6.石本美由起
〜日本のふるさと、夢、憧れ、哀愁を詠う〜
昭和30年代の歌謡黄金期の代表的作詞家です。
コロムビアの花形歌手たちに多数のヒット曲を提供しました。
歌詞の特徴として、日本のふるさと情景に哀歓をかぶせるのにすぐれています。
たとえば「柿の木坂の家 」において
♪春には柿の花が咲き 秋には柿の実が熟れる 柿木坂は駅まで三里♪と情景を詠い、その後に ♪思い出すなァ ふるさとのョー♪ と感情が入ります。
また「ソーラン渡り鳥」では
♪津軽の海を越えてきた ねぐら持たないみなしごツバメ♪ の後に ♪江刺恋しや ニシン場恋し♪ と感情が入ります。石本美由起の歌を聞くとき、唄うとき、このあたりに共感をおぼえます。
歌の詩風はジャンルが広くて、一言でいうのはむずかしいが、しいていえば、やはり、日本のふるさとの情景や心が根底にあって、夢や憧れが歌になっているというところでしょうか。
岡 晴夫・・・・「憧れのハワイ航路」
小畑 実・・・・・「長崎のザボン売り」
伊藤久男・・・「ブラジルの太鼓」 「オロチョンの火祭り」
美空ひばり・・「ひばりのマドロスさん」 「港町13番地」 「鼻唄マドロス」
「哀愁波止場」 「悲しい酒」
島倉千代子・・「逢いたいなアあの人に」 「東京の人よさようなら」
「十国峠の白い花」
青木光一・・・ 「柿の木坂の家 」 「僕は流しの運転手」
こまどり姉妹・「浅草姉妹」 「ソーラン渡り鳥」
都はるみ・・・・「馬鹿っちょ出船」 「おんなの海峡」
神戸一郎・・・・「十代の恋よさようなら」
北原謙二・・・・「若い明日」
細川たかし・・・「矢切の渡し」
五木ひろし・・・「長良川艶歌」 その他多数
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