2007年10月21日(日)  GPSログ
井川雨畑林道 後半
下部温泉〜山伏峠〜井川湖〜静岡駅 140Km 晴れ


    

 ゲートを通過して10分ほどで落石現場に。 くしゃみをしたら一気に崩れてきそうな斜面です。 ここ数日は雨が降っ ていないので崩れる心配はなさそうでしたが、恐る恐る通過してゆきました。 するとさらに驚愕の風景が・・・・!
 ガードレールがひしゃげ、その上に岩がぎっしりと乗っています。 もちろん誰かが乗っけたということもないでしょう から、土石流の爪跡でしょう。 9月に関東を直撃した台風9号によるものでしょうか。 




    

 崩落現場を通過して高度を上げてゆくと秋が色濃くなってきました。 ススキが繁り、見たことのない大きなアザミの 花がたくさん咲いていました。




    

 陽が高くなり気温も上がってきたのでフリースを脱いで半袖に。 軽食を取ったついでに道の脇でちょっぴり昼寝を し、ゆっくりと登ってゆきました。




    

 1200m前後から工事中や未舗装の部分がところどころありましたが、一部を除いて乗ったままで進むことができま した。 




    

 短い激坂区間が所々であるものの、平均すると6%程度の勾配なので登りやすい道でした。 しかし、高度が上がっ て空気が薄くなるにつれて、心拍数が160/分近くまで上がるようになり、休憩が増えてきました。




道の先に黒い点のように写っているのがカモシカ    左の写真を拡大してます。

 未舗装区間が終わり、再び自転車に乗って走り出そうとしたところ、カーブの向こう側からの視線に気がつきまし た。 なんとニホンカモシカがいるではありませんか!  はじめて見たのですが、何というか神々しい雰囲気がありま した。 そのままじっとして見ていると、カモシカ君のほうも興味津々でこちらを見ています。 どこまで近づけるかと思 いゆっくり進んだのですが、残念ながらすっと谷に向かって姿を消しました。 




    

峠まであとわずかということろで、倒木や落石で行く手を阻まれます。




    

 ダメを押しでまたもや別のゲートが閉っていました。 肥料のような臭いが漂っていたのですが、ゲートを超えたとこ ろで臭いのもとが目の前に広がっていました。 その量から考えるとカモシカのような気がしますが、カモシカの糞は黒 い粒状だそうです。 お腹の調子が悪かったのかなぁ。 




    

 14:40にようやく峠に到着。 右の写真は峠から山梨方面の展望です。 途中から曇り空になってしまいましたが、 いく重にも山が続いている様子が見えました。



    
    
 
 補給をしようとパンを取り出すと、気圧が低いため袋が破裂しそうなぐらいに膨らんでいました。




   

こちらは静岡県側。 少し霧が出ていますが、道がうねうねと続いているのが見えています。




    

 峠通過がかなり遅れてしまったので、一気に下ろうと思いましたが、崩落や落石、未舗装区間もあり、ブレーキレバ ーを握りっぱなしで思うようにペースを上げられません。 無理をしてパンクさせるとさらに時間を失ってしまうので、落 石の激しいところは押して通過しました。




この時点で、かなり怪しくなったんですが・・・    一応、道は続いています。

 静岡市内に向かうには、まだ富士見峠1180mが残っています。 井川湖まで一旦下ってから登り返すため、下り が少なそうな井川湖東側の道を進んでショートカットするつもりだったのですが、途中から舗装路が切れ最後は登山 道のようになってしまいました。 これではいくらなんでも進めないので、150m近く登っていたところから渋々引き返し て井川湖を挟んで反対側の西側の集落への道に戻りました。




井川湖集落を通過    井川湖ダムサイト

 井川湖集落に入った時点で時刻はすでに16:30。 予定では、朝7時過ぎにスタートして1時間あたり10Km進め ば5時間で50km、どんなに遅くても14時ぐらいには山伏峠を通過、富士見峠があるものの全般には下り基調なので 日没までに静岡市内の近くまで進んでいるという予定でした。 かなり計画が甘かったようです。 というか身(脚力)の ほど知らず。 
 
 念のためバス停の時刻表を見てみましたが、静岡駅行きは15時台で終了。 もはや輪行は不可能なので最後まで 自走するしかありません。 幸い、ここまでずいぶん道草をしていたので、脚も余力がありそうです。
 覚悟を決めて集落にあった売店で、GPSとバッテリーライト用に予備の乾電池を購入。しかしマンガン電池しかあり ませんでした。17:30に井川ダムを通過して完全に日没、静岡市内まで残り40Kmほどです。

 街灯が一本もない真っ暗な県道を、峠に向かって400mほどの標高差をひぃこらひぃこらと登りました。 暗闇の恐 怖感を感じましたが、幸い山間部の割にはGPSの電波受信状況が良好で、位置を常時確認できたので比較的落ち 着いて走ることができました。 地図表示とルーティング機能のついた携帯型GPSですが、バックライトに浮かぶ地図 はホントに心強い相棒でした。 これまで何度か行止まりの道に連れて行かれたことがありましたが、この際水に流す ことにしました。 (^_^;)

 19時に富士見峠(1182m)を通過。 昼であれば展望の良い峠のようですが、もちろん何も見えません。 峠を通 過すると曲がりくねる下り坂を、バッテリーライトに照らされたガードレールの反射板を頼りに慎重に進みました。 
 新幹線の終電に間に合わないと明日の朝は会社に行けないよなぁ、でも会議はなかったはずだし、その時はその 時でまぁいいか、などとちょっぴり心配しつつも、一日自転車に乗っていられる自分がつくづく幸せと感じました。

 やがて山の陰から顔を出した月に道を照らしてもらいながら、ようやく市街地に。 静岡駅到着は21時近くになりま した。 タイミング良く21:23発の上りのこだまに乗り込み家路に向かいました。 本日の消費カロリーは5700kcal を超えました。

 輪行で井川雨畑線に出かける場合ですが、静岡県側の最寄り駅となる大井川鉄道井川駅があります。これを利用 すると走行距離が短縮できそうですが、井川駅最終は15:48発です。 (^_^;) 
 宿泊施設が井川湖畔にあるようです。 また、雨畑地区にヴィラ雨畑という宿泊施設がありました。 予約すれば、こ こでの前泊も可能です。 

 ゲートが閉まっていると車、バイクはもちろん人ともほとんど出会いません。 あちこちにある湧き水があるので、水 は調達可能ですが、雨畑から井川湖畔まで売店は一切ありません。 何らかの不測の事態が発生すると、それなり の危険、苦労をともなうことになります。 出かける場合には天候を含めて十分な注意が必要なルートと思います。

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