−でも怒っちゃダメだよ−
大川興業『業業業』感想付け足しとハウス加賀谷氏の退社に思ったこと(2001/02/11記)

まきざっぽ氏の大川興業『業業業』の感想を読みました。大川布教した甲斐があったわ〜 私の書いた感想よりもっと良くまとまっているのであちらを読んでくださいませ。 氏の感想の中に、私が書きそびれた事柄が載っているので引用。 “そんな中、対人恐怖症がひどい下丸子は、それでも東條に会いたくてやってくる。 飲みましょうという東條に、下丸子は「半径2m(?)以内に人がいるだけでダメだから一緒に飲みに行けない」と いう。しかし、東條は「じゃあ、離れて乾杯しましょう」と一緒に飲みに出かけるのだった。” ここでフツーなら「(無理矢理)隣同士になって飲む」か「行くこと自体をやめる」という どちらかの方法を選択すると思うんだけど、 そうではなくて「離れて−乾杯する」というどちらにも適う折衷案を出すところが このお話で私が一番感じ入ったところでした。 (ラスト周辺の「殺人者のDNAを活かす」ところも根っこは同じだけど。同じ主題の繰り返し) 「できない」からといってあきらめてしまうのではなく、しかしムリヤリでもなく歩み寄ること。 「お互いの違いを認め合って」なおかつ「共存しよう」とするところがイイんですよね。 これって人と人との間でとても大切なことだと思うし。
話はかわりますが、大川興業の構成員もこの下丸子さん(ヨシオ)のように
「不器用」な人が多いような印象です。
普通のサラリーマン(カタギな生活)には成れないっつーかね。
メンバー全員そうなんだけど、特にハウス加賀谷は大川で救われたという印象が強かったので
今回の病気による退社はショックでした。

あまり詳しいことは私は知らないのですが、
加賀谷君は厳しい家庭環境と受験のストレスが原因で若い頃から精神病院に入院してたそうなのです。
(その時居たのが「○○ハウス」という名前だったので芸名が「ハウス加賀谷」)
仮退院していたときに大川のオーディションを受けたのですが、そこで総裁にナイフを向けました。
総裁は加賀谷を危ないヤツだと感じたのですが「こういう奴をほっといちゃダメだ」と
「合格」にして入社させたということで…。
(このへんのいきさつは大川豊『金なら返せん』シリーズ(ぴあ/幻冬舎文庫)に載ってます)

入社してからも薬は飲んでたらしいですが松本ハウスとコンビを組みお笑いをすることで
社会復帰していました。でも、薬が肝臓にきたらしくここ1年ほど入院していて、
結局体調が戻らないということで今回の退社となったらしいのです。
#こんなことなら無理してでも去年のトークライブ見とけば良かったよう;

病気の人が、それでも(逆にソレを活かして?)社会復帰するということは大切で、
でも大変でなかなかできることではありません(とくにココロ関係は難しいっす…まだまだ偏見強いし)
それをやってた加賀谷君はある意味わたしのアコガレでした。だからこそ今回の退社も悲しいんだけど
生きてるだけでも(死んでしまうよりも全然)いいことだからそれは仕方ないです。
命あってのモノダネだから。“死んだ王様よりも生きた乞食がいい”って誰の話だっけか。

…まあ、できれば、また戻ってきてお笑いをはじめてほしいんだけどね(あくまでも個人的希望)
まずは加賀谷君迫真の演技の本公演『自由自』のビデオでも見返そうと思います。

今回のタイトルは昔の本公演『全身全霊』の加賀谷セリフより。
知恵遅れ(?)で、江頭をなだめる役でした。これがまた泣けるんですが…。
#この時は逆に虐待する役も演じててそれも迫真の演技でスゴかった。本当は凄い頭の良い人だと思います。紙一重(おっと)

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