野口 剛夫 指揮

4台のElectoneと
electronic percussionによる


(エレクトーン)
西山淑子 橘光一
宮原左智 森田沙織

(パーカッション)
沖 雄一


野口氏による意欲的な企画である「最新エレクトーンによるブル9」演奏会のライブ録音。

以下 CDより野口氏の解説の抜粋

私は以前からブルックナーのオーケストレーションの改訂を試みてきた。これは、作曲家がオーケストラのための原曲を書いたことを尊重しつつも、現代の演奏家の視点からオーケストレーションの改善するべき箇所は改善していこうという考え方である。それはそれで、今後とも興味尽きぬテーマとして継続していきたいと思う。
しかしその一方、ブルックナーの場合、箇所によってはその音楽のアイデアそのものが、どうもオーケストラには荷が重い、オーケストラを越えている、と感じさせられてもいた。
作曲家が当時、楽器法に不慣れであったとか、楽器の性能をはるかに越えた楽想を抱いたと思われる箇所は、思い切って別の演奏媒体、現代の技術の粋を尽くした多様な演奏能力を備えた楽器にして初めて、作曲家の意図が開花するのではないかという予感を抱いたのだった。

最近は、パイプオルガンでブルックナーの交響曲を演奏することも行われれている。しかし、それが正しいとするなら、当時ブルックナーがなぜオーケストラを使ったのかがわからなくなる。 私は最新の発達したエレクトーンの機能は、オルガンとオケの長所を併せて有していると評価したい。この楽器に、私は「より幸せなブルックナーの響き」という夢を託したのである。




実演に接した感想は以前「演奏会雑感」に書いた通りです。

実演では目の前にエレクトーンがあるため 「エレクトーンが鳴っている」とうあたりまえの感覚がありますが、今回このCDを通して聴くと エレクトーンでもオケでもない独特の音楽が聴こえており野口氏の意図がより明確に浮かび上がっているようです。
また それはエレクトーンの音を忠実に捉えた優秀な録音による効果も大きいと思われます。

なかなか 聞き応えありますよ このCD。 ぜひ 皆さんにも 聴いていただきたいと思います。
一般のレコード屋では販売されていないと思いますが、ご希望の方は野口さんまで問い合わせください。

尚 この企画は第2回として2000/7/22に「8番」が演奏されており 第3回は「7番」という噂(?)もあります。
こうなったら「全集」までいって欲しいな〜〜なんて 。。(^^ゞ