タナボタ企画「貧血鬼ドラキュラ」(12月24日)

 今年も残す所あと5日間になってしまいました。皆様にとってこの今年はどんな年だったのでしょうか?景気も落ち込んだまま浮上せず、世の中結構大変な年だったようです。僕の会社もご多分にもれず、サラリーマン生活で始めてボーナスの支給額が前年よりも下がってしまいました。まあもらえるだけでいいという話もありますが。ただ私生活のほうでは、このサイトを開設してたくさんの方に来て頂き、お知り合いになれて幸せな一年だったと思っています。

 さて、この「徒然草」もネタが無い〜!と悲鳴をあげつつも何とか今日まで続ける事ができました。今年の更新はこれで最後です。まあ来年もなんとかなるでしょう(笑)。という事で本年最後の話題は、暗い世の中を吹き飛ばせ!という期待を込めて(?)タナボタ企画の「貧血鬼ドラキュラ」の感想です。

 タナボタ企画はいつも見たいと思っていたのですが、残念ながらチャンスに恵まれず、今回が始めてになります。で、席にすわって感じたのが「男がいない(笑)。」四季なんかで女性だらけの客席には慣れているつもりだったんですが、本当に男性がいなかったです。「数えるほどしかいない。」っていう言葉の意味を真に理解した一瞬でした。多分20人もいなかったです。一人目立つ男性がほっつき歩いているなあと思えばこれが忠の仁さんだったりします(笑)。スーツ着てコート着たサラリーマン風の男(僕の事です。)なんてまるでいなかったですね。いつもこんな感じなんでしょうか?それとリピーターの方がほとんどみたいで、初見の僕にとってはなんか異邦人みたいな感じになってしまいました。変な表現だけど伝わるかな?

 で、肝心の舞台ですが、期待通りに楽しませてくれました。なんか言葉遊びとストーリーの展開を見ていたら、昔の「夢の遊眠社」の舞台を思い出してしまいました。ただ、ロックオペラとストレートという違いがあるので、言葉遊びとねじれたストーリー展開については遊眠社のほうが上手ですけどね。でもあれだけのストーリーを曲にのせて進める技量はさすがですね。多分、リハーサルの時にどんどん台本が変わっていったんでしょうね。なんか楽しい稽古が想像できるようです。

 今回の一番のお勧めは田中利花さん。いやすごいわ、この人。あれだけアクの濃い岡ちゃんと林さんに一歩もひけをとらないどころかもう凌駕してます。僕は(多分)田中さんを見るのは始めてだと思うのですが、いいですよぉ、田中さん。出てくるだけど何かが起こりそうな気がしますもん。歌もソウルフルなナンバーからぶりっこナンバーまで何でもござれという感じ。最初の「売血人」の時はなんじゃこの人は。と思ったのですが、その後はもう(良い意味で)びっくりしました。

 で田中さんと同じ位びっくりしたのが「禅ちゃん」。いやあ、石川さん、あちら側の世界に完璧に行っちゃってました。さすが役者さんですね。何人かの方が掲示板に書かれていた「石川さんの涙」っていうのがよくわかりました。あれ、絶対涙ですね。僕、石川マリウスって印象が凄く薄かったんですが、やっぱりあれは役のせいなんですね。蜜蜂禅ちゃんといい、母親禅ちゃんといい、魅力爆発!そのくせ、あの「涙」のシーンでは観客のほうも泣かせてくれる。たいしたもんですね。ところで禅ちゃん、城みちるに似てません?

 いっちゃってる役者さんが多い中で「私はまともよ〜!」という主張をしてそうな割には全然まともじゃあないといった感じなのが幸さん。外見の清楚さという大きな武器を持っているがためにタナボタの毒牙にかかってしまったという感じですね。1幕が終わった後、舞台裏に引っ込めなくてウロウロしている時の照れたような表情がすごくキュートでした。

 肝心の岡ちゃんと林さん。だいたい期待通りという感じでした。どうせなら林さんにはマイクロミニでも着て欲しかったですね。岡さんのマイクロミニは妙にはまりそうな感じがするので逆に見たくないなあ。林さん、男役よりも女装シーンのほうがやたら張り切っていた印象を受けたのは気のせいでしょうか。そういえば岡さんのドレスの布地、普通のドレスの何着分位あったんでしょうか。2幕の最初に出てくるのですが、あれは絶対本人楽しみまくってますね。そうでないとあんなに楽しい雰囲気にならないですもん。

 あと不思議な印象を与えてくれたのが、ほとんど全編を通して出てくるダンサーの方。あれ、結構大変なんじゃあないかなあ。でもあの踊りがあって舞台が引き締まっているという感じで妙に舞台にマッチしてました。

 歌のほうはやっぱり皆さん芸達者ですし、ちゃんと「聞かせどころ」みたいな曲も用意されているので、見ていて飽きません。笑わせる部分と「見せる」部分が適当にブレンドされているので、「次は何だろう」という期待感がずっと持てる舞台になっていました。やはりゲストの方にはちゃんと「見せ場」が用意されてるんですよね。曲名はまるでわかりませんが、結構記憶に残るメロディーもありましたし、どうせならCD化してくれないかな。

 僕が行ったのは24日という事でカーテンコールの時に出演者全員で「きよしこの夜」を歌ってくれました。他の日にも歌ってくれたのかな?なんかちょっと得をした気分になったイブの公演でした。全体としては充分楽しめたのですが、「貧血鬼ドラキュラ」をもう一度見ますか?と言われたらちょっと迷うところですね。新作なら絶対見ますけど。

 新作といえば、座席にいろいろなチラシが置いてあったのですが、次回タナボタ公演のチラシに釘付けになってしまいました。きゃあ〜〜鈴木ほのかさんだぁ。めちゃくちゃ艶っぽいぜ〜!!という訳で、次回公演のチラシにノックアウトされてしまったのでした。

 今年の「徒然草」の更新はこれで最後となります。ご愛読ありがとうございました。また来年もよろしくお願いいたします。

 
(98/12/26)
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