたは隣接へクスで実施できます。砲撃の後雷撃を行うので、砲撃結果として雷装が破壊されることがあります。6の目で命中するのは砲撃と同じです。

雷撃命中修正: 目標が主力艦または高速輸送船(TRF)の場合は+1、目標が航行不能なら+1、同一ヘクスの目標に対する雷撃なら+1、主力艦による雷撃なら-1、船体装備の発射管による雷撃なら-1
ほとんどの主力艦は-2の修正を受けるため、敵の行動不能または同一ヘクスの主力艦に行わない限り命中しなくなります。

任務の種類

シナリオの目的である任務の種類です。

輸送
艦隊のすべての移動はシナリオの開始時にプロットされ、艦隊の任務を中断したときにのみ修正される。
沿岸砲撃
艦隊の全ての移動はシナリオの開始時にプロットされ、艦隊の任務を中断したときのみ修正される。艦隊に所属する艦艇は敵艦に発砲する最初の戦闘ステップ時には砲撃力が半減する(端数きり捨て)。戦闘艦と石炭補給船(商船ではない)に限定。この任務に割り当てられた艦艇は沿岸砲撃を行うことができる(9.1)。
砲撃力が半減するのは艦砲射撃用に榴弾を装填しているため。
護衛
艦隊は別の艦隊に随伴するようにプロットする。
迎撃
この任務を命令された艦隊は先の2ターン分の移動をプロットする。戦闘艦と石炭補給船に限定。
中断
艦隊は、シナリオで指定されていない限り中断任務でシナリオを開始できない。
機雷敷設
艦隊のすべての移動はシナリオの開始時にプロットされ、艦隊の任務を中断したときにのみ修正される。
襲撃
この任務を命令された艦隊は先の2ターン分の移動をプロットする。襲撃艦隊は沿岸砲撃(9.1)と敵商船の捜索(8.2)を行うことができる。

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