話題の「ライオン・キング」、やっと見てきました。16日のマチネだと思いこんでいたのですが、前日にチケットを確認したら「5時半開演」とあります(笑)。最近まだ見てない舞台のチケットが家にたくさんあるもんで、ちょっと混乱しています。早めに家を出て、買い物をして、劇場に入ったのが3分前。回りを見る暇もなく、席についたのでした。この舞台、最初のシーンは必見ですから絶対に遅刻しないですくださいね(笑)。まあこの日は初見の方もまだまだ多いと見えて、遅刻してくる方はほとんどいなかったみたいですが。
この日の座席は2階席最前列のセンター。この席、結構いいかもしれませんね。前に誰もいないので、見通しは抜群ですし、2階席なので、結構段差があるので、首を動かすにも後ろの人への配慮が不要です。それにこれはケイタ君の自慢通りで、舞台から近いので、役者さんの表情もちゃんと見えます。1階の客席から動物たちが出てくる所は見えませんが、そんなのはどうでもいい位の環境でした。おすすめの席だと思います。確か予約する時に分かれてましたよね、1階Sと2階S。最前列が確保できるなら2階Sのほうが良いかもしれませんね。
この回のキャストをあげておきましょう。
ラフィキ 青山 弥生 ムファサ 早川 正 ザズ 明戸 信吾 スカー 下村 尊則 シェンジ 松永 さち代 バンザイ 大塚 俊 エド 長谷川 輝 ティモン 中嶋 徹 プンバァ 小林 アトム シンバ 坂元 健児 ナラ 濱田 めぐみ サラビ 森 以鶴美 で、恒例の感想なんですが、う〜ん、困ったなあという感じ。感想にならない(笑)。確かに舞台装置は一見の価値はありますし、キャストの方々の出来も結構良い方だったと思います。あっという間に時間が過ぎてしまったのを考えても一応舞台には引き込まれていたみたいです。でも終わった後に考えてみると、何で楽しんでいたのかというと、舞台装置であるとか照明だとかに目を奪われているんですね。内容はディズニーお得意の勧善懲悪ものなんですが、最後にシンバが王になって、迫力のある遠吠えを聞かせても「良かったね」でおしまい。本当は涙を流す所かもしれないのに(笑)。悪くいえば「だからどうしたの?」という感じです。
ディズニーのミュージカルといえばこの前に「美女と野獣」が舞台化されましたが、個人的には「美女と野獣」の方が好きですね。まああちらも(大胆な言い方をすれば)勧善懲悪的なストーリーなのですが、あちらの方がビーストの苦悩やベルの心の葛藤などが描かれている分だけ心に訴えるものがあるような気がします。「ライオン・キング」の方は明快なストーリーはあるんだけど、ストーリーを舞台化するのに精一杯で、登場人物(動物?)の心の中まで描き切れてないような気がしてしまいます。ムファサにしてもスカーにしても、なんか表面的にしか描かれていないように見えてしまうのですが、これってブロードウェイと比べるとどうなのかな。僕のカンだけでいえば、たぶんブロードウェイも四季もあまり変わらないんじゃあないかな。役者さんの責任というよりは芝居の作りの問題だという気がします。
じゃあ単につまらない芝居なのかというとそうじゃあないんですよ。見所はたくさんあります。ただその見所のほとんどが舞台装置や衣装に依存してしまう場面が多くて、役者さんに依存する所があまり無いんですね。確かにすごい舞台だなあとは思いますけど。
役者さんといえば、シンバ役の坂元さん、これが初めての大役ではないでしょうか。僕は失礼ながら歌を心配していたのですが、ちゃんと歌えてましたね。ただ声が残念。これは僕の個人的な趣味の問題なので、出来の良し悪しにはまるで関係ないのですが、個人的にはもうちょっと低音と高音に変化のある声が好きなんですよね。ナラ役の濱田さん、僕結構好きな役者さんの一人で、「美女と野獣」のベル以来のご対面だったのですが、元気そうで安心しました(笑)。ただ聞かせどころが「愛を感じて」一曲というのは個人的には(おいおい、またかよ。)不満でしたが。聞かせどころといえばラフィキの歌声はいいですね。すごく頭に残っています。。
下村スカーはさすがの貫禄といった感じでしょうか。やはり見ていて一番印象に残りますね。まあ悪役というのは結構印象に残るものなのですが、それを差し引いても良い意味でアクの強いスカーだったと思います。。
で結局何が言いたいのかというと
絶対に一見の価値はあります。
でもリピートするかはその人の趣味次第。もしかしたら本当に「舞台」の好きな方は結構はまるかもしれません。僕みたいに変に小理屈をつけて解釈しようとする輩には向かないかもしれません。何人かの方が掲示板で同じような感想(「一度は見てね。」という内容です。)を書いていただいた理由がはっきりわかったような気がします。こういうのってアメリカ人にはうけるのかな。なんかイギリスでは受け入れられそうもない気がするんですが、どうなんでしょう。(こういう僕の感想はだいたいはずれることが多いですが(笑)。)そういえば「ハイエナ」が悪役ですよね。まあそういうイメージだからしょうがないんでしょうが、本物のハイエナってすごく利口で、自分で狩りもするらしいですね。って全然関係ないけど(笑)。
別な意味で注目されている「3階席」ですが、休憩時間に行って見ました。3階席で見ていた方に下から上がってきた知りたいの方が「ここの見ごこち、どう?」と訪ねている場面に遭遇したのですが(ラッキー!(笑))、普通に座っていたのでは舞台の3分の1位が見えなくて、前屈みで見なければならず、そうすると結構ちゃんと見えるんだそうですが、不自然な姿勢なので疲れるんだそうです。立って見たほうが楽かもしれないと言っているのが聞こえました。
もうひとつ本題とは関係ないのですが、劇場内、すごく暑かったです。となりのカップルも「暑い、暑い」と言っていたので、僕だけの印象じゃあないと思います。もしかしたらアフリカの話なので館内温度上げてるのかな(笑)。。
(99/1/17)