今回最後のレ・ミゼラブル

 もうそろそろ夏も終わり、9月の声が聞こえてきます。9月かぁ。上期の決算月です。個人的にはちょっと忙しくなってきます。今年の夏は皆様いかがお過ごしでしたでしょうか。えっ?帝国劇場に通っていたんですか(笑)。僕もここ10日ほど集中してしまいまして、20日に赤坂、22日にほのか様のお茶会、24日は初めての歌舞伎鑑賞、26日は最後のレ・ミゼでした。で月があけて4日に「ラ・マンチャ」。これでちょっと一段落です。

 レミゼに行く前にまず初めての歌舞伎のほうからちょっとご紹介しましょう。ここの掲示板で「一度位は見てみたい。」と騒いでいたら、わざわざチケットを手配して下さった方がいらっしゃいまして、この日の初観劇となりました。宝塚にしろ、歌舞伎にしろこういうサイトを開いてなければ多分経験できなかった訳で、本当に嬉しい限りです。

 6時開演という事で、会社をとっとと抜け出して、行って来ました、歌舞伎座へ。何度か前は通った事がありますが、入るのは初めてです。入ってみるとまず目に入って来たのが舞台の間口の広さ。入る前に「間口は広いですよ。」と聞いていたのですが、いやあ広い、というか長い。で、えっ?客席が2つに別れているの?と一瞬思ったらなんの事はない「花道」。両再度にはいわゆる「桟敷席」というものがあって、飲み物まで置かれています。特別席という意味でもないんでしょうが(値段はたいして変わらない)、ちょっとおもしろかったですね。休憩時間に歌舞伎座の中を案内して頂いたのですが、2階の上のほう(いわゆる一幕見席だそうです。)は舞台は見えるけど花道なんかまるで見えません。でも皆さん、ちゃんとそういう事は納得づくですし、値段も千円位。非常にリーゾナブルな価格設定ですね。その他に土産店の多さとか英語でのアナウンスが印象に残った歌舞伎座でした。

 内容はといいいますご、如何にも「歌舞伎」というような第一部と(見たことはないですけど)松竹新喜劇にあるんじゃあないかなあというような時代劇コメディにわかれています。「これぞ歌舞伎」という第一部は、生演奏(?)もあり、雰囲気を味わう事ができました。ただ内容は初めて見るとまるでわからないかもしれません。僕は事前に資料(?)を読んでいったので何とかついて行く事ができましたが、それでもセリフ(?)はよくわからないし、「こういう事を言ってるんだろうなあ。」と想像するのが精一杯。初めて見る方には多分「イヤホンガイド」が必需品だと思います。それでも雰囲気だけはもの凄く良く楽しめます。これぞ歌舞伎ね。

 第二部の方は普通の時代劇コメディです。(コメディとは言わないか(笑))こちらの方は勘九郎さんの魅力満載という感じで、本当に肩のこらない面白い舞台でした。いかにも日本的だなあと思ったのがいわゆる「早変わり」のシーン。花道の下や舞台の裏だか下だかを走って行く音がしっかり聞こえてきます。同じ事をディズニーあたりがやったら、何か技でも使うんでしょうが、(良い意味で)素朴な楽しい舞台でした。歌舞伎って人間関係(というのかな。)とか屋号(これもなんていうんだろ?)とかがわかってくるとまたもうひとつ面白くなってくるのかもしれませんね。でも初めての歌舞伎、予想以上に楽しめました。

 さて26日(ソワレ)は僕にとって今回最後の「レ・ミゼラブル」です。僕は「レミゼ」に関しては今まで「楽」というものを見に行った事はないですし、これからも多分無いでしょう。僕にとってはレミゼとJCSというのは特別な思い入れのある作品で、絶対に終わる事はないはずで、いつでもチケットを買えばすぐに見られるという舞台なのです。そんな思い入れのある舞台ですから、またいつか再演するとはいえ、終わってしまうという事が耐えられないんですね。そういう訳で、だいたい千秋楽の前1週間位の時期に最後の舞台を見るというのが習慣化しています。

 お目当てはもちろんほのかさまです。カルメンまで見られないので、思いっきり頭に焼き付けて来ました。いつ見ても素敵です。あんまり書くと「またかぁ」と言われそうなので、あまり書きませんけどね(笑)。結構な回数を見たレミゼですが、なぜかこの日初めて見た方がお二人いらっしゃいます。大浦さんとアキラちゃん。大浦さんはちょっとマダム・テナルディエには向いていないのかな。何か今回のマダム・テナルディエについては森さんの独り舞台っていう感じでしたね。アキラお兄さんについては「見られてよかった!」という感じ。そろそろ学生姿は無理が出てきてますけど、まだまだ頑張って下さいね。

 その他には久々に見る今アンジョ。華やかさとか存在感では岡ちゃんに一歩譲るものの、マリウスが撃たれて、自暴自棄気味になって銃を放り投げてバリケードにあがり旗を振るシーンはもう涙ものでした。何か自分自身、確信は持てないんだけど、自分を信じてついて来てくれる同士達を時には優しく、時には冷たく扱いながら、仲間を励ますフリをして実は自分を奮い立たせている。そういうアンジョの姿が凄く良く出ていたアンジョでした。本田エポはどうしても島田さんと比較されてしまうのですが、可憐で一途な本田エポ。もうどちらも甲乙つけがたいですね。川崎ジャベールはちょっとなあという感じでした。川崎さん、今回の帝劇公演で良かったのは僕が見た中では1回だけなんですよね。村井さんがずっと良かっただけにちょっと残念でした。

 この日は山口バルジャン、山口組の方がたくさん来られてました。山口組の集会(なんか凄い言葉だな。)が休憩時間に2階ロビーで行われていまして、勇気を持って(笑)参加してみましたが、まだこの日は皆様結構冷静でしたね。多分昨日は大変だったのでしょうけど。

 そういう訳で、終わるはずの無い「レミゼ」もお休み期間に入ってしまいました。来年の夏は「エリザベート」に捧げる夏になるのでしょうか。

(99/8/29)