ついにその日がやって来ました。初宝塚です。確か中学生位の時に親戚の人に妹と二人で宝塚ファミリーパーク(でしたっけ?)まで連れていってもらったのですが、「男の子には向いてないわよね。」とか言われて妹は大劇場に、僕は遊園地の方に連れて行かれたような記憶があります。確かにその当時は宝塚なんてまるで興味がなかったので「ラッキー」と思ってましたけどね。
平日ソワレという事で、仕事も終わらせ、そそくさと劇場に向かったのですが、到着したのは開演5分前。早めに行ってプログラムをゆっくり読んでから見ようと思っていたのですが、やはり無理でした。「1000days劇場」、仮設だと聞いていたので、赤坂ミュージカル劇場みたいなのを想像していたのですが、 さすがに宝塚、ロビーの広さなんてどこかの常設劇場の3倍位あるんじゃあないかな。舞台は間口も広く、ワンフロアの構成なので、どこから見ても結構見やすいのではないでしょうか。ただイスだけはちょっと困りものでしたね。座布団が置いてあったのですが、それでも最後の方はお尻が痛くなって来ました。席に座ったら、ご一緒させて頂いた方から「まくぴさん、今日は男の人、多いですよ。」と言われたのですが、「えっ?これで多いの?」という感じでしたね。だって入り口から座席までの間に男性にあったのは男性用トイレだけだったもんで(笑)。
さて、感想ですが、宝塚についてはまるで知識が無いので、もしかしたらちょっと失礼な事や「そんなの当たり前だよぉ。」なんて事を書いてしまうかもしれませんが、ご容赦のほど。
「エリザベート」という作品は初めて見たのですが、非常に良くできたミュージカルです。ストーリーもしっかりしていますし、使われる曲の方も、聞かせ所たっぷりの良い曲が並んでいます。見る前は僕はどうしても「女性が男役をやる。」という事に対する違和感が絶対あるだろうなあと思っていたのですが、そんな事ないんですね。いやあ、すごくカッコイイです。トート役の姿月さん。もう男だろうが女だろうが関係ないカッコ良さ。宝塚の場合はトップの役者さんが光る舞台しかやらないという話があるそうですが、本当ですね。。
こんな事書いたら「おいおい」と言われそうなのですが、実は僕、宝塚のトップの役者さんって女役だと思っていたんですよねえ。だって宝塚って「女の園」じゃあないですか。だから綺麗で実力もある娘役の方がトップスターと言われてるに違いないと思っていたんですけど、そうじゃあ無いんですね。ああ恥ずかしい。。
ここまで書いて今回の感想は相当ミーハーになりそうだなあという予感がして来ました。実は曲名も良くわからないので、あまり細かく書けないんですけどね(苦笑)。偉そうに書いてますけど、役者さんの名前もプログラムと首っ引きですしね。さて姿月トートも素晴らしいですが、僕が個人的に一番のお気にいりだったのがフランツ役の和央さん。和央さん、歌もうまいし、素敵な雰囲気がありますね。フランツという役は、脚本上、名君なのかそうでないのかちょっと理解に苦しむ所があるのですが和央さんがやると絶対名君に見えてしまいます。大げさに言えば和央さんを見られただけでこの舞台を見る価値があると思います。
ただちょっと不満だったのがエリザベート役の花總さん。ああいう歌い方なのかもしれませんが、凄く歌が不安定に聞こえてしまいました。それに最初の「天真爛漫娘時代」の頃は良かったのですが、子供を巡って姑と争うようになった後はちょっと迫力不足かなあなんて気がしてしまいました。まあ姿月さんと和央さんの迫力が凄いんで、そのせいかもしれません。タイトルが「エリザベート」という舞台の割にはエリザベートは影が薄いですね。ウィーン版とはちょっと違うという事を聞きましたが、トートを光らせるためにエリザベートが割をくっちゃってるのかな。
ルキーニという役は「エビータ」のチェみたいな役柄ですね。一種狂言回し的な役で。その割にはちょっとあっさりしてたかな。湖月ルキーニ。個人的にはもっと狂気にじんだルキーニが好きなんですけどね。まあこれは個人の好みの問題なんですけど、もうちょっとルキーニに存在感が欲しかったような気がします。
でも本当に素晴らしい舞台です。特に姿月さんと和央さん、歌にも演技にも存在感と迫力があって久々に「凄い」舞台を見たなという思いでした。まあ「エリザベート」も初見なら「宝塚」も初見という事で興奮していた所もあるのでしょうが。「エリザベート」というのはちょっと変な言い方ですが、「普通のミュージカル」なんで、次回は「宝塚らしい宝塚」なんて舞台を見たくなりましたね(笑)。でもウェストサイドストーリーも見たいし、またチケット貧乏が加速しそうです。
で、「エリザベート」が終わったあと、カーテンコールが始まったなあなんて思っていたんですが、これが違うんですね。確かに終演予定時間よりずいぶん前だったんでおかしいなあとは思っていたのですが(笑)。あれはあれで独立したショーなんですね。でも悲しいかな、超初心者にとっては姿月さん以外は誰が誰だかわからない(笑)。和央さんだけは、ちろさんが「あれはフランツ役の方ですよ。」と教えて下さったのでしっかりわかりましたが。あの狭い橋でのリフトは見せてくれるし、宝塚名物(?)大階段から降りてくるトップさんも堪能できましたし、生の「宝塚講座」も聞く事ができましたし本当に楽しい初宝塚でした。
舞台もはねて、劇場から出ると、出待ちの方が集団を作っています。あれって役者さんによって待つ位置が決まってるらしいですね。宙組はまだ新しいので、他の組の様にしっかりと統制が取れていないそうですが。そういえば出てくる時の役者さん、その役者さんの性格によって「優雅に出てきてファンレターなんかを受け取りながら出てくる方」と「恥ずかしそうにそそくさと出てくる人」に別れるんだそうです。個人的には宝塚なんですから前者の方が絶対いいなあなんて思ってしまいました。
さて、前にも掲示板で話題になっていました、「東宝エリザベート」の妄想キャスト、僕も考えて見ました。相当迷った所もあるのですが、とりあえず結果だけ書いておきましょう。ただし今まで東宝に出た事の無い方もいますけど。(敬称略)
トート・・・・・松本幸四郎・岡幸二郎
ルキーニ・・・・市村正親・鹿賀丈史
フランツ・・・・山口祐一郎・宮川浩
ルドルフ・・・・石川禅・芥川英司(いいのか?)
エリザベート・・鈴木ほのか・涼風真世
ゾフィー・・・・土居裕子・島田歌穂ついでですから妄想キャスト四季編も行ってみましょう。
トート・・・・・下村尊則
ルキーニ・・・・沢木順
フランツ・・・・柳瀬大輔
ルドルフ・・・・石丸幹二
エリザベート・・堀内敬子
ゾフィー・・・・鈴木京子(99/3/14)