役者さんの待遇

 今回はまたしても「四季ネタ」です。本当は別のネタを書こうと思っていたのですが、アルプ4月号を読んで突然内容が変わってしまいました。例のごとく、ちょっと厳しい意見を書いていますが、四季ファンの方、石投げないで下さいね(笑)。僕も四季好きで、良く舞台見てるんですから(←言い訳モード) 。

 今月のアルプは、いろいろと面白かったですね。まず第一のチェックポイントである、「がんばれ、けいた君」ですが、今月号では有能な経営者としてのけいた君が良く出てますね。これ、皮肉でもなんでもなく、浅利さん、経営者としては超一流だと思います。普通の会社の社長にしても相当能力を発揮するんじゃあないでしょうか。ゼロから企業を興して大きくした経営者って、才能はあるんだけど、わがままな人が多いような気がするんですよね。いえ別にけいた君の事だとは言ってませんけど(笑)。

 第二のチェックポイントですが、「四季遊歩道」なんていうコーナーができてましたね。あれ、これからも続くんでしょうか。役者さんの個人的動向なんで楽しみにしている方もおられるかもしれませんね。

 ただ、あの記事はちょっと四季のポリシーに反するんじゃあないでしょうか。四季の場合は役者さんをいわゆる「人気稼業」だとは考えていないみたいですよね。そうであれば役者さん達の出産しましただの結婚しました(これはなかったですね(笑))というプライベートな情報をを載せるというのはちょっと違うような気がするんですよね。普通の(?)芸能人の方はそれこそ完全に人気稼業ですから、結婚しただの離婚しただのプライベートを露出させるのはしょうがないと思いますし、四季も「人気稼業」と考えているのなら当然だと思いますが、そうではないのですからああいう記事には違和感を感じてしまいます。 個人的には役者さんの結婚・離婚・出産等についてはあまり興味がありません。

 で、プライベートでは無く、いわゆる「お仕事」の部分については当然もっと明確にして欲しいです。今月号には芥川さん退団の件が報じられていましたけど、これって結構快挙なんじゃあないでしょうか。今までは「最近四季の舞台に出てないなあ。」と思っていたら東宝のキャスティングに名前があって退団を知ったなんていうパターンでしたから(笑)。別に団員リストを出せとは言いませんが、退団した方についてはきちんと知らせて欲しいですね。四季の場合、「四季が一番」みたいな所があって、例えば今井さんがオーディションを受けた時には「やっと四季に入る気になったか。」みたいな感じで話題になったような気がするのですが、退団者については冷たいですね。名実ともに日本一の劇団なのですから、もうちょっと余裕を見せて欲しいものです。四季を出た役者さんが即一線で活躍できるという事は、四季にとっては誇るべき事だと思うんですけどね。

 ちょっとわからなかったのが、退団者についての扱いで、「劇団側6ヶ月間の契約延長の権利がある」という部分です。ちょっと言い方は悪いですが、四季のほうから「あなたはもう不要です。」と言った役者さんに対してはこの権利は行使しないでしょうし、自分から「もうやめる」と言った役者さんだったらはっきり言ってもう四季の舞台なんか出たくないでしょうしね。昔「やめるとわかっていても四季の舞台に専念させるため。」だと聞いた事があるのですが、やっぱり変な条項ですね。だって芥川さんも今どの舞台にも出ていませんしね。アルプには「声の調子が悪くて休養中」と書いてありましたが、「ほんまかいな?」と思うのは僕だけでは無いはずです。もう四季の芥川さんは見られないかな。残念。

 ここから先はいろんな所で聞いた話に基づいたものです。もしかしたら真実では無いかもしれません。先に断っておきます。また結構失礼な表現もあります。

 四季の場合、トップクラスの役者さんの待遇って決して良くないみたいですね。1〜2年位前のアルプに収入が出ていましたが、「この程度なの?」と思った記憶があります。確かにそのおかげでチケット代も比較的リーズナブルに抑えられているという事は確かなんでしょうが、あれだけ実力があって見ている人を魅了してくれる割には安いかなと思ってしまいます。ただその分中堅以下の方々にもそこそこ手厚いみたいですね。昔浅利さんが「アルバイトしなくても生活していける劇団にやっと育った。」という趣旨の事を言っていたのですが、四季ってそのレベルの役者さんにとっては非常に「良い劇団」なんじゃあ無いでしょうか。役者さんといえばやっぱり持って生まれた才能とその才能をより磨くための努力の二つが合わさって素晴らしい役者さんになるのですから、トップレベルの役者さんに対しては手厚い待遇があっても良いと思うのですが。

 確かに劇団であり、「カンパニー」なわけですから、舞台に関係している人たち全員の「和」であるとかは絶対必要だとは思いますが、才能があり、努力をした役者さんに対してはそれなりの待遇で答えるのが当然です。小さな劇団だったら、「全員が生活できる」という事が一番でしょうが、あれだけの大きな劇団になった四季はやはり「実力至上主義」を強く打ち出して欲しいと思います。それが結果的に良い舞台につながって、見る側にも「四季ってやっぱり素晴らしい」という事を再認識させるのではないでしょうか。やっぱり舞台は結果が全てですから。

(99/4/4)