仮想オークション

 「落札」というあの印象的な声から始まる「オペラ座の怪人」。チケットの売上も絶好調のようでまだまだ公演が続きそうですね。懸念事項といえば仮設劇場である赤坂ミュージカル劇場の使用許可がいつまでおりるかという事でしょうか。最初の仮設劇場での公演であった「新宿CATS」の使用延長許可がどうしてもおりなかった(仮設劇場の使用許可は原則として一年毎の更新だそうです。)事を考えると演劇に対する行政の見方もだいぶ変わってきましたね。ただイギリス等の「文化」として根付いている国々に比べれば補助金等まだまだ遅れていますけど。まあ国が金を出せばいいというもんではないでしょうが、訳のわからない補助金をばらまく位だったらもうちょっと「文化」とか「スポーツ」に回せばいいのにと思ってしまいます。

 あの「オペラ座の怪人」の冒頭のオークションのシーンですが、個人的には数あるミュージカルの中でも一、二を争う魅力的な始まりだと思うんですけど、シャンデリアが上がって行くのを見ながら時々心の中で下らない事を考えてしまいます。

「あの猿のオルゴール、落札価格以上にお金払うから僕に売ってよ!」
そんな事思ってしまうのは僕だけでしょうか。でもあの音楽が鳴るんだったら2万円位だったら絶対に払いますね。この金額って結構「ケチ」でしょうかねえ(笑)。もしかしたらマニアだったらその10倍位払ってもいいという人もいるかもしれませんね。さすがに100倍払う人はいないかな。もう一つの目玉商品であるシャンデリアは落札しても置くところがないですねえ。落ちてきたら怖いそうですし。日本の場合はファントムより地震のほうが怖いですね。

 「ファントム」だけでなくミュージカルには大小含めて色々な道具が使われていますよね。舞台装置なんていうのは無理でしょうけど、小道具位だったら年に一度位オークションでもやってファンサービスするのもいいかもしれません。ただ世の中には熱狂的なファンっていうのが絶対にいるのでとんでもない金額になってしまいそうですけどね。ちょっと前に終わってしまいましたが「ハンマー・プライス」という番組、僕時々(月に1回位かな)見てましたけど、あの番組見てても「なんであんなもんが?」というような物が結構な値段で落札されてましたもんね。ファン心理というのは凄いですね。

 「ファントム」の中ではやはりあの仮面が一番人気でしょうね。ところであれよく落ちませんよねえ。「美女と野獣」の変身シーンの次位に不思議です(笑)。さてこの仮面にはいくら位のお値段がつくんでしょうか。テレビの「お宝鑑定団」でも言ってますけど、ちゃんと箱があるとか保存状態が良いとかプレミアがあるとかが高値の付く条件なようなんで、ここでは「古い仮面であの山口祐一郎さんのかぶっていた仮面」なんていう設定にしてみましょうか(笑)。さてあなたならいくら払いますか?まあ僕個人的には山口さんだからどうという事はありませんが、これきっと超人気商品になるんではないでしょうか。裏にサインなんか入っていたら100万出しても買えないかもしれません。このあたりは「メッセージ・ボード」にいつも書き込んで下さる山口組の方のご意見を是非とも伺いたいものです。

 「ファントム」ではあと象の着ぐるみ(?)とかボートとかローソクとかありますけど、まあ仮面の人気にはかなわないでしょうねえ。誰ですか?ファントムの地下室にある格子を買い取って会社の上司との間に置きたいなんて言っているのは。って僕それ欲しいな(笑)。まあ上司なんていうものは地下室に閉じこめておくのがいいようです。

 さてお次の商品は「レ・ミゼラブル」からただの紙切れ16枚組です。えっ?そんなもん買う奴いないって?まあそう言わずにちょっと聞いて下さい。実はこの紙切れは鹿賀丈史さんが舞台上で破ったといういわく付きのしろものでして、破られた16枚をジグソーパズルのように組み合わせると実は「黄色い仮釈放書」になるんですよ。お客さん、こんな出物なかなかございませんぜ。それでは5千円からスタートしましょう。ってこんなもんホントに売れるのかと思いますけど、結構売れちゃったりして。舞台で破っているのは(多分)ただの紙切れだと思いますけど、芸が細かければ本当に「仮の釈放書」が印刷されているかもしれません(笑)。僕ならタダでも要らないですね。だいたい整理悪いんでどこかにいっちゃうでしょうし。。

 「レ・ミゼラブル」からはやはり「銀の燭台」でしょうか。あの燭台、劇中で何度も使われるんで、もう何代目かになっているかもしれませんね。気になるのはその素材ですけど、本当に銀で出来ているんでしょうか。基本的にはまずそんな事ないんですけど、もしかしたらと思ってしまいます。案外公演が終わると帝劇の金庫に保存されてたりして(笑)。まあ燭台位だったら飾っておいてもいいですし結構な高値がつきそうな気がします。僕個人的には仮釈放直後にバルジャンが持っているあのショルダーバッグが欲しいですね。あれ普通に使えるような気がするんですけどね。使えそうもないものとしては「赤い旗」かな。テーブルクロスにしても派手そうですしねえ。お金の使い道に困っている方はあのバリケードを買い取るのもいいかもしれません。ただあれ、油圧で動くらしいんで、部屋の中に舞台機構でも作ってしまわないとおもしろくも何ともないかもしれませんけど。

 でも僕が一番欲しいのが「CATS」の一番最初で使われているあの「眼鏡」ですね。あれだったら3千円位払ってもいいかな。あれって原宿あたり(?)で売っているような気がするんですけどねえ。どなたかご存知の方がいらっしゃったら教えて下さい(笑)。なんか今回はお金の話が多くて僕の金銭感覚がわかってしまうようですねえ(笑)。「CATS」と言えば物では無いですけれどあの「タイヤ」に乗って見たいと思う人は絶対僕だけじゃあないと思います。「グリザベラになってタイヤ経由天上に上れる権利」ってオークションにかけたら結構高値がつくんじゃあないかなあ。まあ舞台ですから「天上」というよりは「天井」っていう感じですけどね。

 忘れてならないのが「美女と野獣」の「薔薇のカプセル(?)」。これからどんどん秋も深まっていきますんで、女性の方は「この花びらが散ってしまったら私も○○になるのね」などとヒロインチックになるのもいいかもしれません。(○○の中にはご自分の好きな文章を入れてみて下さい(笑)。)でもあれなら何度でも咲いてくれるんで、置物にもいいかもしれませんね。あとホントにオークションできそうな物として「ビアカップ」。あれは消耗品みたいで、赤坂ミュージカル劇場にも使用済みのものが飾ってありましたよね。あんなのでもオークションにかければ結構な値段がつきそうな気がするんですけどね。

 ここの欄はミュージカルにあんまり縁の無い方でも読めるようにできるだけ知られている演目や一般的な話題をテーマにしていこうと思っているのですが、今回はちょっとだけマニアックだったかもしれません。最後まで読んで頂いてありがとうございました。

(98/10/03)
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