初代Guderian's Britzkriegのシナリオ1のリプレイ

この頃は入門シナリオがついていました。モスクワ外周の要塞ラインにあるMoshaysk村に対するドイツ軍の攻撃です。

ターン: 5-5(1)
マップ: Aの一部
ソビエト軍: 第217歩兵師団、第4民兵師団(-1)、砲兵旅団、第17騎兵旅団、9補給ポイント
ドイツ軍: SSライヒ自動車化歩兵師団、第10装甲師団、6補給ポイント
特別ルール:
1.航空ユニットは使用しない。
2.鉄道移動力はない。
3.天候は開始時はノーマル
4. 先手プレイヤーの決定は通常のサイコロの振り合いで決定する。
勝利条件:
ドイツ軍は戦線後方の物資集積所のへクスを占領すること。
ソ連軍はドイツ軍の勝利をはばむこと。

シナリオのリプレイ

左右に伸びる黒い線がスモレンスク-モスクワ・ハイウェイ。村があるのはちょうどハイウェイの上でモスクワ要塞線が交差する位置にあたる(左のマップでИが書かれている所)。左側がスタックの詳細で、右側が実際にスタックした際の配置となる。Cのスタックを正しい位置に戻し忘れているのがご愛敬。村には1ステップロスした第4民兵師団と第217歩兵師団が守りを固め、村の郊外に砲兵1個旅団が布陣している。

天候は晴。ドイツ軍の先手で実施する。

■ドイツ軍移動フェイズ

(1)SSライヒ自動車化師団の移動

 まず機械化部隊のライヒ師団は燃料に1補給ポイントを消費する(以降、ライヒ師団所属のユニットは自由に移動を開始できる)。

 ライヒ師団の3個連隊とオートバイ歩兵大隊、装甲偵察大隊が、通常モードで隣接するMozhaysk(林+村+一級道路+複線鉄道)を蹂躙攻撃する(蹂躙に成功すると移動力3を支払って目標へクスへ進入できる。ただし、戦闘モードの狙撃兵連隊の移動力は3なのでそこで移動は終了する)。

 攻撃時には攻撃補給を消費する。消費量は3個連隊と2個大隊なので4T。ソ連軍は2T。攻撃側戦闘力の合計は30で防御側は10+4(民兵師団は1ステップロスしており、RE値の半分に達する。このため戦闘力は半減している)。最大アクションレーティングはドイツが4(ライヒオートバイ歩兵大隊)でソ連が2(第217歩兵師団)なのでDRMは2。奇襲判定は6ゾロで12+2の14で奇襲達成(9+で達成する)。効果のダイスは4カラムシフト。要塞ヘクスのvery closeの2:1が4つシフトして9:1となる。ダイスは7+2で9。

 結果はAo1/DL1o1。ソ連第217歩兵師団は1ステップロス(ARを適用した部隊が優先的にステップロスを被る)してo1を第4民兵師団のステップロスで吸収する。第4民兵師団は壊滅して第217歩兵師団が1ステップロス(2REなので戦力半減)状態でMozhayskにとどまる。ドイツ軍はアクションレーティング決定に使ったライヒオートバイ歩兵大隊を1ステップロスさせる(壊滅)。ライヒ師団の自動車化歩兵連隊は移動力3なので使い切って終了する。

偵察大隊とオートバイ歩兵大隊に支援された自動車化歩兵3個連隊がMozhayskに突撃する。不意を突かれたソ連軍は激しく抵抗してなんとかドイツ軍を撃退して村の死守に成功したが、自らも大損害を受けてしまう。

ドイツ軍の損害: オートバイ歩兵大隊(全滅)
ソ連軍の損害: 第4民兵師団(全滅)、第217歩兵師団(ステップロス)

ドイツ軍の補給消費: 1SP+4T=2SP
ソ連軍の補給消費: 2T=0.5SP

(2)第10装甲師団の第1戦闘団
 第69狙撃兵連隊(移動モード)と第7装甲連隊第1,2大隊

 機械化部隊の第10装甲師団は燃料に1補給ポイントを消費する。

 第10装甲師団の第1戦闘団が隣接する同村を蹂躙する。

 ドイツ軍は1個連隊と2個大隊の攻撃で戦闘補給を2T消費する。ソ連軍は1T。戦闘力10対防御力5で2:1。DRMは3で奇襲判定は10+3で奇襲達成。効果は6で15:1のカラムを使用する。ダイスは10+3。

 結果はAe3/DL2o2DG。1ステップロスを吸収した時点でソ連第217歩兵師団は壊滅する。3移動力を支払ってドイツ軍スタックはMozhayskに突入する。装甲大隊の移動力の残りは4、狙撃兵連隊の移動力は15あるのでさらに移動ができる。

 村に隣接する砲兵旅団を蹂躙する。攻撃補給はそれぞれ2Tと1Tを消費。砲兵旅団の防御力は1なので10:1。AR比は5:0でDRMは5。奇襲判定は5+5の10で奇襲達成。効果は5カラムシフト。地形が平地なので最大カラムの13:1を使用する。ダイスは6+5の11。

 結果はAe2/DL2o3DGとなり砲兵旅団は壊滅する。3移動力を払って砲兵のいたヘクスへ進入する。装甲大隊に残る最後の移動力を使って、さらに1ヘクス進んで目標へクスに隣接して移動を終了する。訂正:平地における装甲部隊の戦闘力は2倍となるため攻撃側の戦闘力は4*2+4*2+2の18だった。18:1のOpen地形なのでそれだけでカラムは最大になる。

一歩遅れて攻撃を開始した第10装甲師団の戦闘団もソ連軍の不意を突いてMozhayskに突撃する。Reich師団の攻撃にかかりきりだったソ連軍にはこの攻撃を防ぐ術はなかった。村のソ連軍を蹴散らした第10装甲師団はそのまま村の郊外に展開していた砲兵旅団を奇襲する。一瞬で壊滅する砲兵旅団。戦闘団はそのまま進めるだけ前進する。

ドイツ軍の損害: なし
ソ連軍の損害: 第217歩兵師団(全滅)、砲兵旅団(全滅)

ドイツ軍の補給消費: 2T+2T=1SP 累計: 3SP
ソ連軍の補給消費: 1T+1T=0.5SP 累計: 1SP

(3)第10装甲師団の第2戦闘団
 第86狙撃兵連隊と第90装甲偵察大隊

 燃料消費は師団単位で実施するため、初回以降は消費することはない。

 第10装甲師団の第2戦闘団が後方より移動を開始。村を通過して目標ヘクスに隣接する。

(4)それ以外の部隊の移動
 第10装甲師団とライヒ師団の師団砲兵連隊

 各師団の砲兵連隊がそれぞれ線路上(1MP/hex)と道路上(0.5MP/hex)を移動して村に入る。

■ソ連軍リアクションフェイズ

省略(実はソ連軍は補給物資の爆破を行えた。実際に1Dして結果表で調べると、賽の目が5で75%の破壊に成功する。1SP消費しているから残りは8あるので6爆破して2しか残らない)。

■ドイツ軍戦闘フェイズ

 第10装甲師団が全力で目標へクスに居座るソ連軍騎兵旅団を攻撃するが、それに先立ち砲兵が弾幕射撃を実施する。ドイツ軍の砲兵連隊は2個とも射程(3hex)内に目標へクスを捕らえている。砲撃力合計は38で補給物資を4T消費する。目標ヘクスは騎兵旅団が1個だけなので左に1シフトする。結果のダイスは8で、[1/2]の結果となる。この場合1D6で4-6の目で1ステップロスする。1D6は4が出て、1ステップロスでソ連第17騎兵旅団は壊滅する。(Reich師団の砲兵は師団所属ユニットが隣接していないのでペナルティがあったのを忘れていた)

 目標ヘクスが空になったが一応補給物資を7T消費して戦闘後前進する。補給物資の捕獲チェックの結果は50%捕獲となり、4SPの捕獲に成功した。

修正版:
 砲撃力合計は38で、ライヒの師団砲兵は観測部隊がいないため2カラムシフトする。目標規模の1シフトとあわせて3カラムシフト不利になる。結果のダイスは8でDG(混乱)の結果となる。目標は戦闘力が半減してARが1になった。
 攻撃目標は平地にいるため機械化部隊と装甲部隊の攻撃力は倍加される。2*2+2+2+4*2+4*2=24: 8/2で平地の8:1となる。ARは5:1で+4DRM。ほぼ奇襲が得られる。7:1のカラムから最低奇襲効果の1カラムシフトすると9:1。賽の目が7だとすると+4で11。結果はAe3/Dl2o2DGでソ連軍は壊滅してドイツ軍部隊(第10装甲師団ほぼ全て)は突破モードになった。補給物資を1SP捕獲した後、さらに突破フェイズに移動と戦闘を行える。

ドイツ軍の損害: なし
ソ連軍の損害: 第17騎兵旅団(全滅)

ドイツ軍の補給消費量: 4T(砲兵)+7T通常戦闘=2SP+3T 累計: 5SP+3T 残: 1T+4SP捕獲
ドイツ軍の補給消費量: 4T(砲兵)+7T通常戦闘=2SP+3T 累計: 5SP+3T 残: 1T+1SP捕獲
ソ連軍の補給: 0 累計: 1.5SP 残: 0

■結果

 戦闘の結果、ドイツ軍は6ポイントの補給物資をほぼ使いきって目標ヘクスの占領に成功してさらに突破フェイズに前進できる。損害はオートバイ歩兵大隊が1個壊滅したのみで、ソ連軍歩兵1個師団、民兵1個師団、砲兵旅団、騎兵旅団を壊滅させ、さらに補給物資1ポイント(1500t相当)の捕獲に成功した。

 1ターンの半分(ドイツ軍の手番だけ)でドイツ軍は補給物資の備蓄をほぼ使い尽くした。かなり補給に気をつける必要がある。ソ連軍の補給物資の捕獲に成功したとはいえ、次のターンにはどちらかの師団は燃料切れとなってしまう。


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