四季劇場を斬る(笑)
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 何か最近急に寒くなりましたね。なんか関東地方でも雪が降ったところがあったとか。僕の住んでいる所は三浦半島の先っぽで結構温暖な気候なので雪なんかほとんど降らないのですが、それでもとても寒かったです。12月に入って何かと気ぜわしいですが、体には気をつけてミュージカルを楽しみましょうね(笑)。

 「アルプ」12月号を読みましたが、「がんばれ、けいた君」、いまいちつっこみ甲斐がなくて残念でした(笑)。でもいかにも文体はけいた君の文体で、細かく見るといろいろ言いたい事はありますけど、今回はやめにして来月を期待する事にしましょう。

  さて前回は「JCS」の感想を書きましたが、今回はその「JCS」を上演した四季劇場のお話です。四季の関係者も四季のファンの人たちも心待ちにしていた待望の新劇場という事で、おおいに期待してました。それにこの時期に作る新劇場という事で、今までの劇場の良い点、悪い点等が考慮されて理想に近い劇場ができるんじゃあないかなあと個人的には思っていたので、僕も結構期待してこの日を待っていたのですが、どうもいろんな情報を聞いていると良い印象を聞かないんですよね。感じ方にも個人差はあるにせよ、ちょっと異常です。というわけで「この目で確かめてやる。」という思いを込めて劇場に向かったのでした(笑)。

 この日(11月26日ソワレ)は結構仕事が忙しく、間に合うかどうか不安だったのですが、実はこの劇場、僕の会社からだと結構近いんですね。浜松町の改札に6時40分位についてしまって楽勝でした。で、劇場まで歩いたわけですが、なんか「華」がないですね、この界隈。歩いている間なんにもないですし、劇場のそばにあるのは学校とオフィスビルですしね。なんか暗い中をとぼとぼ歩いて行くっていう感じで、これからお芝居見に行くという一種の「高揚感」みたいなものがなかったですね。まあこれは一種の贅沢でしょうが。そういう意味では日比谷とか青山っていうのはそれなりの雰囲気があって良いですね。

 でなんか狭い道を通って劇場に来たのですが、外から見た雰囲気はまあまあ合格という所でしょうか。新しい劇場といった事もあってまわりも小ぎれいですしね。本当は噂の「ダフ屋」を見たかったのですが、この日はいなかったようです。残念。ロビーの横にちょっとしたカフェがあるようですが、あれが噂の「ソフトドリンク一杯500円」なんでしょうか?この日はカフェに寄るほど時間がなかったので行けませんでしたが、外から見るカフェはガラガラでしたけど。でももしホントに「一杯500円」ならちょっとひどいですね。ドトールコーヒーにでも出店してもらったほうが良いかもしれません。でもあの立地だと開演前位しか需要がないでしょうからちょっと無理かな。

 メインエントランスを入ると、そこは[春]、[秋]共通のクロークになっています。ここは吹き抜けで結構空間としては快適なんですけど、ちょっと狭いんじゃあないかな。今は[秋]だけなんで余裕があるみたいですが、[春]もオープンして一度に2千人以上の人が押し寄せたらちょっとつらいんじゃあないかな。待ち合わせなんかだとこの季節はエントランスの中じゃないと寒くてしょうがないですしね。

 開演10分位前に入れたもので、1階席から3階席まで全部見て来ました。スーツを着て、いかにもサラリーマンらしいカバンをもってうろうろほっつき歩いていた不振人物を見かけた方がいらっしゃいましたらそれは僕です(笑)。

 で第一印象。「安っぽいぞぉ(笑)。」壁とかをちょっと叩いてみたんですけど、なんか安普請ですねえ。10年で壊すとかいうウソかマコトか知らない噂が飛んでますけど、確かにうなづける部分がありますね。結構な手抜きという感じで。外側は立派なんですけど、内側はちょっとがっくりという感じでした。

 座席に関してはまあ、あんなもんでしょうねえ。狭いとか前の空間が狭いとかいろいろ贅沢を言えばキリはありませんけどまあしょうがないですね。あとロビーは狭いですねえ。せっかくの常設劇場、もうちょっと贅沢な空間があっても良いと思うのですが。なんかパンフレット売ってる所とか受付とかごちゃごちゃしています。狭いといえば恒例の(笑)「トイレ」。始めて見ました、男性用トイレの行列。1階の男性用トイレには便器が3つしかないんですよ。2階席のトイレはもうちょっとありましたが、構造的に1階の客はほとんど1階のトイレを利用するでしょうから、ちょっと数が足らないですね。なんか客席以外のスペースはぎりぎりまで削ったっていう感じになってしまってます。もうこのあたりから青山劇場がなつかしくなってきました(笑)。帝国劇場でさえ(失礼!)まだましです。

 今回の僕の座席は1階最後列に近い所のセンターだったのですが、そこの座席からはきちんと舞台が見渡せました。また音響もまあまあで、舞台に集中して見る事ができました。1階席もいろいろとほっつき歩いてみましたが、特に「アラ」は見あたらず、どこの席からもきちんと舞台を見る事ができました。う〜ん、噂はやっぱり噂にしか過ぎなかったのかなあなどと思っていたのですが。。。

 さて、問題の2階席ですが、これはちょっと、というより相当いけませんね。2階席も前の方はきちんと見えるのですが、最後部から見ると舞台の上半分がまるで見えません。僕は公演中はさすがに(笑)2階席からは見る事ができなかったのですが、JCSのあの素晴らしい舞台が上まで見えないんですよ。要は天井が低い上に奥の方まで座席を作ってしまったんでこんな事態になってしまってるんですね。これでは2階席奥の座席の方は相当不満がたまるでしょうね。特に「JCS」なんて舞台の上の方が見えないとおもしろさも半減ですからね。多分フラットな舞台の時はそこそこ見えるんでしょうけど、「JCS」とか「エビータ」のような舞台だと上の方にいる役者さんは足下しか見えないんではないでしょうか。

 もっと問題なのが3階席。本当に舞台を見下ろすという感じでちょっと怖い位です。あそこからだと表情もへったくれもないですね。頭のてっぺんだけ見えるっていう感じです。実際に見てはいないんで、どういう風に見えるかは想像でしかないのですが、どうやっても良い想像は出来ません。そういえば四季はあの3階席を「バルコニー席」とかいう名称でC席より高い料金で売り出すみたいですね。知らない人が見たら結構良い席なんじゃあないかと勘違いしてしまいますよね。

 という訳で念願の専用劇場として誕生した「四季劇場」ですが、やはりあまり良い印象は受けなかったです。「アルプ」で浅利さんが日生劇場とか青山劇場の経験を生かして新劇場を建設したとか言っていましたが、いったいなんなの?という感じです。これから席を取ろうとする方、B席とC席とバルコニー席はやめておいた方が良いと思います。でもいろんな所で悪口が書かれているようですけど、四季も「「2階席の後方とバルコニー席は演出によっては見えないところがあります。」位きちんとアナウンスした方が良いと思うんですよね。こんな事でまた四季の評判が悪くなってしまったら一生懸命舞台に立っている役者さん達に申し訳ないです。

(98/12/5)