海軍関連のルールとミッションのまとめ

ルールブックでは重複を省いているため、複数の分野にまたがる部分を探す際に飛び飛びになってしまう。ここで一括してまとめてしまう。

海軍移動(Naval movement)

港湾か海ボックスにいて表を向いている海軍ユニットのみが行える。

海域と港湾ごとに1航続力を消費
海域と港湾ごとに1移動力を消費
移動開始時に補給が切れているときは1移動力を消費
他の大国が支配している海軍ユニットのいる港湾でインパルスを開始したとき1移動力を消費
ユニットが入った海ボックスのセクションの修正前の索敵ナンバーと同じだけ消費
出港時は港から海域に出るために1移動力を消費

海域で移動を終了した時は、海ボックスの残り移動力と同じ索敵番号(0-4)のセクションに入る。

海軍輸送(Naval transport)

表を向いたTRS(輸送船)で
(a) 1個地上ユニット
(b) 1個航空機ユニット
(c) 1個V兵器ユニット
(d) 2個師団ユニットか砲兵ユニット(AsA/MiF option 2&3)
(e) 1個フロッグマンユニット
(f) 1個補給ユニット
を輸送できる。

積載

TRSはインパルスの開始時から同じ場所にスタックしてる表を向いたユニットを積載することができ、表を向いたユニットがいる港を通過した時に、それらを積載することができる。
TRSはある海域で移動を終了した後、ただちにその海域の海岸ヘクスにいる地上ユニットや航空機ユニットを積載することができる。
積載したユニットが補給切れなら、積載した時点でそれを裏に返す。

揚陸

TRSが港湾で移動を終了したら、海軍移動の終了時点で積み荷は自動的に揚陸される。揚陸された積み荷は
・ すでに裏返しになっている
・ 積み荷がそのアクションセグメント中に移動して港湾に入り、そのエリアでステップを開始した時
にのみ裏返しになる。上記以外のユニットはそのままの向きで揚陸される。

海岸揚陸

表を向いた地上ユニットは陸上移動終了ステップに海にあって表を向いているTRSから、友軍の支配している海岸ヘクスに上陸することができる(11.13)。上陸させたTRSは裏に返す。
表を向いた航空機ユニットは航空機帰還ステップに海にあって表を向いているTRSから、友軍の支配している海岸ヘクスに上陸することができる(11.17)。

海軍航空ミッション(Naval air missions)

航空機を海域に向かって飛ばし、そこでパトロールさせる。航空ミッションの1つだが、海軍関連のミッションとしてここにまとめる。
表を向いている、FTRか空対艦攻撃力に*がついていない(攻撃力がある)航空機だけが実施できる。
基地から、目的の海域のヘクスドットまで移動し、残った移動力に対応したセクションの海ボックスに入る。
・ 移動力を使いきっていれば、第0セクション
・ 移動力を1残していれば、第0か第1セクション
・ 移動力を3残していれば、第0から第2セクションのいずれか
・ 移動力を6残していれば、第0から第3セクションのいずれか
・ 移動力を10以上残していれば、第0から第4セクションのいずれか
に入ることができる。

海軍戦闘(Naval combat)

海域を決めて、そこでの戦闘を宣言する。その際、船団を除く、いずれか1つのユニットを裏返しにしなければならない。
海軍戦闘シーケンス
1. 両陣営(アクティブな方が先)海軍航空迎撃ミッションの航空機を、そのエリアに飛ばす
2. 両陣営(アクティブな方が先)はSUBの参加の有無を宣言する
3. 索敵を行う。両者とも索敵に失敗したら、その海域での戦闘は終了する
4. 戦闘のタイプを決める(航空、水上、潜水艦)
5. 戦闘結果を出す
6. 両陣営(アクティブな方が先)は中断を決めてもよい
7. 両陣営とも継続を望めばステップ1へ戻る。どちらかが中断すれば戦闘は終了する

海軍航空迎撃

ある海域で戦闘が開始されたら、各陣営とも航空ユニットを戦闘のために飛ばすことができる。パスアクションを選択した場合はできない。
1. 参加する航空機は航続距離の半分しか飛べず
2. 航空ミッションの限界値に数えない
航続距離が半分になるので、低いセクションにしか入れない。このため戦闘に参加できない可能性がある。

索敵

お互いにサイコロを振る。賽の目よりも大きな索敵番号(0から4)の海ボックスにいるユニットが戦闘に関係できる。賽の目の修正は以下の通り:
・ 海域に10ポイントの敵の船団がいるごとに -1
・ 海域が雨、雪、嵐、吹雪なら+1
索敵番号修正は以下の通り:
・ 海域が晴、雨、雪で、そのセクションにNAVか艦載機(CV)がいるときに+1
(敵の輸送船団が大量にいる海域では敵を発見しやすい。天候が悪いときは敵を発見しにくい。NAVや空母のいるセクションは敵を発見しやすい)。

もしも、どちらの索敵の目も、ユニットがいる海ボックスを含めることができなければ、戦闘は発生し得ない(例外: 港湾攻撃の場合は、奇襲ポイントの判定にだけ索敵ロールを使用するので、戦闘自体は奇襲ポイントで回避したときを除き、必ず発生する)。
片方の陣営だけが敵を発見した場合(他の陣営が大きすぎる目を出した場合)、発見した陣営は任意のセクションの敵を選んで戦闘を行える。

奇襲ポイント

相手の索敵ロールの目と、戦闘に参加する自分の海軍ユニットがいる、修正後の索敵値の最も高い海ボックスの値を加える。相手と自分の奇襲ポイントの差が、使用できる奇襲ポイントとなる。

利得 コスト
戦闘を回避する 4
戦闘タイプを選択する 4
目標を選択する 目標ごとに3
海軍戦闘チャート上でカラムを強める カラムごとに2
海軍戦闘チャート上で敵のカラムを弱める カラムごとに2
空対空力を強める 1ポイントごとに2
敵の空対空力を弱める 1ポイントごとに2
対空火力を強める カラムごとに2
敵の対空火力を弱める カラムごとに2

日本3、アメリカ7の目を索敵で出した場合、日本は第3と第4セクションの空母ユニットを参加させ、奇襲ポイントは相手の賽の目の7に、自分がいる海ボックスの番号(空母がいるため+1される)の5を加えて12となる。日本軍が、アメリカ軍の第2セクションにいた空母部隊を戦闘に参加させた場合、アメリカの奇襲ポイントは相手の賽の目の3に、自分がいる海ボックスの番号(空母がいるため+1)の3を加えて6となる。日本軍は12-6で6の奇襲ポイントを持って戦闘を開始する。空中戦を有利にするか、対空砲火を弱めるか、目標を空母にするかはお好み次第となる。

戦闘タイプの決定

どの戦闘を行うかは以下の優先順位で決定する。

  1. 4奇襲ポイントを支払って戦闘タイプを選ぶ。普通でないタイプの戦闘を選ぶこともできる(悪天候で航空戦闘や、船団のいない相手に潜水艦戦闘など)。
  2. 航空ユニットか損害を受けていないCV(SiF option9: 艦載機を搭載しているCV)が参加していて、海域の天候が嵐か吹雪でないなら、海軍航空戦闘を選ぶことができる。
  3. 2が成立しないなら、自軍にSUBが参加していて、敵に船団ポイントが参加している場合、潜水艦戦闘を選ぶことができる。
  4. 海軍航空戦闘でも潜水艦戦闘でもなければ、水上戦闘となる。

水上戦闘(Surface naval combat)

双方の攻撃力を合計して、海軍戦闘チャートで敵の水上艦艇数と交差させて結果を出す。結果はXの数、Dの数、Aの数である。影響を受けるユニットは防御側が選択するが、奇襲ポイントを使用して、攻撃側が選択することもできる。損害を割り当てられた艦艇は、その防御力を使ってサイコロを振る。賽の目が防御力以下(防御力を含む)なら、損害をそのまま被る。賽の目が防御力よりも大きければ、1ランク低くして割り当てる。XならD、DならA、Aなら1/2A。

潜水艦戦闘(Submarine combat)

潜水艦戦等は船団ポイントの攻撃を行う。
ASWの計算
・ 水上戦闘艦1ユニットにつき2;
・ 空母1ユニットごとに1;
・ 空対艦攻撃力(空母の航空戦力を含む)ごとに1(4攻撃力なら4);
・ 1942年の米国か英連邦の船団5ポイントごとに1;
・ 1943年の米国か英連邦の船団5ポイントごとに2;
・ 1944年以降の米国か英連邦の船団5ポイントごとに3
SiFを使用するなら、船団ポイントは2ポイントごとで計算する。
船団側は、ASW値を使って潜水艦を攻撃する。水上艦の数の代わりに潜水艦の数と、ASWの行で求めたカラムで結果を出す。
SUB側はSUBの攻撃力と船団の数(WiFなら5ごと、SiFなら2ごと)で結果を出す。損害は船団ポイントが被り、護衛艦へは及ばない(例外: 奇襲ポイントを使って目標を選べば水上戦闘艦にも回せる)。船団ポイントの防御力は5とする(SiFでは印刷された防御力を使う)

海軍航空戦闘(Naval air combat)

吹雪や嵐では発生しない。奇襲ポイントを使って悪天候時にこの戦闘を選んだ場合は、海軍戦闘の第6ステップに直接移行する。
空対空戦を解決する。WiFなら艦載機を戦闘機にするか、爆撃機にするかを決める。
空対空戦を突破した爆撃機は対空砲火を受ける。
対空砲火を生き残った爆撃機の爆撃力を合計して、空対艦の行で爆撃力に対応したカラムを決める。そのカラムと敵の艦艇数をクロスさせて結果を導く。目標の選定は攻撃側、防御側の順番に交互に行う。奇襲ポイントを使えば、自分から先に選定できる。

空対空戦

航空機を戦闘機と爆撃機に分けて、戦闘機のグループと爆撃機のグループを作る。双方の戦闘機のグループの先頭が戦闘力を比較し合う。±の値で空対空戦闘結果表を参照する。戦闘機のグループにいる他のFTRごとに、戦闘力を+1する。艦載機は+0.5する。戦闘機グループがいない陣営は、爆撃機グループの先頭が戦闘結果の算定を行う。爆撃機の空戦力が括弧に囲まれていたら、爆撃機側はサイコロを振らない。相手の空戦力を減らすためだけに値を使用する。
1. 非手番陣営がサイコロを2つ振り目を合計する。
2. 空対空戦闘テーブルで結果を出す
3. 手番陣営がサイコロを2つ振り目を合計する
4. 空対空戦闘テーブルで結果を出す
5. 手番陣営は自発的に空対空戦闘を終了できる
6. 非手番陣営は自発的に空対空戦闘を終了できる
結果の適用は同時に行うこと。自発的に空対空戦を終了した陣営は、すべての航空機と艦載機に 'A'の結果を適用する。

対空砲火

艦隊の対空火力を合計して "海軍戦闘チャート"の対空&水上欄と、爆撃機の数をクロスさせる。そこのAA欄が対空戦闘の結果。A/BはさいころをB個振って、A個を選ぶという意味。Aが正の数なら目の大きな方から、Aが負の数なら目の小さい方から順番に選ぶ。賽の目の合計が10毎に、1つの爆撃機か2つの艦載機を破壊する。残ったポイントの5毎に、1つの艦載機を破壊するか、1つの爆撃機を強制帰還させる。

港湾攻撃ミッション(Port attack)

港湾内にいる敵の海軍ユニットを攻撃するために行う。

索敵を行うが、以下が例外となる。索敵は奇襲ポイントを決定するために使用する。つまり攻撃は常に成立する。

  1. 奇襲ポイントは、戦闘に参加している自軍の最も番号の大きな海ボックスの修正された索敵ナンバーと敵の修正前のロールと等しい。
  2. 地上基地の爆撃機は第3セクションにいるものとして扱う。
  3. 敵の港湾が小規模なら第3セクションにいるものとして、大規模なら第5セクションにいるものとして扱う。
  4. 港湾にいる空母は索敵ナンバーの修正はできない。
  5. 奇襲インパルスなら、奇襲ポイントの合計は0とする。

攻撃は海軍航空戦闘と同じであるが、以下の例外がある。

  1. 小規模港湾にいる潜水艦ユニットは自動的に巻き込まれる(大規模港湾なら防御側が選択できる)。
  2. 各'A'の結果は表向きのユニットを裏に返す。
  3. 戦闘は1ラウンドだけ

艦砲射撃

水上戦闘艦は、同じ海域の海岸で行われている戦闘に艦砲射撃力を加えることができる。印刷された艦砲射撃力(右下の数値)から、ユニットのいる海ボックスのセクションの砲撃修正値を引く。修正値に*がついている場合、天候が雨か雪の時は修正値がさらに1増える。嵐や吹雪のときは艦砲射撃はできない。

none
0
2*
1
1*
2
0*
3
0
4

目標ヘクスが、森林、ジャングル、沼であるなら、砲撃力は1/2になる。艦砲射撃力は支援を受けるユニットの攻撃力以上にはならない。

迎撃戦闘

敵の海軍ユニットが移動を終了する前に、それらと戦闘をする方法である。自軍の表を向いている海軍ユニットか航空機ユニットが少なくとも1ついる海域に敵の海軍ユニットが進入してきた時、直ちに迎撃を試みることができる。

迎撃を行う時は潜水艦が参加するか否かを宣言する。

迎撃を行うためにユニットを1つ裏返しにする。裏返しにするユニットが無ければ迎撃はできない。潜水艦は戦闘に参加しているか否かに関らず、裏返しにすることができる。

裏返しにしたユニットが海ボックスにとどまっているかぎり、その海軍移動ステップの間は他のユニットを裏返しにする必要はない。裏返しのユニットが強制帰還になったり撃沈されてしまった場合は、他のユニットを裏返しにしなければならない。

迎撃行動を行えるなら、敵を発見するためにダイスを振る。迎撃に参加したユニットがいる、最も番号の大きなセクションの索敵番号と比較する。天候、艦載機、海軍航空隊による修正を行う(空母かNAVがいて天候が晴天、雨、雪である時+1する)。サイコロの目が最も大きなセクションの索敵番号以下であったら発見となる。

発見された方は、その海域で停止するか、強行突破するかを選べる。どちらにしても、移動を停止した時と同じ海ボックスのセクションに配置する。

戦闘は海軍戦闘に準ずるが、第1ラウンドだけは以下の内容が異なる。

空母

空母は艦砲射撃値の代わりに航空機値をもつ。艦載機の航続力、空対空戦闘力、対艦攻撃力は、母艦の航空機値と同じで、戦術爆撃力は航空機値の半分である。赤城なら以下のようになる。

 5    5
    5
 5    *

Option57を採用するなら、日本の艦載機の航続力は航空機値の倍となるため、赤城なら10となる。Option29を採用するなら、艦載機の戦略爆撃力は航空機値の1/4なるため、赤城なら1となる。

航空機値は1942年, 1943年は+1され、1944年以降は+2される。1942-43年の赤城は6で、44年には7になる。

艦載機が撃墜されたら、空母は損害を受ける。ダメージマーカを上に置いてそれを示す。ミッションか海軍戦闘の終了時点で、空母を修理プールに置く。空母が損害を受けた場合は艦載機は失われる。

SiFでは、艦載機が撃墜されても空母に損害はない。

空母が表を向いていて損害をうけていない時は、艦載機はミッションにつける。港に停泊している場合は、港湾攻撃ミッションを迎撃する時いがいはミッションにつけない。艦載機は海軍航空ミッションにはつけないが、たとえ空母が裏を向いていても、同じ海域の海軍航空ミッションに参加はできる。


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