劇団とカンパニー

 今日は「スクルージ」の発売日でしたね。最初チケットぴあに電話していたのですが、NTTの防御が固いため、途中から「ひまわりチケットセンター」へ変更。10時半前につながって、日曜日のソワレの最前列をゲットする事ができました。この「ひまわりチケットセンター」、ほほえましかったですよ。電話がつながって「19日の夜の部S席2枚」という希望を伝えると「お探しします。」の後、電話の向こうで大声で「19日、夜、S席2枚持ってる人いるーー??」という声が聞こえてきます。何となく笑ってしまいました。そういえば最近我が家は財政難で、「チケットの枚数減らせ運動」が展開されているのですが、この「スクルージ」に関しては嫁さんの「市村さまだからねえ。」という訳のわからない一言でチケット確保が決定(笑)。来週発売予定の「ロッキー・ホラー・ショー」はどうなるんだろ(笑)。

 そういえば、昨日ダイエーの優勝が決定しました。僕はダイエーファンというわけではない(というより野球にあまり興味が無い)のですが、僕の家のすぐそばに「マルエツ」というダイエー系のスーパーがあるもので、ダイエーを応援していました。今日は通常10時の開店を繰り上げ9時開店。日曜なのに早起きして「スクルージ」のチケットを取る前に行って来ました。100円アイスが11円(ダイエーは球団創設11年目だそうです。)など結構楽しんで買い物して来ました。日本シリーズもあるんで、また楽しみですね。

 さて、仕事の方は中間決算期を迎え多忙をきわめています。そのうえ「バイオハザード3」が発売されてしまったもので、もう一日50時間位あっても足りない日々が続いています。先週は休んでしまいましたし、今週も軽めの更新になってしまってます。10月始めまでちょっと辛いかもしれません。

 さて、本題。ミュージカルに限らず舞台のキャスティングには大きくわけて2つの形態があります。ひとつは「劇団」であり、ひとつは「カンパニー」です。劇団というのは四季などでおなじみのように、ある舞台のキャスティングをその劇団の劇団員だけで構成していくというやり方で、「カンパニー」というのは舞台のたびにオーディションや制作サイドの推薦などで出演者を決めて行くというやり方です。

 「劇団」というのはどうも日本独特の形態のようです。パターンとしては基本的に才能のあるカリスマ的な演出家(時に出演者をかねる)がいて、その演出者に魅せられた役者さんが集まって来るという感じでしょうか。日本には四季を筆頭として非常に大きな劇団から小さな劇団までたくさんの劇団があります。劇団の良い点というのは、顔ぶれが同じですので、出演者や演出家の細かい演技上の特性や性格等細かい所まで判明している所から稽古が始められるとか、劇団のカラーが先輩から継続的に伝えられていくとか劇団の経営が安定してくれば劇団員の生活基盤が安定してくるとかいろいろな事が考えられます。また四季のような大きな劇団になれば、舞台数も多いので、「場数を踏む事によって上達する。」という事もあるでしょう。

 カンパニーの場合はその舞台にふさわしいと思われる人を集めるわけですから、役者さん同士初めて顔を合わせるという場合も少なくないと思います。また役者さんを選ぶ基準もどうしても実力以外の部分もありますから、「どうしてこの人が?」と思うようなキャスティングも出てくる事があります。また役者さんの方も、「次の舞台」の保証は無いわけですから、相当売れている方以外は生活も不安定になってしまいます。今は四季で活躍されている今井さんが「レ・ミゼ」のジャベールをやっている頃でも生活が苦しかったなんていう話を聞くと考えさせられてしまいます。

 ここまでの文章を読むと筆者は「劇団制」に賛成のように見えるのですが、実はそうじゃあないんですよね。劇団の長所はそのまま短所として出てきてしまう可能性があるわけです。出演者の固定化、生活基盤の安定による一部団員の意欲の低下。また舞台数の増加に伴うレベルの低下。昔は僕は劇団制の長所にばかり目が行って、大いに満足していたのですが、最近はちょっと変わって来ました。カンパニー制度の場合だと、当然その舞台のあった役者さんをそろえる事が出来るわけですし、一番の長所は(オーディション制度の場合)「この舞台にどうしても出たい!!」という役者さんが集まって来る事ではないでしょうか。劇団の場合は当然劇団の決めた芝居しかできないですからね。ただこの部分はどうしても「上演権」の問題がありますから、どんな才能がある役者さんといえども自分のやりたい舞台に立てるわけではないですが。

 特に「レ・ミゼラブル」を見てて思ったのですが、アンサンブルの役者さんの一人一人まで「この舞台を愛してる」という思いの大きさをひしひしと感じるんですね。そしてその思いって結構ストレートに観客に通じて行きます。最近の四季があまりおもしろくない理由っていうのは案外このへんに理由があるのではないでしょうか。

(99/9/26)