8月19日(金) 晴れ ところにより雨
「いろんな人。いろんな旅。」

昨日の夜、会社を出たのは一番最後だった。
一週間以上も休みを取るんだから、仕事も机もあと片付けが大変だったのだ。さすがに終電とまでは行かなかったが、これで思う存分旅を満喫できそうだ。

6時30分に目覚める。いつもならもう少しだけ寝ていたいのだが、そうも行かない。
昨日一番最後に帰ったので、職場の鍵を返しに行かなければならないのだ。一週間以上も預かったままに出来ないからね。
何だかもう、出勤して仕事をしようというペースで駅に向かい、電車に乗る。昼ごろやツーリングの行きがけに返しに行くのも手だが、皆が働いているところにツーリング仕様の装備を積んだバイクで乗り付けるのも、何だか申し訳ない。そういうワケで、ササッと早めに行って、あまり人が来ない時間にサッと帰ってきた。

出発の準備をするかな!
バイクは先週、オイル交換を済ませたばかり。一年間物置部屋に入れたままだったバッグを持ってくる。
僕が毎年北海道ツーリングに持って行くバッグは耐久性が無く、大体2年くらいしか持たない。
念入りに傷が無いか調べてみると・・・お、ピンホール発見!
旅先でバッグが突然破れたりしたら大変とばかりに、買い物候補にバッグを入れる。
その他買わなくちゃいけないものをメモメモ・・・「バッグ」「撥水スプレー」「メモ帳」などなど。

そうだ、出発までに決めなくちゃならない事があった。
今年は北海道ツーリングに行けなかった みず@さんから、
「会って話した人全員の写真を撮って来い!」と言われてたんだった。実際のところ実行するかどうかは別として、カメラは何を持っていこうか?

去年、デジタル一眼レフの「α−7Digital」を買った。正直、それを持っていこうかと思ったんだけど、大きすぎる!縦位置グリップを外せば何とかなりそうだけど、

・北海道の写真は、毎年フィルムで撮りたい!
・銀塩フィルムとデジタルでは、手軽さはデジタルだ。だけど、100年残したいならフィルムかな。

という理由から、今年もフィルムカメラを持っていく事にした。
フィルムは根拠の無いこだわりがあり、コダックを使う。去年から使い出したリバーサルフィルムも買う。
根拠が無いこだわりのため、これもコダック。エクタクロームE100Gが欲しかったけど売ってなかったので、エクタクロームE100GXを数本買った。

※フィルムを買いに行ったとき、最近出たばかりの「α-SWEET Digital」を触ってきた。
 この値段でこの質感と操作性だったら、いい買い物じゃないか?
 だけど僕にとっては、α−7Digitalで慣れた前後ダイヤルの操作性からは離れられないな〜

撥水スプレーをジャケットやシューズに吹き付け、荷物の整理を終えるともう昼になっている。
コンビニで買ったおにぎりと冷やし中華を食べ、出発に備えて一時間ほど寝ようとするが、30分くらいで目が覚める。ここで寝ておかないと後で疲れてくるんだろうけど、そろそろ出発するか!
のんびりと3時ごろ出発した。

この荷物を持って走り出すのも、好きな瞬間だ。いつもと違う時間が始まる!そんな気がする。

毎年フェリー乗り場のある舞鶴までは舞鶴自動車道を走っていくのだが、今年は少し趣向を変えてずっと下道で行く事にした。この方が、少しくらいは地元でもツーリング気分が味わえるというものだ。

加古川沿いに北上し、国道175号線に入って、舞鶴を目指す。
去年より旅の始まりが一週間遅いけど、去年の出発の日よりも夏の雰囲気を残していた。
雲は夏のモクモクした感じを残しているし、日差しもまだ少しギラついている。どこかでセミの鳴き声も聞こえたかもしれない。
途中福知山の手前で天気雨に会うが、コンビニで雨宿りして難を逃れる。

バイクは雨粒によって洗われてしまったが、雨上がりのキラキラした景色の中を再び走り出す。

気負わず、のんびりと走った所為もあり、舞鶴に着いたのは午後7時前。
コンビニでヤキソバUFO、ヴィダー・ビタミン・イン、カロリーメイトを買う。

今年はフェリーの出発時刻が更に遅くなり、午前1時なのだ。当然到着の時刻も同じだけずれて、小樽着は21時。今年は蔵寿司にいけるのか?

フェリー出発まで、時間はまだまだある。夕食は何を食べようか。
ま、これでいいかと何も考えずに、フェリーターミナルでカレーを食べる。

横では、同じフェリーに乗り込むと思われる男2人組が、焼そばをツマミに発泡酒をあけていた。
少しうらやましいな〜こっちはバイクだからな〜
だけどその2人、どう見てもライダーの格好なんだけどな〜

大丈夫か?

刻々と乗船時間が近づいてくる。
僕も早めに乗船バイクの列に並ぶことにした。

バイクの列の中に入り、ペコリと挨拶をして隣の人と話をしだす。

十数年ぶりに長期休暇をとって北海道ツーリングをする人、亡くなった息子さんのバイクで北海道を走りに行くおじさん、結婚してから久しぶりに一人旅をするお兄さん、毎年北海道で数ヶ月間テント生活を送っているお姉さん・・・

いろんな人がいる。いろんな旅が始まろうとしている。

フェリー乗り場の係員がバイク乗船の合図を告げる。待ちくたびれるわけでも無く、静かな高揚感を抱きつつ、一斉に響き渡るエンジン音を聞きながらバイクにまたがる。

去年のバイクの置き方が不評だったのか今年は貨物室の奥底に閉じ込められる事も無く、浅い階の壁際にぐるっとバイクを停める配置になっていた。荷物をバイクから降ろし、何階も階段を駆け上がり(この辺は去年と同じなのね・・・)、2等部屋に駆け込む。慣れてくると、壁際のコンセントのあるスペースに陣取るのがコツだとわかってくる。

早速風呂に入り、汗を流してさっぱりした後、生ビールと唐揚げでささやかな晩酌をする。
これから始まる北海道での安全を祈って・・・乾杯!

本日の走行距離:134.8km
本日の音楽:「鞄を持った男」(MARK GOLDENBERG)