99.4.25
梅干し

今日は訳あって部屋の配置換えをした。朝10時に始めて、重いベッドや録音器材、楽器等を移動するのだがお昼になってもう動けないぐらい腹ぺこになった。年に1、2回は大掃除でこうした状態になるのだが、お昼に相方がおにぎりを作ってくれた。玄米のおにぎりと白米のおにぎりが1個づつ、それに梅干しが1個である。白米おにぎりをたいらげ、玄米おにぎりにかかったところで梅干しを口にした。そのとき、なんと表現したらよいだろうか、一瞬にして疲れが飛んでゆき、気力が回復してくるのが感じられた。 梅干に含まれるクエン酸が疲労回復に効くと言われているが、そういう科学的な現象ではなく、DNAに刷り込まれた遠い記憶のようなものが一瞬脳裏をかすめ、脳が身体中に「さあ午後も頑張るぞ!!」と気合いをかけたのである。
私はそのとき、ある情景を思い浮かべた。それは実体験ではないが、どこで見たのか、おそらくテレビか映画のシーンだったか、田圃で野良仕事をしていた夫婦がひと休みしてあぜ道でお昼の弁当を食べる情景である。
こういったシチュエーションに相応しいおかずは梅干しを置いて他には無い!!理屈無しにこれが納得できたのである。
そして音楽に於ける梅干しと言ったらこれを置いて他には無い!!
相方が急いでラジカセのSWを入れてくれる。間に合った!!ながれてくるのはNHKラジオ第一の正午のニュースの後にやる「昼の憩い」のテーマ曲であった。

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