2000.4.23
ミュジハラ

今年の正月は年末にひいた風邪を持ち越し、殆ど家にこもっていた。パソコン仕事をしていると横で相方がチャイコフスキーの白鳥の湖の(4羽の小さな)白鳥が踊るシーンの旋律で鼻歌を歌い始めた。「うわっ、やめて!!」私は思わず叫んでしまった。チャイコフスキーに恨みは無いし、白鳥の湖を否定する気は毛頭無いのだが、この旋律だけは身の毛がよだつのである。
なぜ?子供の頃見たテレビで放送されていたコンサートの白鳥の踊りが気色悪かったからである。仕舞いにはこの旋律を耳にする度にその光景を思いだしてしまうのである。振り付け師には気の毒だが、気色悪いのはどうしようもない。
皆、身の毛がよだつ旋律はひとつかふたつはあるだろうか?
相方は面白がってその鼻歌をやめようとはしない。「それって音楽的いやがらせ、ミュジハラだよ!!」(ミュージック ハラスメント)
それにしても嫌な思い出と結びついてしまった音楽の不幸さを考えるとなんとも哀れである。

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