第一企画:tomの結婚



 
私の古くからの友人であるtomが結婚しました。
友人としての付き合いは、中学からだが、実は幼稚園も一緒だった。
また、私の妻は幼稚園、小学校、中学校、高校と彼と同じ卒業アルバムを所有している。
 
彼の披露宴では、敢えて口にしなかった事や、時間の関係で省略した事をここで彼に伝えたい。
(いや、彼の奥方に伝えたいのかも知れない)
 
本人は、「控えめな性格」だとか「目立つ事は好きじゃない」と言っているが、実は大嘘である。
その証拠に彼の幼稚園の卒園アルバムの全体写真を見て頂ければわかる。
なんと最前列の中央に位置しているではないか。
幼少の頃と比較されても困る?なるほど、その意見も正しい。
では、高校の卒業アルバムを見て頂きたい。
中央よりややズレた場所で写っている。この時の彼のセリフを私は今も忘れない。
 
「あんまり真中におったら、丁度折り目で顔が変に写るで」
 
どこが控えめな性格なのだろうか?
 
そんな彼と最初に交わした言葉。
私は一生忘れる事はないだろう。
 
電人 :「なんや?こら」
tom:「なんやってなんや?」
 
私達が中学生時代によく耳にした初対面の挨拶です。
その後、同じ中学、高校と進み、青春時代の多くを共有してきました。
 
披露宴で会社の方々が口を揃えて「コンピュータ以外に興味がない」とおっしゃっていましたが、これも間違いです。
女性に興味がない?
とんでもございません。ただ、彼の好みに合う女性が彼に興味を示さなかっただけにすぎません。
 
事実、彼が四国からこちらに帰って来た後、私達は毎週日曜日の朝、一緒に朝食を取っていました。
それが、奥さんと知り合ってからというもの、一度たりとも「行こか?」と誘いの電話がかかってきた事がありません。
また、日頃「携帯なんか必要あらへん」と豪語してしていたのに、突然PHSを購入。
「いや〜、俺の趣味に合うのがやっと出て…」
 
誰もそんな事は聞いちゃないよ。
 
彼は昔から彼女ができると、男友達とは一切連絡を取らなくなります。
そして、絶対に彼女を紹介するという事をしないのです。
 
今回も奥さんと初めてお会いするまで、どれだけ苦労した事か…。
初めてお会いできたのは、彼が鎖骨を骨折し入院した時の事です。
私は、取り急ぎ見舞いに行きました。兎に角「退屈」を連発するので、まあできる限りは顔を出すと言ってその日は帰りました。
翌日、私は外出する用事があったので、その帰りにフラっと彼の病室を覗きました。
すると彼は、私の顔を見た瞬間、「何でお前が来たんや?」と言わんばかりの表情。
 
そしてしばらくすると、病室をノックする音。
そこで奥さんを初めて拝見する事ができたのです。勿論、そこでお名前を教えて頂けるわけでもないし、「さっさと帰れ」とまで言う始末。
その後、奥さんとは結婚式まで3度しかお会いする事ができませんでした。
そう、4年半の間に合計4度。そして、お名前を知ったのは今年の正月です。
 
そんな彼をテレ屋さんと呼べばよいのか?
しかし、そんな性格が影響して、タマに微妙に真実を曲げて、人に伝わる事があります。
 
彼が先の怪我で入院した初日の事です。
 
tom:「退屈でしゃーないわ」
電人 :「なんぞ、家から取ってきたろか?本とかゲームとか」
tom:「それやったら、ゲームボーイカラー買うて来てぇな」
電人 :「かまわへんけど、ゲームは何がええねん?」
tom:「ピカチュウが付いてるポケモンがええわ」
電人 :「ほな、買うてくるわ」
tom:「あっ、ACアダプターも忘れんといてな」
 
彼の結婚披露宴で私のところにご挨拶に来て頂いた、同僚の方からこんな話しを聞きました。
 
「いつも、お話は聞いてますよ。『人が入院したら、ゲームボーイカラーを買うて来る様なヤツがおる』って」
 
買いに行かせたのはお前だ。
どうせなら、何色がいいのかまで指定してくれれば、お店で「何色がいいですか?」と聞かれてドキドキしなくてよかったのに…。
 
いくら友人とは言え、インターネット上であまり君の話しを暴露すると、逆に私の話しも暴露されそうなので、ネタを選ばなければならないのが難しい。
これくらいが限界だろうか?
 
いや、まだある大丈夫なネタがあった。
 
もう時効だから大丈夫だろう。
実は彼は…。
あっ、何だ貴様。
何をする。
 
ボコ!ドカ!ドス!
 
 
 
 
 
tomは、とてもいいヤツです。
 
 
 
 
あっ、何を勝手な事を書いているんだ。
 
バシ!バシ!バシ!
 
 
 
 
 
だから、ここに書いてある事は全部嘘です。
プチッ!(電源オフ)
 
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