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 ひらおかさこんしゅくたくのだん

が子、源之介の乳母として迎えられる夕霧、事はすべてうまく行くはずでした。

 舞台は上本町にある平岡左近の借屋敷です。大坂で年を越すので「おりん」を始め、女中たちは見るもの全てが珍しくてなりません。

 喜左衛門が夕霧を連れてやってきます。 お雪は夕霧に同情して息子の乳母に迎えるつもり なのです。
 乳母として源之介に紹介された夕霧は我子を目の前にしてたまらない気持ちです。 一目観たさに駕籠舁の一人にばけていた伊左衛門が走り寄り、ついに源之介に抱きついてしまいます。
怒って飛び退いた源之介に、二人は親だと名乗ってしまうのでした。

 平岡左近は、父親が伊左衛門だという事実を知っていたが、源之介は我々を親だと思ってくれるし、本当にこの子が可愛いゆえ夕霧を乳母に迎えようとまでしたのに、親だと名乗るとは何事だ、もう連れて帰れとすごい剣幕です。
 妻のお雪がとりなそうとして、縋りつくのを引き離し戸を閉ざしてしまいました。

 源之介は泣き出し自分は傾城の子ではない、父様と母様の子だから戸を開けて欲しいと叫びます。
 夕霧は、源之介と別れてまた扇屋に戻らねばならないことを思うと具合が悪くなり、せめて死に水はあの子の手から・・・と力なく言うのでした。

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 "楽々連の楽書き"

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