美空ひばりが平成元年(1989年)6月24日に亡くなってから今年が丁度27回忌とのこと。
美空ひばりの歌のうまさ、すごさについて私なりの思いを述べさせていただきます。
1.オリジナル歌唱を貫いた
私が一番評価するところで、テレビや舞台で歌うとき、レコードの歌唱そのままに全く節を変えることなく唄い続けたことです。どのビデオテープを見ても唄い方は皆ーんな同じです。そのため聴取者は違和感なく心地よく鑑賞できます。一般の歌手にはなかなかできないことと思われます。まさにプロ根性の表れです。
(例) 悲しき口笛、越後獅子の唄、花笠道中など過去すべての曲
2.歌唱法は完璧
音程、リズムは正確でブレることはなく、歌詞の発音も実に明瞭です。特にスローな曲にその特徴が表れています。聴取者は安心して自然な気持ちで鑑賞できます。
(例)悲しい酒、ひばりの佐渡情話、愛燦々
3.歌に合わせて七色の声が出る
八代亜紀さんや五木ひろし氏がおっしゃっていましたが、歌に合わせた声質を出しています。得意のファルセット(裏声)を始めとし、女性の繊細な声、やくざ若衆の粋でドスの利いた声、はたまたマドロスさんの明るく活気のある声など様々です。感情表現が豊かになり聴取者を魅了します。
(例)りんご追分、柔、港町十三番地
4.歌唱で観客を惹きつける
七色の声とともに音の強弱、声質(哀愁、活気、甘い、可愛い、茶目っ気・・・など)で歌に変化をつけて聴衆を惹きつけます。
例えば、立食パーティなどで会場が多人数の人声でザワザワしていても、一度(ひとたび)ひばりの歌が聞こえれば、会場はシーンとなり思わずその歌声に耳をそばだててしまうでしょう。
(例) 真っ赤な太陽、乱れ髪
※分析すれば、まだまだ うまさ、すごさはあるのですが一度では言い尽くせません。