30代からはじめるビリヤード
私は33歳からビリヤードを始めました。
年齢のおかげで下手なのに上手いのでは?と誤解されます。
ここは私と同じ様な人を増殖させる為のページです。
《注意!!ここでは決して上達する事はありません》

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余談1:二人でビリヤード
余談2:こんなの聞かれたら?
第1ステップ:常連になる
第2ステップ:焦らない
第3ステップ:マイキュー
第4ステップ:その他の道具
第5ステップ:ウンチク
第6ステップ:ブレイク
余談3:決まり文句
第7ステップ:ハウストーナメント
第8ステップ:まじめに練習
余談4:危険がいっぱい
余談5:危険がいっぱい(真面目編)
余談6:楽しみがいっぱい
第9ステップ:教える
最終ステップ:さらば初心者級


余談1:二人でビリヤード

私は2000年4月8日より、ビリヤードを趣味にする事を決意しました。
 
ビリヤードといえば、私の世代はトム・クルーズが主演した映画「ハスラー2」がきっかけと
なり、かなりのブームでした。(原題は違ったと思うけど…)
 
さて、私の持っていたビリヤードのイメージはどちらかというとポール・ニューマン主演の映
画「ハスラー」に近いです。もっと正確に言えば、四つ玉かな?穴の無い台で、「ひと〜つ」
「ふた〜つ」って数える人がいる昔の玉突屋のイメージです。
 
見るからに恐そうなおじさんが、タバコと酒を片手に、物騒な話をしながら突いているという
イメージがありました。(あまり間違っていないと思うけど…)
 
しかし、「ハスラー2」のおかげで玉突屋は次第に姿を消し、PoolBarが出現しました。
これがクセ物です。
 
私と同世代の人にはこのPoolBarに通った人がいるはずです。
そして、職場で若い女性社員に「私は、こう見えても昔はPoolBarに通っていたんだ」なんて事
を言ってませんか?そんな人見かけた事ありませんか?
 
若い女性には「ビリヤードってカッコいい」と誤った解釈をしている人がいます。
もし、そんな女性に見栄を張ったら「連れって行って下さい」なんて言われてしまいます。
 
もし、あなたが「ビリヤードをやっている」と人に言って恥ずかしくない程度の腕前ならよいの
ですが、実はブームに便乗して9ボールのルールをちょっと知っているくらいならどうします?
 
そんな時に、絶対に恥をかかない方法をお教えしましょう。
それは、連れて行かない事です。連れて行くから恥をかいてしまうのです。
しかし、断りきれなかったら?(そう、あなたが好意を抱いている女性なら断れませんよね)
 
もし、神戸近辺にお住まい、お勤めの方でその苦境に立たされた方、遠慮なく私にメールを下さい。
強力なバックアップをお約束致します。いやいや…。
 
冗談はそれくらいにして、そんな時にどうすれば、恥をかかずに済むのか?
それは、上手そうに見せるのです。上手くなる必要はありません。上手くみせればよいのです。
 
それは店を選ぶ時から勝負(何の?)は始まっています。
ここで外せば、後は何をしてもダメです。
絶対に選んで行けない店(こういった状況でという意味です)は次の通りです。
 ・連れて行く女性が行った事のある店。
  大体、女性はどこの店でも優遇されます。という事は店の人(常連含む)と仲がよい可能
  性もあるわけです。そんな店に行って「この人上手いんだよ」なんて言われた日にゃ…。
 
 ・ゲームセンタにあるビリヤードコーナー
  あなたは30代を超えたおやじなのです。似合いません。
  そして、絶対にカッコよく見えません。
 
では、どんな店がよいのか?
 ・BGMも雰囲気も落着いた感じの店。そう「大人の社交場」という言葉が似合いそうな店
  を探しましょう。
  しかし、いくら「大人の社交場」と言っても、年齢層があまりに高い店は避けましょう。
 
 ・近くにカラオケやショットバーなど、ビリヤードの次にスムーズに移行できる場所にある
  店を選びましょう。
  折角、ビリヤードに行ったけど、随分と待たなければならない事もあります。そんな時の
  保険にもなります。
 
 ・一番大事なのは、プロがいない店である事。
  プロというのは非常に厄介な存在です。何しろ玉突のプロなんですから、下手なのがバレ
  てしまいます。(別にプロでなくてもバレますが…)
  そして、プロの中には、「なんなら教えようか?(このドヘタ)」と講師を買って出る人
  がいます。こんな時でなければとてもありがたい申し出ですが、この時ばかりは大きなお
  世話です。絶対にプロのいる店には行ってはいけません。
  (プロの方、ごめんなさい)
 
もし、神戸近辺にお住まい、お勤めの方で「そんな店、ようさがさんわ」という方、遠慮なく
私にメールを下さい。強力なバックアップをお約束致します。いやいや…。
 
さて、店が決まったからと言って、安心してはいけません。
店に入ってから、更に罠は潜んでいます。それは「華台」。
 
「華台」とは、その店の常連さんが「俺は常連なんだぞ」とアピールしたり、とても上手な人
が、「俺は上手いんだぞ」とアピールする場所です。懐かしい例えをすれば「お立ち台」と同
じ場所なのです。そして、当然「華台」は、店で一番目立つ場所にあります。
 
間違ってもそんな台に近付いてはいけません。では、具体的にどうやって見分けるのか?
 ・入口近くにある台は避ける
 
 ・1台だけ台の布(ラシャ)の色が違うなどの目印がある。
 
 ・1台だけ「BRUNSWICK」と台の横に書いてある。
 
こんな台は避けましょう。しかし、そんな台しか空いていない。店員もそこを薦めて来た場合
は「華台はちょっと…」といいましょう。
きっと、お連れの女性は「華台って何?」と思うはずです。そう思えばしめたものです。
きっとあなたは「上手い人」に見えているはずです。
 
さあ、台に来ました。
まず、棒を手にしなければなりません。しかし、この棒を棒と呼んではイメージダウンです。
ここは基本通りに「キュー」と呼びましょう。一度「キュー」と正式名称を口にしてからであ
れば「棒」でOKです。その方が慣れている感じがしてより良い場合もあります。
 
大体、どこの店でも台の側に設置しているのでそれを使用します。ちょっと立派なケースで
名前が書いてあるのは、「プライベートキュー」と言って(マイキューともいいます)、人の
物なので、手を触れない様にしましょう。もし、余裕があるなら「皆、いい物持ってるなぁ」と
感想を言っておきましょう。
 
キューはただ手にすればよいというものではありません。ちゃんと選ぶ振りをしましょう。
 ・台の上で転がす。この時、グワングラン転がるキューはよくないキューです。
 
 ・右手で持ち、左の掌底にキューの前1/4辺りをちょっと当ててみましょう。
  ビ〜ンとなればOKですが、ビッとか、ビシッとか音が響かないのはよくないキューです。
 
 ・キューの先についている黒い箇所(タップ)を横から見ます。
  やや丸みがある方がよいでしょうが、ここは見るだけでも十分な効果を生むでしょう。
 
そして、最も大事なのは、お連れの女性に「これがいいんじゃない?」とキューを選んであげ
る事です。これで、更にあなたは「上手い人」に見えます。
 
いよいよ、プレイです。ゲームは9ボールか8ボールをお勧めしますが、玉の並べ方がわから
ないと困るので、9ボールにしておきましょう。9ボールは9個の玉を菱形に並べます。
1番を先頭に、9番を真中に配置します。これでOKです。後は、玉の取出し口に近い目印の
上に1番を置けばそれでよしです。ちょくちょく、台の真中や、わざわざ取り出し口から遠い
場所に置く人がいますが、これは上手そうには見えません。
 
そして、ブレイク。ブレイクとは力一杯白い玉(手玉と呼びましょう)を突いて、番号の付い
ている色玉(的玉とか先玉とか呼びましょう)にぶつける事です。
 
大体の場合、女性が「やってみせて下さい」と言ってきます。ここが非常に大事なのですが、
ブレイクは絶対に力一杯やってはいけません。そんな事をすると「ペッシ」という非常に恥ず
かしい音が店中に響くだけです。力まずに普通に突きましょう。
そして一言、「力任せに突いたら、飛び出すから…」といい訳すればよいのです。
きっと、「華台」では常連さん達が景気よく飛ばしてくれているはずですから…。
 
突く時に注意する事はただ一つです。「ゆっくり」とです。
よく、高速エンジンの様に、腕をピコピコ、シュッシュッと動かしている人がいますが、上手
には見えません。ユックリと大きく腕を振りましょう。それだけ上手そうに見えます。
 
玉は入らなくてもいいんです。突いて最初に台の壁(クッション)に当った時、穴のすぐ側な
ら、「あ〜、外した」と正直に言えばよいですし、穴から遠いところに当って、最終的に穴に
入る、もしくは穴の近くに行った場合は、「ちょっと遊びすぎかな?」と言えばよいのです。
 
そして、クッションに当って、何か別の玉に当って穴に入った時には、「ごめん、まぐれ」と
謝りましょう。
 
プレイが始まって、一番大事な事は、1時間でやめて帰るという事です。
それ以上は、ダメです。どうしても、連れの女性が続けたいと言った場合は、「じゃあ、一人
で練習してみようよ」とあなたは、先生役に徹する事です。
 
これで、あなたも随分と「上手そうな人」に見えるはずです。
もし、神戸でこんなおやじを見かけたら、それは私だと思って下さい。
 
補足
遠くにある玉を突く時の為に、台の横に棒が設置されています。これは、メカニカルブリッジ
と言う名前です。間違っても最初から「如意棒」とか「カッパの手」とか「鹿の角」とか「熊手」
とか言ってはいけません。正式名称を一度口にすれば、後は「カッパの手」でも何でもOKです。
 
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余談2:こんなの聞かれたら?

前回は、取敢えず二人でビリヤードに行った時に注意しておかなければならない事を中心に紹介しました。
今回は、恐らくこんな会話が予想されるというケースを考えてご紹介します。
 
ケース1:これ何?
恐らく一番多いのが、ビリヤード関連の道具を見て、「これ何?」と聞かれる事でしょう。
 
本命:メカニカルブリッジ
台の横に設置されている遠くの玉を突く時に使用する棒状の道具です。
 
対抗:チョーク
大体の人は、キューの先に「キュッキュッ」っと擦り付ける事は知っていると思うのですが、それには
何の意味があるのか?答えは、滑り止めです。
このチョークを擦り付ける仕草が様になっていれば、かなり上手そうに見えます。
間違っても、台の上にチョークを載せたまま、原始人が火をつけるが如くつけてはいけません。
 
穴:サブトン
台の廻りに布の切れ端が置いてある店があります。この布は何に使うのか?
正式な名称は私も知りません。「サブトン」としか呼んだ事がないので…。
これはブレイクをする時、手玉はかなり強く回転する為、ラシャを痛める原因になります。
ですから、ブレイクをする時は、この布を手玉の下に置き(サブトン状態)、ブレイクをします。
 
ケース2:これどうするの?
ビリヤードをしていて、一番最初に遭遇する困難。それは、「こんなんわからへ〜ん」です。
 
本命:玉が隠れている。
間違ってもジャンプするなんて答えてはいけません。
そんな答えをすると必ず「やってみて」と言われます。このコーナは、「上手そう」に見える為であって、
「上手く」なるコーナではありません。
こんな時は、「あっ」とか言いながら邪魔をしている玉を退けましょう。
 
対抗:手玉がクッション際にあって突き難い。手玉が穴のギリギリでクッションの角に隠れている。
間違っても、「レールブリッジで」とか、「キューを立てる」なんて事を言ってはいけません。
こんな時も、「おや?」とか言いながら手玉を前に出してあげましょう。
 
穴:ジャンプ
「ジャンプってどうするの?」って聞かれたら、「できない」とちゃんと答えましょう。
そして、手玉の下をすくいあげる様に突くのは、「ファール」だと教えてあげましょう。
本当のジャンプは手玉を上から突くんだと…。
そして、「ジャンプはビリヤードでメシ食ってる様な人しか使えない。シロートがやるのはプロレスの
技を真似て、プロレスごっこをやる様なもんだから、恥ずかしい事だよ」と教えてあげましょう。
 
ケース3:その他の何?なぜ?
本命:キューの値段
キューっていくらくらいするの?
この質問に最も適した答えは「ピンキリ」です。
店に設置されている「ハウスキュー」は大体5,000円前後の安物です。
常連さんが店に預けている「プライベートキュー(マイキュー)」は大体は数万円の物です。
私が最初に購入したキューは定価35,000円でした。
大体、初心者が購入するのはこれくらいが平均みたいです。
高い物は、ン百万とかするものもありますし、有名な「バラブシュカ」なんて物はキューとは呼ばずに
「美術品」と呼ぶ人もいるくらいですから…。
 
対抗:プロってどうしたらなれるの?
試験に合格する事です。
正確には、試験に合格しなければならない団体と、試験なしでプロになれる団体がありますが、
上記の様に答えた方がそれっぽいです。
でも、こう答えると必ず「どんな試験?」と聞かれるので、その時は「ボウラードっていうゲームで
とてつもなくいい点数が出せたら合格っていうくらいしか知らない。だってプロになる気なんてないから」
と答えておきましょう。
 
穴:こんなん面白い?
これは反則技に近い質問ですけど…。
私は必ず「友達に上手いヤツがいて、そいつと初めてやった時にボコボコにされて悔しかったから始めた。
でも、やってみるとかなり面白いよ」と答える様にしています。(嘘ではないから…)
面白いと思えるかどうかは個人の価値観の問題です。
ただ、この質問に「別に…」って答えてしまうと、「ほんだら何でやってんの?」と聞かれるのは明かな
ので、その答えだけはやめましょう。
 
補足
ビリヤード場で、他の人のキューにぶつかったら、すぐに謝っておきましょう。
プライベートキューでなおかつ高級なものだと、目玉が飛び出すくらいの金額のキューがあります。
私のキューは目玉は飛び出しませんが、ぶつけられたら、かなりムッとします。
正直言って償って欲しいくらいです。
 
でもちゃんと誠意を持って謝れば、大体大目に見てくれるでしょう。
もし、それで揉めたらお店の人に入ってもらうか、「後ほど弁護士から連絡させますので、ご連絡
先をお教え下さい」と言うかどちらかですね。
 
私は前者をお勧めしますが…。
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第1ステップ:常連になる

「常連」何と響きのいい言葉でしょうか。
店の人と親しげに話をし、集まってくる常連さんと「ちょっと突きましょうか?」と言って、ゲーム
を楽しむ。
ビリヤードを始めようと思っている人の憧れの言葉、それが「常連」です。
 
どうすれば常連になれるのか?通うしかないです。一朝一夕では常連になる事はできません。
最も早く常連になる方法は、既にその店で常連になっている友人・知人を探す事です。
 
ただ通うだけではいけません。大体、どの店でも「会員」とか「メンバー」制度を設けているので、
必ず入会しましょう。特典もついてくるのでお徳です。
 
そして大事な事は、同じ時間帯に通う事です。同じ時間帯であれば店員さんも同じ人がいる可能性
がかなり高くなり、顔を憶えてもらえやすいです。また、常連さんの中にも顔を覚えてくれる人が
出てきます。
 
顔を覚えてもらうためには印象を残す事です。ドリンクをやたらと注文するとか、店でこけるとか
兎に角、印象を残しましょう。ただ、悪い印象はダメです。うるさいとか、無茶な事をするとかは
NGです。
 
ただ私は、通いはじめてすぐに常連の仲間入りをする事ができました。
偶然ではありますが、私のケースを紹介しておきます。何かの参考になるかも知れません。
 
毎日行くので、名前は覚えてくれたくらいの時です。店で遊んでいると店の電話が鳴りました。
「はい、はい、あ〜いらっしゃいますよ。…いいですか?代わりましょうか?」
店員さんがその様な応対をしていました。
電話を切った5分後、店に6人の人相の悪い人がやって来て、「○○(私の名字)はどこや!」と
叫びました。
 
私は、その人達の顔を見ましたが、見覚えのない人達ですし、第一私の友人で私がビリヤード場に
居る事を知っているのは、目の前に居る友人だけです。明らかに私を探しているのではない事がわ
かっていたので、無視していました。
 
すると店員さんは、私を指差し「○○さんならそこに…」と言っているではありませんか?
(オイオイ、何を余計な事言うてんねん)
しかし、その人相の悪い迫力のある人達は、探している○○さんと違うので、店員さんに詰寄り、
「かくまったりしたら、おのれの身にならへんど、コぉラ」とか「店ひっくり返すしたろか?」
などと罵詈雑言を並びたてていました。
 
結局、その人相の悪い迫力のある恐そうな人達が探している○○さんと私は別人でしたので、私
は何もなかったのですが、店員さんは人違いで人相の悪い迫力のある恐そうな前科のありそうな
人達に私を引き渡しそうになったので、私の事を一生忘れないくらい覚えてくれました。
 
また、その時に居た常連さん達も私の事をとてもよく覚えてくれました。
他の店員さんも、「あの○○さん」と私を覚えてくれたので、私は一躍店の常連に仲間入りでき
る事になりました。
 
これはあくまでも私の場合で、みなさんにお勧めしているわけではありませんが、これくらいイ
ンパクトがあると大丈夫です。あなたも常連になれます。
 
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第2ステップ:焦らない

30代というのは、自分が思っているよりも運動能力というのは衰えているものです。
若い頃に高い運動能力を誇っていても、継続して運動をしている人でない限り、自分の想像を遥かに
超える衰えがあなたを蝕んでいます。
 
私と同じ時期にビリヤードを始めた若い友人が二人います。
1人は男性、もう1人は女性です。
この二人、今は私よりも遥かに上達しています。
しかし、それは仕方の無い事です。
何しろこちらは30代。相手は20代前半なのですから、体の頑固さが違います。
 
思い通りに体が動かない。体が硬い。これが30代の体です。
ですから、後から始めた若い人がみるみる上達しても、焦ってはいけません。
人には、それぞれ上達のスピードというのがあります。
練習すれば、練習しただけ必ず上達するものなのです。
 
もし、才能というのがあるとするのであれば、体得できるまでの回数だと私は思っています。
一度で体得する人もいれば、10回で体得する人もいる。しかし、練習を続ければ必ず体得できる
と私は信じて、日夜練習しています。
 
ビリヤードのオーソドックスな練習方法にセンターショットというのがあります。
センタースポット(台の中央)に的玉を置いて、ヘッドラインから対角線上にあるコーナーを狙う
という練習です。
 
私は今でも、外します。そうですね、1,000球以上は確実に練習したでしょうね。
しかし、10代の若者で100球練習しただけで、センターショットを外さない人がいます。
これが才能だと思っています。
 
焦る必要はありません。ビリヤードでも何でも最初から上手い人なんていないのですから…。
 
それに私は、楽しむのが目的でビリヤードをしているのです。上達は楽しみのひとつでしかあり
ません。下手なヤツの言訳だという方もいらっしゃるでしょうが、そこは価値観の違いですので
お互い気にしないでおきましょう。
 
さて、具体的にどれくらい体が頑固なのか?チェックしてみませんか?
用意するものは、ビリヤード台を一つ、手玉を一つ、キューを一つ。以上の3品で結構です。
まず手玉を適当な場所において下さい。次にその手玉から最も離れた穴を選び、その穴に向って
キューで手玉を押し出して下さい。
ここで注意して欲しいのは、突くのではなく押出すのです。
キューの先で手玉を運ぶ感じでお願いします。
当然、キューを引く動作は不要となります。手玉にタップを密着させた状態から押す。
これだけの動作です。
 
狙った穴に手玉はスクラッチしたでしょうか?
10回やって、10回とのスクラッチできた人の肉体はまだまだ柔軟です。
10回やって、10回ともスクラッチできなかった人の肉体はすごく頑固です。
一度お試しください。結構楽しめますから…。
 
手玉が狙った穴の右に外れる人(右利きの場合)は、手が右から左に向って出ています。
その逆の人は、逆に左から右に出ています。
 

第3ステップ:マイキュー

このコーナーは30代を主な対象にしているという事を改め書いておきます。
何故なら、今回はキューの購入についての話であり、世代によっては若干収入や貯蓄に違いがある為です。
もし、このコーナーを30代以外の方がお読みになっている場合は、参考としてお読み下さい。
 
常連になると店側から2つの誘いをうけます。
一つが店主催の大会、俗に言うハウストーナメントへの出場。
もう一つがマイキュー(プライベートキュー)の購入です。
 
私はどちらも、約1ヶ月で誘われました。
特にキューの購入については4月末に、「そろそろ買った方がいいですよ」と誘われました。
 
マイキューの購入に関しては賛否両論あると思います。
「折角始めたのだから、やはり自分のキューが欲しい」
「あのキュー立てに自分の名前を張りたい」
「そんなに上手くないのに、マイキューを持つのは恥ずかしい」
「自分より上手い人で持っていない人がいるのに自分が持つのはちょっと…」
 
これは私の意見ですが、気にせずに買いましょう。
何故なら、このコーナーは「上手そうに見える為」にあるのです。
マイキューを持ってれば、間違いなく上手そうに見えます。
 
すでに紹介済みですが、私が購入したキューは定価35,000円のキューです。
30代のビギナーには丁度よい価格と品質だったと思います。
定価と表記しているのは、実際の購入価格は店によって異なるからです。
大体定価の75〜80%くらいがビリヤード場での購入価格になるのではないで
しょうか?
 
ビリヤードのキューにもいろいろとメーカがあります。
メーカによっては一番安い商品でも00( _ ;)とか、(・・;)とかになるメーカ
もあります。
ここは、やはり初心者から上級者まではば広くサポートしているメーカを選択する
べきだと思います。何しろ、上手い人ではなく何も知らない人から上手そうに見え
る事を目的としているのですから…。
 
あと、知合いから譲ってもらうという方法もあります。
使用感のあるキューというのは非常に趣があり、味わい深いものです。
上手そうに見えないわけがありません。
 
キューにはそれぞれクセがあります。新品の場合、そのクセを自分で探していかな
くてはなりません。中古の場合は、前の持ち主からクセを聞く事ができますので、
「このキューは強く突いた時、先玉に当った後、手玉の軌道がずれる傾向にある」
なんて事を、語る事ができます。
勿論、自分で突いたってもともとの突き方、狙い方が悪いのですから、そんな事は
わかるはずもないのですが、上手そうに見えます。
 
では、新品のキューに使用感を出す為にはどうするのか?
「汚す」のです。
それでは、簡単な「汚し」方をご紹介しておきましょう。
但し、この方法は木製のシャフトをしているキューに限ります。
サンドでシャフトを磨くな!と注意書きしているキューでは効果がありません。
 
工程1:シャフトをサンドで磨く。
    これは購入後にニス取りをしているのであれば、軽くで結構です。
    そうでない場合は、店の人にお願いしてニス取りをしてもらいましょう。
    間違っても自分でしてはいけません。シャフトを削り過ぎてしまう恐れがあります。
 
工程2:チョークで汚す。
    チョーク、特に青いチョークが(^-^)gです。
    シャフト全体に、満遍なく塗りたくりましょう。
 
工程3:シャフトを布で綺麗にする。
    先ほど塗ったチョークを一生懸命拭いて下さい。
    どうですか?木の目にチョークが埋まって、いい感じの色になったでしょ?
 
これで、バッチリ使い込んでいる様に見えます。
こんな事をしなくても、半年も使っていれば、勝手に汚れますが…。
 
さて、キューメーカーについては、やはりいろいろ知っておいた方がよいでしょう。
最低でも、アダムとメッズは覚えておくべきですね。
なぜなら、日本のメーカで、ビギナーから上級者まで幅広く対象にしているメーカです。
日本で最も有名なメーカと言って過言ではないでしょう。
 
抑えておきたいのが、キューテックとルカシー。
これは、玉屋さんで見かけるカタログで一番多いのではないでしょうか?
実際に使用している人も多いです。
 
後、実際に目にする機会は少ないでしょうが、バラブシュカやザンボッティなどは美術品
と呼ぶ人もいるくらい高価なキューだという事を知っているとシロートからは上手そうに
見えます。バラブシュカは「ハスラー2」でトム・クルーズがポール・ニューマンからも
らっていたキューだと言えば、下らん事だと思いながらもみんな「へ〜」と感心してくれ
るでしょう。
でも、ビリヤードが本当に上手い人達の前ではこんな事を言わない方がいいですよ。
 
以前、私はある高校生に「どこのキューを使っているんですか?」と聞かれた事があり、
正直に「ショーンだよ」と答えました。
するとその高校生は「へ〜、何でアダムとかメッズとか、もっとメジャーなトコにせぇへ
んかったんですか?」と言いました。
私は「ショーンが好きだから」と答えたのですが、他の常連さんはかなりびっくりしてい
ました。
 
これは高校生だから許されるご愛嬌ですが、30代には許されません。
インターネットで調べれば、アホほど出てきます。いろいろ知っておきましょう。
 
最後に、決してキューは値段ではありません。
人のキューの値段の詮索や、自分のキューの値段を自慢してはいけません。
ザンボッティを使っていた人で、「このキューはあんたのキューが55本くらい買える」
と言っていた人がいました。これは常識的ではありませんよね。
はっきり言って、55本もキューは必要ないのですから。
私の友人は、これが原因で「ザンボッティ嫌い」になってしまいました。
ちなみに、それを言われたのは私なんですけどね。
 

第4ステップ:その他の道具

キューを買ったら、キューケースが必要です。
何故なら、キューを剥き身で持ち運ぶ訳にはいきません。
 
キューケースには色々なタイプがあります。
ハードタイプ    :昔ながらの箱型ケースです。
ソフトケース    :最近よく見かける肩からかける事ができるタイプです。一見、図面を入れている様な
           円筒形の物と、四角柱形の物があります。
袋タイプ      :ルカシーの正規品を購入するとついてくる。小学生の時に笛を入れていた袋の巨大版
 
30代ですので、やはり落ちついた雰囲気のケースを選ぶ事が望ましいと思います。
細い円筒形の青とか赤とは、30のおじさんには似合いません。
 
渋くハードケースか袋タイプがお勧めです。インストロークのケースもお勧めですが、インストロークは
高いので、インストローク風(パチモン、バッタモン、エセ、類似)くらいにしておきましょう。
私もインストローク風カウボーイタイプを使用しています。ええ、どうせパチモンですよ。
 
素材はやはり革がよいでしょう(袋タイプを除く)。
合成皮革はあまりお勧めしません。革だと、年季が入ってくるととてもいい感じになります。
 
キューケースからキューを出す時の仕草。
これが大事です。この仕草ひとつで下手なのがばれる事もあります。
慣れた雰囲気を出す様にしましょう。
 
おじさんの最大のメリットは、黙っていれば経験豊富に見えるという事です。
実際に玉屋では、おじさんのA級(無茶苦茶上手い人)やB級(かなり上手い人)がゴロゴロいます。
完璧なおじさんを演じましょう。
 
他にも、木目が美しいハードケースや本来キューケースではない物をキューケースに使用するのも中々
いいものです。
 
キューケースの他に持っておきたい物としてグローブがあります。
グローブの使用については、賛否両論あるでしょう。しかし、一つはキューケースに入れておきたい
品物です。
 
何故なら、自分のキューはグローブがなくてもちゃんと滑りますが、一緒に来ている人の使っている
ハウスキュー(場キューとかシバキューとも言う)だと全然滑らない物もあります。
この時、さり気なくグローブを取出し、「よかったら使う?」などと言えば、間違いなく上手そうで
す。誰が何と言おうと、上手そうなのです。
 
キューとキューケースとグローブ。これは上手そうに見える必須アイテムです。
必ず揃えましょう。
 
他にもマイチョーク、マイ手玉を持っている人がいますので、どこまで「マイ」を揃えるのかは、自分
次第というところです。
 
メンテナンス用品として、ヤスリの類などを持っている人もいます。
やはり、自分の道具はある程度自分メンテナンスできるのが望ましいのですが、上手そうに見える為に
は必要ありません。
本当に上手い人や、お店の人にやってもらいましょう。
 
今まで私が見た、珍しい「マイ」を参考までにご照会しておきましょう。
 
・マイチョーク
 珍しいというほどではないのですが、本当に持って歩いている人は意外に少ない。
 
・マイボール(手玉)
 マイ手玉を持ち歩いている人を見た事があります。これがまた、通常の手玉よりほんの少しだけ質量
 が小さい為、よく動くのです。「おっ、すごくキュー切れがいいのか?」と思ったのですが、実は普
 通のキュー切れでした。だって、私が突いても同じ動きをしたから…。
 
・マイスリッパ
 「紳士・淑女の嗜み」というイメージからは少し離れるかもしれませんが、「身近なスポーツ」とし
 ては、丁度よいかも知れません。おもむろに靴を脱いで、スリッパに履きかえる姿は何とも言えない
 趣がありました。
 
・マイ工具
 何故工具?と思うのですが、色々な工具を持っていました。台を分解、組立できそうなくらい持って
 いました。仕事道具?とも思ったのですが、キューケースから出てきたから、ビリヤードの為に持っ
 ているんでしょうね。(ビリヤード関係の仕事をされている人かな?)
 
・マイラック
 おもむろに、カバンから取り出した時は、ビックリしました。
 確かに店にあるラックは立たないヤツが多いですが、そこまでする必要があるのでしょうか?
 
後、見てみたい「マイ」をおまけで書いておきましょう。
 
・マイメカニカルブリッジ(レスト)
 実際にいるよという話を聞くのですが、まだ見た事がありません。
 ポケットではなく、3クッション、四つ玉、スヌーカなどをされている方に多いらしいです。
 
・マイテーブル(台)
 絶対に見かけないとは思いますが…。台を持って歩いている人がいたら、すごいでしょうね。
 家にあるという人は居るのでしょうが…。
 そんな人を見かけたら、ご連絡下さい。
 
・マイブラシ(清掃用)
 台を掃除するブラシを持ち歩いている人はさすがにいないでしょうね。
 玉も突かずにひたすら掃除して、お金を払って帰るという人がいたら見てみたい。
 
結論として、おじさんは風体と持ち物でハッタリが効くので、それを有効に利用しましょう。
次回は、「ウンチク」をテーマに頑張ります。
 

第5ステップ:ウンチク

人間、ある程度年齢を重ねておれば、おのずと説得力が身に付くはずです。
これを利用しない手はない。
 
上手そうに見える為には、説得力のある「知ったかぶり」に限ります。
では、どの様な知ったかぶりをするのか?
お任せ下さい。
「口で玉を突かせたら、神戸で3番」と言われた私が伝授しましょう。
 
きっと、ここで仕入れた知識(嘘っぱち?)はあなたを上手そうに見せてくれるでしょう。
 
・「手玉の上を突くと押し玉、中心を突くとストップ、下を突くと引き玉」は嘘
 
 上と突くと押し玉は嘘ではないのですが、中心を突くとストップ、下を突くと引き玉というのは
 嘘です。
 中心を突いた時、手玉はしばらく無回転状態で移動します(横滑り状態)。この無回転状態の時
 に的玉にあたるとストップするのです。引き玉も同じです。下を突くとしばらくは逆回転で移動
 します。この状態の時にあたると引き玉になるのです。
 
 引き玉は逆回転の後、無回転状態になり通常の回転運動に移ります。
 これはどういう事か?
 手玉と的玉の距離が長いといくら下をついても、的玉に当った後の手玉は前に転がるという事です。
 これって当たり前の事で、ビリヤードをやってる人間なら誰でも知ってます。
 ビリヤードをやっていない人でも、ちょっと物理に明るい人なら、すぐにわかる事です。
 これを如何に説得力がある様に話せれば、後は何を言っても説得力があります。
 
・上手い人が突くと押し玉でも、引き玉でも一瞬止まってからキュイ〜ンと動くのは何故?
 
 答えは上手いからです。
 しかし、これでは説得力に欠けます。では、説得力をたっぷりに説明してみましょう。
 玉が1回転した時に進む距離が玉の円周と一致している事を完全回転といいます。
 完全回転の場合、あたった後すぐに前進を開始します。
 ただ、上手い人が突くと玉が1回転した時に進む距離が玉の円周よりも短い時があります。
 これを不完全回転といい(カラまわりというより説得力があります)、非常に回転力が強い時にこの
 現象が見られます。不完全回転の状態で的玉にあたった時、その場で不完全回転を行うので、一瞬
 止まった様に見えるのです。
 
 これを、「カラまわりしているから」とか「あの人は上手いから」と一言で済ませるよりも説得力が
 ありませんか?でも、本当の答えは「上手いから」なんですよね。
 
・左右でセンターショットの精度が違う
 
 答えは下手だからです。
 しかし、人はそれでは納得してくれません。人間とは、いや日本人とは原因がなければ納得しない民族
 なのですから。
 最も、下手というのも原因なのですが、それの下手なのが自分だった場合、人は絶対に納得しません。
 どこか悪いところがあって、それが原因なんだと考えます。
 
 そんな時には次の様に答えてあげましょう。
 「効き目による錯覚だ」と。
 右目が効き目の場合、右から左コーナーへのセンターショットと左から右コーナーへのセンターショット
 では、前者の精度が高い事の方が多い。人間は効き目で映像を確認し、もう一方の目で距離を測る。
 すると、右から左コーナーをねらった時と、左から右コーナーをねらった時とでは左目とポケットまでの
 距離が微妙に(両目の開き具合によって個人差あり)違ってくる。
 だから錯覚を起すのだ。
 
 これは正しい答えではありません。大嘘です。正しい答えは「下手」だからなのです。
 しかし、今回は真実を求めるのがテーマではなく、説得力ある話し方を身につけるのがテーマです。
 センターショットの場合は、どちらも同じ距離で見ているはずです。
 振りがあるとこの錯覚っていうのはあるはずなんですけどね。
 
同じ事を口にするにしても、どうすれば上手そうに見えるのか?を常に考えましょう。
但し、何度も書きますが、本当に上手い人の前では決して上手そうに振舞ってはいけません。
 

第6ステップ:ブレイク

「ブレイクを見ればその人の実力がわかる」と私がよく行く店のマスタが言ってました。
つまり、上手そうに見せる為には「ブレイクを上手そう」に見せればいいのです。
 
では、「上手そうに見えるブレイク」を考えてみましょう。
しかし、ここでプロのブレイクを参考にしてはいけません。
何故ならば、プロのブレイクに近い事ができるほど基本が出来ているのであれば、このコーナは
必要ないのですから…。
 
私が今まで見る機会に恵まれた上手い人のブレイクは通常のショットの時とは違いました。
ブレイク=強くショットするではない様です。
ジャンプショットが通常のショットと違うのと同じでブレイクショットはやはり通常のショット
とは違うショットであるという認識が必要なのかも知れません。
 
何故「ブレイクを見ればその人の実力がわかる」のでしょうか?
私はあまり、ブレイクだけを練習している人を見かけた事がありません。
全くないわけではないのですが、私と同レベルの人がブレイクだけを練習しているのは見た事ない
です。
 
そうなるとブレイクの技術を習得するチャンスは複数人でゲームをしている時だけです。
しかも勝った時だけブレイクできるので、ブレイクのいい人=沢山ゲームをして来た人という推測
が成り立つわけです。
 
私の独断と偏見で「上手そうに見えるブレイク」のポイントをまとめてみました。
 
・ブレイクの時のフォームが派手である。
 
・手玉が的玉に当った時に派手な音がする。
 
・手玉の動きが派手である。
 
以上の3つです。簡単に言うと「派手」なのが「上手そう」に見えるという結論です。
(上手い人が見て上手そうに見えるという意味ではなく、素人が見て上手そうという意味です)
 
○ブレイクの時にフォームを派手にする
 漫画でもブレイクの時は勢いを表現する線が多く使用されています。つまり、素人はブレイク
 は勢いだけの物と思っていると言っても過言ではありません。
 よく見かける派手なフォームをタイプ別に分類してみましょう。
 
 ・キューへし折るつもりか?タイプ
  キューを台に押しつけ、グニュっという文字が見えそうなくらいキューを変形させるタイプ。
  「ハスラー2」でトム・クルーズはこのタイプでした。
  実際に、このタイプの人でブレイクキューをへし折った人を知っています。
 
 ・どこまで手出すねん?タイプ
  押しつけるのではなく、キューを前(的玉)に向って兎に角出すタイプ。
  プロのジョニー・アーチャー氏が代表選手です。
 
 ・こけるんちゃうか?タイプ
  ブレイクの際、軸足を跳ね上げるタイプ。
  ピコッと上げる人もいれば、ガバッと上げる人もいます。
  以前、あるプロからこれを教えてもらったと高校生が私に一生懸命足を上げる事を勧めてくれました。
  「足を上げたら、ブレイクはよくなりますよ」って…。
  しかし、その時ボーラードをやっていた私には足があがってしまうほどのブレイクは必要なかった
  んですけどね。
 
 どのタイプを採用するべきかはあなたの好みです。へし折りタイプは技術が必要なのであまりお勧め
 はできませんが、個人的にはこれが一番カッコイイと思います。
 
 ちなみに私は、「どこまで手だすねん?タイプ」のブレイクと、上記には書いてませんが「腰をキュッと
 出すタイプ」のブレイクの2種類を使っています。
 ※腰をキュッは文章では表現できなかったので除外しました。
 
○当った時の音を派手にする
 
 これは難しいですね。実際には硬質プラスティックが当っているので「カーン」とか「コーン」とか
 表現するべき音がしているはずなのですが、上手い人の音って「ドッカーン」とか「ズッコーン」とか
 に聞こえる事があります。ドとかズとかいう音はどこから出てるのか…。
 
 これは技術を向上させる以外に対策はないのですが、自分で「ドッカーン」と言うのも効果あります。
 私は「ドカーン」とか「バチコーン」とか「おーりゃ」とか「うりゃあ」とか叫びます。
 
○手玉の動きを派手にする
 
 手玉を跳ねさせるのは非常に簡単です。ブレイクする際に、やや上から突き下ろす感じで突けば、手玉
 は跳ねてくれます。ただ、やり過ぎると台を飛び出しますのでご注意を…。
 
 また、手玉を走らせるのも簡単です。玉の中心以外を突けば、捻りや押し、引きがかかって手玉は派手
 に動きまわります。ただ、どこをどう動くのかは予測不能な為、スクラッチやトラブルの覚悟が必要で
 です。
 
実際には、ブレイクの時の手玉の動きとしては台中央に止まるのが理想だと思います。また、的玉もそれ
ほど長い距離を移動させる必要もないはずです。ですから結論としては、力はそれほど必要ないという事
になります。しかし、ブレイクナイン(ブレイクの時にナインボールがポケットする事)を狙うのであれ
ば話は別です。上手い人がラックした場合、9番はピクリとも動かない事があります。だったら他の玉で
動かす以外方法がないのですから、派手に動かしてやりましょう。
 
私の過去の統計では、どこまで手出すねん?タイプで上左を突き出した時、ブレイクナインが出た回数が
最も多かったです。(これは私のブレイクでという意味です)
しかし、マスワリ(ブレイクから最後まで取りきる)はと言えば、派手なブレイクよりもやや控え目の時
の方が多いです。
 
何故か派手なブレイクをした時って、トラブルが多いんですよね。
 

余談3:決まり文句

玉屋で遊んでいるとよく耳にする言葉があります。
大半は駄洒落(特に中年男性が使用)なのですが、中には「上手い!」と言いたくなる物もあります。
今回は、私が印象に残った名言をご紹介しましょう。
 
○「お先まッ黒」
 手玉が8番の陰に隠れて先玉が直接狙えない時に使用。
 
○「出会い系サイド」
 本来狙った穴を外し、他の玉に当った弾みでサイドポケットへ…。
 こんな時に使用しましょう。応用例として「出会い系コーナー」もあります。
 
○「はいらん日」
 全く玉が入らない日の事。
 
○「ザ(ン)クとは違うのだよ、ザ(ン)クとは…」
 ガンダム世代にしかわからないと思います。
 3−9コンビを狙う様に見せかけて、3のみを入れた時に使用。
 もともとは麻雀の時に、満貫以上で和了った時に使用するらしいのですが、私のホームで一部の人
 だけが使っています。
 
○「ボンバー!」
 トラブルを崩す事ができずに、ヤケパッチのフロック狙いの時に使用。
 但し、このセリフは上手く見せようとする人には不向きです。
 
○「トラ・トラ・トラや!」
 阪神タイガースのファンの集いではありません。
 ジャパン(5−9)の際、紀州(字あってるのかな?)に成功した時に使用。
 真珠湾攻撃の「我奇襲に成功せり」の暗号で有名ですね。
 
○「マスワ」
 マス割り直前で9番を飛ばす時に使用。
 イニングチェンジでその9番をコロっと入れると「『り』もらい」と言いましょう。
 類似語に「ウラマ」があります。
 
○「ハムスターが逃げた」
 9番を飛ばした時に使用。
 どうも、その人には9番はハムスターに見えるらしいです。
 よく似たケースに手玉をシャリ、的玉を寿司ネタ&関連物に喩えている人もいます。
 
○「乳首を変えよう」
 タップを交換する時に使用。でも、あまり上品ではないのでお勧めしません。
 
○「浪漫指数が高い」
 順番が廻って来た時に難しい玉だった時に使用。
 特にナチュラルセーフティの時など、相手の人が「すみません」と言って来た時に有効。
 「いえいえ、浪漫指数がうなぎ登りですよ」と答えれば、すごく上手そうです。
 
○「こんなもんで…」
 的玉を抜いて、イニングチェンジする時、相手の人に一言という感じで使用。
 
○「人のフリ見て我がフリ直せ」
 逆フリになってしまった時に使用。
 他にも「フリがイグレシアス」と訳のわからない事を言うのも30代ぽくっていいです。
 
○「もうビリヤードなんかヤメじゃ!」
 簡単な玉を抜いた時に使用。
 このセリフを言って、本当にやめた人にまだお会いした事がないくらい信憑性のない言葉です。
 
この様に玉屋では、色々な駄洒落…いやいや、決り文句があります。
当然、完全にローカルな言い回しですので(一部インターネットのおかげで全国区の物もあり)、
全国的に通用するとは思わないで下さい。
 

第7ステップ:ハウストーナメント

第3ステップでも書きましたが、常連になると店からうける勧誘の一つ、「ハウストーナメント」を
テーマにします。(文中は「ハウス」と表現します)
 
ハウスに出場するのは、非常によい事だと思います。
何故なら、他の常連さんと知り合う場なのですから…。
 
試合中は何かと話にくいものですが、試合終了後や後日、「あっ、ハウスに出てた…」なんて事がよく
あります。
 
ハウスに出場する事は、ビリヤード仲間以外には内緒にしておきましょう。
もし、口を滑らせて「応援に行きます」とか「一度見てみたかったんですよ、ビリヤードの試合」なん
て事を言われたら下手なのが一発でばれてしまいます。
 
必ずハウス終了後に、「この間、店の大会に出場してさぁ〜」と言う様にしましょう。
そうすれば、「応援に行ったのに…」とか「見たかったのに…」とか言われても平気です。
「ごめん、ごめん。じゃあ次の時に…」と言えばいいのですから。
 
さて、肝心のハウスの方ですが、店によるとは思いますが、全体の7〜9割は常連さんになっている
と思います。中にはハウスのみの常連さんもいるはずです。
残りの1〜3割りが、他の店からの遠征チームと初出場チームではないでしょうか。
 
「試合なんてまだ早い」なんてお考えの貴兄に進言致します。
試合をするのに、早いも遅いもありません。
※このページを読んでいるのは私と同じビギナーである事を前提としています。
 間違ってもA,B,C級、プロの方が読んでいる事は想定していません。
ハウスなんて物は、勝ち負けを競う為に出場するのではありません。
人格判定の為に出るのです。
 
常連となった場合、他の常連さんともキューを交える事があります。
そこは人間ですから、ウマが合うとか合わないとかもあります。
 
ハウスなら、試合の勝敗が決まるまでしか、その人とはキューを交える事ができません。
逆に言えば、それだけでその人とはバイバイできるのです。
 
試合では普段以上にその人の性格が顕著に表れます。
3マスもあれば、その人がどんなビリヤードスタイルなのかを判断するには十分でしょう。
何故なら、あなたも酸いも甘いも知っている30代なのですから…。
 
賛否両論あるでしょうが、私の苦手とするタイプをご紹介しておきましょう。
 
○口で玉を突くタイプ
 別に本当に口で突くわけじゃないですよ。
 口先だけで全然実力が伴っていないヤツの事です。
 つまり、私の事ですね。何しろ、「上手くみせよう」としているのですから…。
 
○ミスした時のリアクションに不快感を感じる人
 悔しいのはわかりますが、一緒にいるこちらまで不愉快になる人がいます。
 キューを投げつけたり、怒ってみたり…。
 私は楽しく突きたいので、こんな人はちょっと「ゴメンネ」ですね。
 
○美人
 苦手です。特に服装が妖艶な人は、目のやり場に困りますからね。
 思わず「あんた、それ反則やろ!」って突っ込みたくなる人がタマに居ます。
 でも、そういう人が突いているのを、ギャラリーとして見るのは大好きです。
 
○恋人同伴の人
 目が恐いんですよね、お連れさんの。
 先玉の向こうで、「はずせ、はずせ」と念を発しながらこちらをじっと見つめている人が結構
 いるんですよ。
 
○見えない人同伴の人
 悪寒が走るんですよね、ゾゾゾっと。
 たまに服の裾とか引っ張るし…。
 帰る時はこっちの同伴になるんじゃないかって心配です。
 (これは冗談ですからね、わかっていると思いますけど)
 
ハウスに出場すれば、一気に知り合いが増えます。
まだ、ハウス未経験の方は是非出場しましょう。
かなり緊張しますよ。
 

第8ステップ:まじめに練習

たまには、まじめに練習の事を書いてみましょう。
入れの技術はどうしようもないので除外します。
お肉屋さんに、「どうしたら、肉100gが手で測れる様になりますか?」と聞いても答えてもらない
様な物ですから…。
 
では、説明できそうな練習方法とは何か?
ネキ出しの練習ですね。
ネキスト、出しとか言われるのは、手玉の次の的玉に対する位置付けの事です。
私の様な素人は決して捻ってはいけません。(いいのかな?先輩はビリヤードの基本はヒネリであると
断言しているけど…)
 
捻らなければ手玉の動きはかなり限定できます。
手玉は前回転か逆回転か無回転でしか、的玉にぶつからなくなるのですから…。
 
では、ここで基本中の基本知識。
無回転状態の玉の分離角は90度である(100%の厚みを除く)
 
という事は、手玉の動きを予想するには常に的玉に対して90度の方向を見ていればよいわけです。
すると、スクラッチなどは大抵防ぐ事ができます。
 
そこで、必要な技術とは、「どこからでも無回転状態で当てる事ができる」技術です。
 
これは自分の「引き」の限界を知るにも丁度よい練習です。
 
それでは私のやっている方法をご紹介。
 
センタースポットに的玉を置きます。
狙うコーナーの対角線と手前から2ポイント目の線の交差点上に手玉を置きます。
但し、これでは厚み100%になってしまいますので、
その手玉を玉2個分、内側にズラしてフリをつけます。
何故2個分なのか?入れやすいからです。
 
これは入れの練習ではなく、距離感を養う練習なのですから…。
 
この位置で、ちゃんと90度で分離すると長クッションの2ポイント目に向って手玉が走ります。
そこに別の玉を置いておくと、「狙っている」みたいで、すごく上手に見えます。
(結局、それか?)
 
ちょっと押しを入れると、1ポイント目に向います。
これを手玉の位置を近付けたり、遠ざけたりする事で色々と距離感を掴みます。
 
これで距離感が掴めたら、自動的に引きの限界や加減も身に付きます。
但し、ちょっとフリのある引き玉は回転によってはアクションがかわるので、それはそれでちゃんと
練習しましょう。
 
それとこんな練習方法を書いているからと言って私がちゃんとできるわけではないですよ。
私は特に誰に教えてもらっているわけではないのですが、人が教えてもらっている時に「耳ダンボ」
にしているので、こんな練習方法を知っているだけです。
知っているのとできるは違いますからね。ふははははは。
 

余談4:危険がいっぱい(冗談)

ビリヤード屋には危険がいっぱいです。
基本的には「危険」に近寄らなければ安全なのですが、気を付けておかなければならない
事は、「危険」が近寄ってくるという事です。
 
何故「危険」が近寄ってくるのか?
それは「危険」は生きているからです。
 
危険1:女性という名の危険(その1)
 
これが最も危険です。
何故最も危険なのか?30代の中年男性は多くの方が家庭を持っています。
その大事な家庭を危機に陥れる破壊力を持っているのです。
 
玉屋というところは不思議な空間です。
普段「クソおやじ、見るな、触るな、近寄るな」と言われていても、玉屋で上手そう
に見えると、「クソおやじ」から「おじさん」にすぐに昇格します。
さらに、「かっこいい」ショットで女性のハートを鷲掴みすると、もう「まな板の上の
鯉」、「穴前の9番」状態になります。
これに似た現象が発生する場所として、スキー場、海、ゴルフ場、カラオケがあります。
 
そして、最も注意しなければならないのはここからです。
我々おやじ(おやじ予備軍含む)は、すぐにのぼせてしまいます。
そして、一度のぼせてしまうとなかなか元に戻る事ができません。
 
しかし、女性にはすぐに冷静を取り戻す「自己修復機能」が備わっています。
そうなると立場は一気に逆転。家庭を捨ててでも…などと戯言を言い出す輩が続出です。
 
危険2:女性という名の危険(その2)
 
先日、玉屋にいた時の事です。
一見して会社帰りに一杯ひっかけて来た4人組みがやってきました。
その内一人だけ女性だったのですが、その女性はどうも初めてのビリヤードの様です。
他の三人の男性は私よりもやや年配ですが、このコーナーは読んでいないくらい上手には見えませんでした。
 
それはまあ、いいとして騒がしい上に、その女性にアドバイスと言うよりは指図と言った方がよいくらい口を出していました。
それを見ていた店の常連でB級の女性二人が「うるさいなぁ。」とか「好きにさせたりやぁ」と不快指数200%状態。
最後には「『よく知ってそうなので、私達にも教えて下さい』って言うて、ボコボコにしたろか?」と物騒な事を言ってました。
その二人、無意味に美人です。
もし私がそんな事を言われたら、間違いなく台に付く程鼻の下を伸ばしていたはずです。
 
実力のわからない女性に誘われたら、必ず断りましょう。
その決断があなたを危険から救います。
 
危険3:伝染病
 
ひょっとしたらこれが一番危険かも知れません。
玉屋にいるとどうしても、誰かが新しいキューを買う場面に遭遇します。
これが危険。
「俺もそろそろ…」なんて考えがムクムクと…。
まあ、これは誰もがかかる「麻疹」みたいなものです。
しかし、これを放置しておいては、やがて取り返しのつかない事態まで進展します。
 
最近、この病がウィルス性の伝染病だという学説が発表されました。
原因となるウィルスは「コレク菌」というラブドウイルス科に属するウイルスに似ているらしいです。
※勿論、大嘘です。ラブドウイルス科のウィルスは狂犬病が有名です
「コレク菌」に感染し、発病した人を「コレクター」と呼びます。
以前から噂は聞いていたのですが、まさか実在するとは思っていませんでした。
 
1本が2本に、2本が3本に…と知らぬ間にキューは増殖して行きます。
キューがある程度増殖すると、ある方向性が出てくる様です。
「ストレートのキューを見ているとついつい…」とか
「一品物を見るともうダメ」とか
「レアと聞くだけで…」などの方向性です。
そして、この欲望を抑制すると禁断症状が現れます。
この時点で「コレク菌」に完全に支配されています。
 
しかし、これだけでは終りません。
この病は最終段階では、「天からの啓示を受けた」などと口走ります。
「ここで買っておかなければもうチャンスはない」などと天からの啓示が聞こえればもうダメです。
この段階に達すると既に、周囲に「コレク菌」を撒き散らしています。
 
この「コレク菌」は、空気感染はおろか、ネット感染する恐ろしい菌です。
この病は発病までが勝負です。発病すれば、まず助かりません。
早期の段階で、カウンセリングが必要です。
ワクチンによる治療は現在、行われていません。
 
この様に、ビリヤード場にはいろいろな危険があなたを待ち受けています。
しかし、これらの危険は「正しい知識」と「理性」を持っていれば何ら心配ありません。
既にこれらの危険に出会ってしまった方、運がなかったとあきらめて下さい。
もう少し早くこのページに出会っていれば…
 

余談5:危険がいっぱい(まじめ編)

ビリヤード屋には危険がいっぱいです。
基本的には「危険」に近寄らなければ安全なのですが、気を付けておかなければならない
事は、「危険」が近寄ってくるという事です。
 
危険1:詐欺師
 
よく聞く話ですので、本当に注意して下さい。
若い男性が数名ある店にやって来たそうです。
その内一人だけキューを持っていました。
そのキューを友人に見せながら、購入した経緯を説明しました。
「知り合いの金持ちの人が『これ30万くらいしたキューやけど、お前頑張ってるから』言うて6万で売ってもらってん」
 
その店の人が、気前のええおっさんもおるもんやの〜とそのキューを見たら、量産品の定価6万くらいのキュー。
新品ならともかく、中古を定価とは…。
 
もっと悪質な場合もあります。私も一度、そういう人に出会った事があります。
騙す方が悪いのか、騙される方が悪いのか?という話はしませんが、自己防衛は必要です。
個人の売買は、かなり慎重に行わなければなりません。
 
ビリヤードは楽しい娯楽です。
しかし、それを嗜む人が必ずしも「いい人」だけではないという事を忘れてはいません。
 
危険2:盗人
 
キューやキューケースが盗まれるというのはよく聞く話です。
そんな事って思われるかも知れませんが、本当にあるのです。
特にオープンな試合の開催されている会場などでは、気を付けなければなりません。
普段、店にキューを預けている場合、本当に注意して下さい。
その気になればいつでも、持って帰れます。
 
危険3:恐喝
 
最近、私の近所ではよくない噂を聞きます。
隣で突いていた人にぶつかって、因縁をつけられ、金銭を奪われたという話しです。
どうも、金銭を奪って行っている人物は、あちらこちらで同じ様な事をしている様です。
そしてこの人物の凄い(ずるい?)ところは、決して常連には接触しないという事。
常連だとこういう時、店側が助け船を出してくれますし、他の常連も放っておきません。
常連になるという事は自己防衛に繋がるのです。
 
危険4:ハスラー
 
ビリヤードをやっている人を「ハスラー」だと勘違いしている人もたまにはいますが…。
ここで言う「ハスラー」は金銭を賭けてゲームを挑んでくる人だと思って下さい。
達の悪い「ハスラー」を2種類ご紹介しておきましょう。
 
王道ハスラーと呼べばよいのでしょうか?本来の実力を偽り最初のうちは少し相手に勝たせておき、次第に金額をアップしていき、最終的には自分が勝つという人です。
これは、映画「ハスラー」や「ハスラー2」(邦題)でお馴染みなので詳しい説明は要らないでしょう。
 
恐ろしいのが、金銭感覚の違う自分より下手なハスラー。
私の知り合いでこのタイプのハスラーに出会った人がいます。
最初は千円から始まりました。最初のゲームで「楽勝」を確信できるほど実力差があったらしいです。
次ぎに2千円。これも楽々勝利。ここまではいいのですが、このハスラー、恐ろしいほど負けず嫌いだったらしいです。
気が付けば10万円の勝ちになっていたので、知り合いは「もうやめましょう」と提案しました。
すると「ちょっと待ってくれ。今持ち合わせがないから…」と言い出したのです。
勿論、勝ち分全部もらうつもりもなかったらしく「いいよ、いいよ。困らない程度に払ってくれれば」と言いかけたそうです。
すると相手は「持ってこさせるから、それまで付合ってよ」と言うではありませんか。
相手はどこかに電話をすると「おい、わしゃ。今○○におるさかい、3束ほど金持って来い」と言いだしたのです。
 
この電話で知り合いは直感しました。「ただの下手なオヤジさんではない」
怖い職業の下手なオヤジさんだったのです。
その時点でギブアップして、退散したから無事に済んだという話です。
 
 
この様に、ビリヤード場には多くの危険が潜んでいます。
しかし、危険だけではありません。
次回は「楽しみ」についてご紹介しましょう。
 

余談6:楽しみがいっぱい

ビリヤード屋には楽しみがいっぱいです。
楽しみは、人それぞれ違いはあるでしょうが、私の独断です。
 
楽しみ1:
 
何と言っても友人が増える事です。
同世代でも違う職業の人、違う世代の人…。
普通に会社と自宅を往復しているだけでは知り合う事などなかった人達と知り合えるのは最大の楽しみです。
 
私が生まれるよりも前から玉を突いていた人や、私が成人してから生まれた人など、まさに出会いのワンダーランド。
下手な出会い系サイトよりも面白いです。
 
全く知らない世界の人もいるかと思えば、意外に近い存在の人までいたりします。
たまに一人で突きにくるお客さんがいると「常連さんになるかな?」と気になってしまいます。
 
楽しみ2:
 
そりゃ、男ですもの、若い女性を見るのは楽しいものです。
特にミニスカートの女性が来た日にゃ、あなた。
玉なんて気にしてられませんよ。
特に若い女性が一人で来た日には…。
 
※こんな事を書いてる私は、絶対に声をかけません。
 何故なら、私は妻帯者だから…。
 
楽しみ3:
 
玉仲間と一緒に飲みに行く。(食事も可)
これがなんとも言えずに楽しい。
酒の肴は、玉でも玉以外でも楽しい。
また、自分の知らなかった遊びや店を知る事ができるので、これも楽しいです。
でも、あまり自分とお財布の中身が違う人と遊ぶと後が大変です。
 
私の行っている店は系列にカラオケ屋もあるので、何となくカラオケに行く事があります。
しかし、私はここ8年間音楽をまともに聞いた事がないので、最近の歌は歌えません。
 
楽しみ4:
 
怪談。
深夜に客が引いた時間帯にする怪談話。
これは非常に涼しくなります。(冬はかなり寒いです)
ところで、みなさんは百物語というのをご存知ですか?
ローソクを100本立てて、怪談を一つする毎に1本づつ火を消していく。
最後の1本を消した時に…というヤツです。
 
1回のお話を平均2分と考えると2分×100話=200分≒3時間33分。
どうです?百物語を完了させるにはこれだけの時間が必要です。
最後の方は大変ですよ。
何故って?だって、そんなに長時間燃えつづけるローソクあまりないでしょ?
普通のローソクなんて1時間も持ちませんよ。
かなり早口でしなければなりません。
それと、平均2分で考えると3時間33分ですが、3分で考えると5時間。
5分で考えると8時間33分。
開始時間に気を付けないと夜が明けちゃいます。
 
楽しみ5:
 
最後になりましたが、やはり玉が突ける事でしょう。
だって楽しいんだもん。
 
かっこいいスーパーショットから、かっちょ悪いずっこけまで。
信じられないハプニングショットも、いとおかし。
 
先日、格上の若者(19歳)と突いていた時の最後の1ゲーム。
私が9番を飛ばしてサイドの穴前へ。
若者も最後という事で、「バシっと決めさせて頂きます」とハードショット。
 
バチコ〜ン
 
という音と共に9番はサイドポケットへ、手玉はすぐ横のクッションへ…。
しかし入ったと思った9番は、すぐに出て来て、入替りに押しの効いた手玉が「押し抜き」(で意味わかりますか?)でサイドポケットにスコン!
 
その後で30回ほど二人で再現を試みましたが、再現できませんでした。
(近い状態にはできたのですが…)
 
こんな事もあるから、楽しいんですよ。
 

第9ステップ:教える

玉を突き始めて2年近くなると、私の様なおじさんでも、全くの初心者さんから見ると上手に見えるらしい。
(実は対して実力は違わないのですが…)
 
私は、人に「教える」のは非常に苦手です。
何故なら、人に教えられるほど上手くないなからです。
 
しかし、初心者さんの中は私の風体と交友関係(A級とかプロとかと親し気に話す)に騙されて、「教えて下さい」
などと無茶な事を言う方がいらっしゃいます。
 
大体はきっぱり&丁重にお断りしているのですが、相突きしている時の質問は断れないのも正直なところ。
特に直接狙えない時に、「どこ狙えばいいんですか?」なんて聞かれても、対して変らない実力者に聞かれても…。
※初めての女の子なら、「あっ!」と言いながら邪魔なボールを除けるのですが、この場合は失礼ですから。
しかし、プロが模範解答を見せてくれました。
「まず、自分で考えてやってみる」
これを見かけた時に私は目が鱗が落ちた思いでした。実際にはコンタクトが落ちたのですが…。
 
忘れていました。私は「自分でやる」が基本なのに、どうしてそれが人には言えなかったのでしょう。
おかげで私は何を聞かれても「自分でやってみよう!」と答えています。
しかし、昔の人は偉大だった事を最近思い知りました。
 
馬鹿の一つ憶え
 
「あの人は何も教えてくれない」と言われたのです。
酷い話しです。対して実力が違わない人に何が教えられるというのでしょうか?
歳はくっているが、玉突きに関しては私も初心者なんですよ。
 
「プロと一緒に突けるくらい上手いのに…」
プロに勝つなら凄いよ。
プロと一緒に突いてると言っても、実際にはプロの突いている玉を一番近くで見ているだけです。
プロと突きたいなら、プロに「お願いします」って言えばいいのに…。
そりゃ、私はファイティングポーズを取りながら「勝負だ!」なんて言いますよ。
でも、それはプロが先に私にやったから、私とプロの間で「お願いします」の代わりに使っているだけです。
ちゃんとゲームを始める前には「お願いします」って言ってるますよ。
 
「凄い玉を突くのに…」
達人も言ってるでしょ?「初心者はスパーショットの宝庫」だって…。
はっきり言って今までの「凄い玉」は再現できません。
 
「マス割りできるのに…」
ブレイクで5個入ったら、残りは4個だちゅうにぃ。
その4個も穴前だったら、大体の人がマス割りできます。
※ブレイクで5個も入ったのは過去2度しかありません。その内の1回がエース。残りがこの時のマス割り。
 
このままでは話しに尾ひれがついて大変な事になるので、自分に答えられる事は答える事にしました。
 
そこで本来のテーマである「上手そうに見せる」(いつから?)教え方をご紹介しましょう。
 
セーフティを狙え!
 
本来セーフティとは非常に難しいものです。何しろ相手にとって困難な状況を意図的に作るのですから…。
「抜けたらセーフティになった」とは違うのですからね。
大体の場合が、セーフティを狙っても失敗して「Oh!丸見え!」状態になるのが関の山です。
 
しかし、そんな事は関係ありません。「知っている」と「できる」は違うのですから…。
 
パターン1:見えている場合
この場合にお勧めするセーフティは2通りです。
 @的玉を隠す
 A手玉と先玉を離す。
 
隠すのは非常に難しいので、A番をお勧めする事が多いです。
説明する時は、次の玉にいいネキストを出せなくする為と言えば、それらしいでしょう。
 
パターン2:隠れている場合
この場合にお勧めするセーフティは一つです。
(何故なら私はそれしか知らない)
 ・故意にファールをし、トラブルを作る。
 
これも、説明する時は、こうすればここで相手が困るでしょ?と言えば、納得してもらえます。
 
私は基本的にはセーフティをしません。
「玉を入れる」技術を競うものだと考えているので入れる事しか考えません。
(猪突猛進な性格をしています)
恐らく、多くの初心者さんもそうでしょう。
ですから、セーフティという新しいテクニックを知らせるだけで十分効果があります。
 
ちなみに、私がどれくらいセーフティが嫌いかというと、セットマッチで相手がツーファールの時
でも絶対にセーフティを狙いに行きません。例えアホやなぁと言われても…。
 
さて、「上手そうに見せる」為に教えるのであれば、応用例や発展形を教える必要はありません。
逆にそんな事をすると、自分の中で論理矛盾を起こし墓穴を掘るだけですのでやめておきましょう。
 
何よりも「上手そうな人」は寡黙でなければなりません。
 
男は黙ってサッポ○ビールです。
 

最終ステップ:さらば初心者級

さて、「30代からはじめる」と題してやってきましたこのコーナーもいよいよ最終段階です。
なぜ最終段階なのか?
それは、先日知り合いから「そろそろ上手く見せる事より、上手くなる事を考えや」と指摘されたので…。
 
けっして、このhtmlのサイズが大きくなって整理するのが面倒だからではありません。
 
最後に、皆さんをどれだけビリヤード病に感染させる事ができたのかを知る為に、ビリヤード中毒チェック」を受けて頂きます。
いえいえ、難しく考えないで下さい。○×ですから。
 
<質問>
@一桁の奇数を見ると「点玉」と言ってしまう。ましてや電話番号で3579は景気がよくていい。
Aボーリングでスピリットが残った時に、「厚み」を見てしまう。
B最近家の柱を見る目が変った。
C風呂に入らないと気持ち悪いのと同じくらい、玉を突かないと気持ち悪い。
D気が付くと利き腕が「ストローク」している。
Eビリヤード台を買おうかどうしようか真剣に考えた事がある。
Fキューケースに「空き」があると嫌だ。
G木の種類が3種類以上言える。
Hビリヤードの玉のキーホルダーを買った事がある。
I自分はまだマシだと思っている。
 
<結果>○の数
0:釣キチ三平クラス。玉とは全く縁の無い人です。
1〜3:日高透クラス。非常にビリヤードを愛しているが、結果に恵まれない。
4〜5:土門巌クラス。一度ビリヤードから離れるも、病が再発。
6〜7:加納涼二クラス。拘りでキューを作らせる人。
8〜9:織田信介クラス。食前食後にビリヤード。兎に角ビリヤードが好き。
10:ジェフリー・ボイドクラス。人生の全てどころか、家族の人生まで玉にかけています。
 
取敢えず30代にわかりやすい様に、ブイレイクショットの登場人物+αで表現してみました。
なぜ三平なのか?
ただ単に知り合いのビリヤードのプロが釣りのプロを目指しているからです。
 
さて、この文章を作成している2002年1月をもって、私も初心者級を脱皮してC級を名乗ります。
止めるなら今の内です。私みたいなヤツは初心者級のままでいろ!という方。
一言、まだ早いとメールを送ってくれれば、C級を名乗りません。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
お願い、誰か止めて…