土曜日に宝塚の「West Side Story」を見て来ました。2度目の宝塚です。前回は初めての宝塚という事もあり、結構いろんな事が目新しかったり、変な緊張感を持って臨んだのですが、今回はちょっとだけ余裕(笑)。でも考えて見るとこの時期の東京、「レ・ミゼラブル」、「オペラ座の怪人」、「アスペクツ・オブ・ラブ」、「ライオン・キング」、「West Side Story」を上演しているんですね。日本のミュージカル状況も結構素晴らしいものがあるなあと思う反面、「レ・ミゼ」と「ファントム」のチケットの売れ行きがいまいちという事も聞いていますので、まだまだ観劇という行為が一般的じゃあないのかな等と考えてしまいました。
この日のチケットを手配して頂きましたちろさんと待ち合わせて、お茶をした後会場へ。一応誤解を生まないように書いておきますと、嫁さんも一緒でした。残念ながら(笑)。やっぱりあの1000days劇場のロビーは広いですよね。本場の(?)宝塚劇場に比べるとちゃちなんだそうですが、四季の劇場を見慣れてしまうと凄く豪華に感じてしまいます。この日の[WSS」は星組公演です。前回が宙組だったので、またもや役者さん(生徒さん?)に関しては何もわからないまま舞台の幕が開いたのでした。
前回の「エリザベート」の時に宝塚っていうのはトップさんを目立たせるのが絶対条件でエリザベートも若干演出が変わってるんですよ。と聞いていたので、WSS、どうやってトニーを目立たせるのかなあなんて思っていたのですが、演出は四季版とほとんど変わっていませんでした。振り付けに関しても相当(女性にとっては)ハードな振り付けがなされていて、これは結構大変なんだろうなあと思いながら見ていました。実際皆さんマッサージに通ったりしているようですね。
冒頭の喧嘩のシーンではやはりみなさんちょっと線が細くて、ちょっと子供の喧嘩に見えてしまって、「これからどうなるのかなあ?」とちょっと心配していたのですが、それ以降は安心して見る事ができました。僕は四季版も見た事があるのですが、迫力では四季の勝ち、躍動感では宝塚に軍配といった所かな。やっぱり役者さんが四季より若い分、エネルギーのようなものを感じます。この日のトップさんは稔幸さん。やはりどんな舞台でも(といっても2回しか見てませんけど)トップさんはめちゃくちゃカッコいいです。四季の山口トニーと比べてもいい勝負です。宝塚って女性だけなんで、どうしても不自然じゃあないかという想像をしてしまうのですが、舞台を見るとそうでも無いんですね。エリザにしてもWSSにしても本当に自然に楽しむ事ができました。稔さん、ジーンズ姿もかっこいいし、なんと言っても「華」がありますね。出て来るだけで目立つような。
マリア役は星奈優里さん。「歌はいまいち」という評判を聞いていたのですが、確かに上手ではありませんね(失礼!)。微妙にはずしてくれますし(笑)。でも星奈さん、凄く表情が豊かで、目で演技のできる素敵な役者さんですね。「I FEEL PRETTY」の表情なんてちょっとぞくぞくきました。(一瞬岡ちゃん&林さんの「I FEEL PRETTY」が脳裏をよぎりましたけど(笑))それにラスト・シーン。ここはもうマリアの独り舞台という感じのおいしい場面なんですけど、ここの迫力もさすがでした。僕は基本的にきれいな女優さんが大好き(笑)なので、それなりに満足してしまいました。ただ、これにはちょっと続きがあるんですけどね。これは後で。でも宝塚では娘役の方は虐げられている(笑)という事を聞いていたので、こんなにおいしい娘役は珍しいのかななんて思いながら見ていました。
あと個人的に目についた方は、ベルナルド役の彩輝直さん、アクション役の音羽椋さん、シュランク警部役の英真なおきさん、アニタ役の羽純るいさんといった所でしょうか。(しかし宝塚の役者さんの名前は漢字変換が大変だな(笑)。)羽純さんは他の出演作はまるでしりませんが、アニタははまり役の様な気がします。容姿といい声といいアニタにぴったりです。ところが不思議な事にパンフレットでは「その他大勢」扱いなんですよね。この辺りが「宝塚の不思議」という感があります。って宝塚ファンの方には何の不思議でもないんでしょうけどね。英真さんは「中年男のいやらしさ」のような感じを上手く出してましたね。やっぱり街で観察したりして研究しているんでしょうか。音羽さんはちょっといろいろありまして、どうしても目が行ってしまうという状況だったのですけど(笑)、ラガーシャツが似合っていて、まだ踊りも「キレ」があるという感じだったのですが、真の宝塚ファンというものを見たような気がします。下級生の頃から目をつけていた生徒さんがどんどん上手くなって重要な役がついていくのを見守っていくんですね。
演出としては四季版とあまり変わっていなかったのですが、トニーとマリアが二人で歌う「トゥナイト」は凄く美しい場面になっていました。あれは舞台装置の勝利ですね。ただ四季版がどうだったかはあんまり覚えていないんですけどね(苦笑)。全体としては思った以上の出来で十分堪能する事が出来ました。いかにも男の汗のにおいがしそうな「WSS」を宝塚がどのように魅せてくれるのかが楽しみでもあり、不安でもあったのですが、さすがでしたね。
終わった後、何となく「出待ち」を見学しているうちに自分達も出待ちをしているような格好になったのですが(笑)、なかなか出待ちっていうのもおもしろいですね。どなたかが出て来るとフラッシュがたかれて、役者さんがファンからのお手紙を受け取りながら出て来るんですね。何人かの役者さんを拝見させて頂いたのですが、人それぞれですね。ぱっと見た感じ「どこのおにいちゃん?」というような方もいらっしゃいますし(決しておねえさんではありません)、出方もゆっくり出て来る方、なんとなく恥ずかしそうに出て来る方、いろいろな方がいらっしゃいます。でマリア役の星奈さんも見る事ができたのですが、「え?あれがマリア?」という感じでした。これ決してけなしてるんではなくて誉め言葉ですからね、念の為(笑)。あの格好で地下鉄とかに乗ったら絶対わからないでしょうし、どこかの会社の受付にでもいそうな方でした。でもそれがやはり本当の役者さんなのかもしれませんね。
(99/5/23)