チケット代を考える

 この間「プロ野球ニュース」を見ていたらおもしろい話題が出ていました。別に僕は野球ファンという訳ではないのですが何となくフジテレビを付けっぱなしにしていたのです。何だか海の向こうの大リーグでは二人の選手がとてつもないハイレベルでホームランキングを争っているそうで、入場券なんてあっと言う間に売れてしまうんだそうです。

 そこで球団関係者は考えました。「これだけ売れるんだったらもう少しチケット高くしても売れるにちがいない。大儲けのチャ〜ンス。」本当にそう思ったのかどうかは知りませんが入場料の値上げが即日実施されたそうです。それにも関わらず相変わらずチケットは売れまくり、球団関係者は笑いが止まらないそうな。日本では考えられない話ですね。アメリカのやり方が全て良いとは思いませんが、いかにもアメリカっぽい実話だと思います。

 そのアメリカでミュージカル(に限らず)のチケット代ってどうなってるんでしょうか。当然ですけど人気のある公演に関してはお値段は下がりません。そればかりか劇場の周辺には私的にチケットを売りさばく人(通称ダフ屋)も出てきて結構高値で売りさばいているようです。それに比べて当日になってもチケットの余っている公演については当日割引という事でディスカウントして売り出されています。まあ劇場の立場としても空席があるよりは少しくらい安くしても座席を埋めた方が収益の改善になりますし、役者さんの方もお客さんが多い方がやりがいがあるというもんです。そういえば日本ではミュージカル公演にダフ屋が出てる所って見たことないんですけど。赤坂ミュージカル劇場の前のダフ屋さんってだいたい赤坂BLITZ関係ですしね。千秋楽公演でも見ませんでしたねえ。

 気になるお値段の方は「Les Miserables」の場合で通常の公演は15ドル〜70ドル位。特別な日(クリスマスとか年末年始とか。さすがにお盆は関係無いらしいです(笑))は少し上がって一番高い席で85ドル位になるようです。このあたりの「特別な日はチケット代が高くなる」っていうのもいかにもアメリカ的発想ですね。日本円にすると今は円が安くなってますんで通常期で2000円〜10,000円位といった所でしょうか。日本のミュージカルは高いと思っていた方、四季のチケット代も円安だとまあ遜色ないレベルになりましたね。。

 なんて事で満足してちゃいけないんですよ(笑)。売れている公演ならまあ良いでしょうが、チケットの余っている公演については日本では何の配慮もしてくれませんね。当日になってもチケットが余っていれば多少安くして売りさばけばいいと思うんですが。それをしない理由っていうには多分通常料金で買って頂いたお客さんに申し訳ないっていう理由だと思うのですが、もうそういう事を配慮する時期は過ぎたんじゃあないでしょうか。チケットが余ったら安く売って客席埋めて少しでもお客さんを入れて損益と劇場の活性化に努める。これが資本主義の中での需要と供給の原則ですよね。見ている方だってがらがらの座席で見るよりは少しでも埋まっていた方が気分良いでしょうし。

 でもまだまだいるでしょうね。自分が1万円出して買ったチケットが当日劇場に行ってみたら5千円で売られていると怒り出す人。確かにちょっと悔しいかもしれませんけど、まあ早く購入した分だけ見やすい座席で見られる訳ですし、そこはちょっと我慢して頂くと有り難いのですが(笑)。

 通常料金でも東宝ミュージカル。ちょっと高過ぎません?最近の公演なんてS席1万4千円ですよ。多分円安なんでロイヤルティの支払い(通常は外貨払い)とかあって高めに設定したと思うのですが、それにしてもひどすぎますね。チケット代ってかかる経費とチケットの予想売り上げ枚数あたりから決まるらしいんですけど、東宝さんはどの位チケットが売れるという設定をしているんでしょう。噂によると客席が半分埋まれば埋まれば採算が取れるという設定にしているという噂もあります。ホントかどうかは知りませんが、そんなに販売に自信が無いのでしょうか(笑)。

 A君はB子ちゃんに恋をしてしまいました。B子ちゃんはとてもミュージカルが好きだという事を知ったA君は自分が見た事の無い「MY FAIR LADY」のチケットを買ってデートに誘おうとしました。B子ちゃんの為に少しでも良い席をとってあげたい。そう思ったA君はS席を2枚購入したのですが、なんとにまんはっせんえ〜ん!。観劇のあとでワインを飲みながらちょっとおしゃれな食事をしたのですがチケット代と合わせるとなんとよんまんえ〜ん!。A君には下心もあったのですが(笑)さすがにそこまでは財布がもたず、とぼとぼと帰宅したそうです。
 まあこれはまったくの作り話ですけどこの値段設定はちょっと辛いですね。せめてチケット代は一番高い席でも1万円以内に抑えて欲しいものです。それに少しでも安くしてくれればリピーターの観劇回数も増えて動員数も改善されるのではないでしょうか。

 余談ですがこの文章を書いている時点(9月2日です。多分アップするのは9月5日頃でしょうけど)で東宝のサイト、トップページには「MY FAIR LADY」絶賛前売中となってるんですが、中身を見ると11月8日前売開始というメッセージが。東宝さん、ちゃんと更新してよ。前は「屋根の上のヴァイオリン弾き」へのリンクバナーが2つ並んでましたし(笑)。
 9月4日には直っていました。誰かが教えてあげたのかな?

 ちょっと注目していた「ライオン・キング」のチケット代はとりあえず四季の標準価格(?)に落ち着きましたね。多分四季はチケット販売率相当高く見ているのではないでしょうか。普段四季に文句ばっかり言ってますけど、この辺はもっと高く評価されてもいいですね。でも「美女と野獣」札幌公演、チケット売れないんだったら千円づつでも下げてしまえばいいのに。浅利さんが出てきて「既に買ってしまった方には大変申し訳ないのですがチケットの売れ行きが悪く、安く提供する事にしました」って言ったらチケット持ってる人、許してくれないかな。北海道は経済状態も大変な様子ですので真っ先に削られるのは娯楽費という事でしょうか。

 まあ前売期間中のチケットについてはそんなに簡単に値段は変えられないでしょうが、余っている場合の当日券の扱いっていうのは是非とも考えて頂きたいものです。どうせだったら満員の客席で素晴らしい舞台を見せて欲しいですから。。

(98/09/05)
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