レミゼ賛歌

 さて21世紀です。世紀の変わり目ということなのですが、別に何の変わりも無い年末年始だったという方も多いと思います。考えてみれば去年は「2000年問題」とかで何となくざわめいた中での年越しだったのですが、今年は落ち着いた年越しでしたね。まあ今年はここも少しづつ更新していこうと思っています。

 さて今年の年末年始はレミゼで過ごしたという方もいるかもしれませんね。大晦日はカウントダウンもあったようですし。といいながらもカウントダウンって一体何やったんでしょうかねえ(笑)。どこかのサイトをのぞけばわかるんでしょうけど、会社でのぞいている暇が無いので、なかなか見られないんですよねえ(おいおい。)自宅に帰ってくるとほとんどバタンキューで寝てしまう生活が続いているので、なかなか他のサイトをチェックする時間がとれません。

 といいつつ、今回のレミゼ、一応3回ほど見てきました。この3回、コゼットの配役が決まらないうちに取ったのですが、神のご加護があったのか(笑)、3回で3人のコゼットを見ることができました。

 今回は「レミゼ賛歌」なんていう大仰なタイトルがついていますが、まずは新キャストの感想から行ってみましょう。まずは鈴木ジャベール。端正なジャベールです。村井おやじジャベールがいかにも「現場叩き上げ」の刑事だとすれば、鈴木ジャベールは「キャリア組のエリート」といった感じで特に「牢獄で生まれ」なんていう歌詞にはちょっと違和感を感じてしまうのですが、初めてレミゼを見る人には普通に入っていけるかもしれませんね。僕は個人的にはおやじジャベールが好みですので、ちょっとスマートすぎるかなあという感じがします。そういえば前回個人的にはちょっと不満だった麻世ジャベールが今回は頑張っているようですね。といってもジャベールについても3人とも一度しか見ていないので、全体的なことはわかりませんけど。

 さてチケット発売時にも決まっていなかったコゼット。そんな軽い役では無いと思うんですけどねえ。確かにファンテーヌやエポニーヌに比べれば損な役回りではありますが、レミゼの持つ「希望」という側面を現す結構難しい役だと思うんですよね。今回は本当に「3人3様」のコゼットを見せてくれています。まずは安達さん。ありきたりの言葉ですが「お人形さんのように可愛い」ですね。育ちも良さそう(笑)。ただし「歌」に関してはどう贔屓目に見てもちょっとねえ。僕が見たのは本当に最初のほうですので、今はずいぶん進歩しているかもしれませんが、とりあえず声を出すのに精一杯という感じで、変な言い方ですが「棒読み」のようでしたね。決して安達さんは嫌いではないので、頑張ってほしいものです。彼女の可愛さって今回はちょっと損かなあと思ってしまうので、できれば5年後に安達コゼットが見たいものです。ただやっぱり港の娼婦のシーンはちょっとねえ(笑)。ほのか様の「砦の少年」は結構カッコいいんだけどなあ(笑)。

 次に見たのがTohkoコゼット。実はあまり印象に残ってないんですよねえ。初めてのコゼットなんでそれなりに興味を持って見ていたのですが、何となく「普通のコゼット(笑)。」おじさんとしては、キャスティングの発表の時から「安達さんと堀内さんは知ってるけどTohkoさんって何者??」という感じでしたので、ちょっと損だったかもしれませんね。で、昨日見たのが堀内コゼット。堀内さん、ちょっとふっくらした感じでしたけど、久々に見ることができて何となくほっとしてしまいました。前に見たのが、確か「アスペクツ・オブ・ラブ」。めちゃくちゃ綺麗でドキドキしたのを覚えています。先入観もあるんですけど、やっぱり堀内さんが一番安心して見ていられます。発声も何の無理もないですしね。我が家では「スリリング・ミュージカル」なる言葉がありまして、これはドキドキしながら歌を聴かなければならないような舞台の事を現す言葉なんですけど、やっぱり舞台は安心して見ていたいですよね。

 続いては徳井テナルディエ。テナルディエってめちゃくちゃ難しい役だと思うんですよねえ。レミゼは初演から見ていますが、未だに「これだ!!」というテナルディエには出会っていません。悪人なんだけど、根っからの悪人では無いですし、ずるがしこく世間を渡って行くという感じで、なかなかはまる人がいないんですよね。市村さんがやったらおもしろいだろうなあと思うんですけど。徳井テナルディエは素質は良さそう(失礼!)だと思うんですけど、この「こずるさ」がいまいちな気がします。最後に津田マリウス。最近のマリウスは個人的には戸井さんがお気にいりになってますので、ちょっと違うなあという感じ。特にコゼットに出会った直後の「浮かれ方」に物足りなさを感じてしまいます。

 ただ、どんな舞台でもそうでしょうが特にレミゼに感じるのは新しい人が入ってきて、最初は「ちょっとなあ。」と思っていても、もの凄い早さで進歩していく事がありますよね。僕が感じるのは新しい人は良い意味での「遊び」というのが出てこないという事で、やはり経験を積んで行くにつれ、役に対する理解も深まり、ちょっとした仕草なんかもどんどん変わっていきますよね。レミゼはもちろん基本的な演出はきちんと決められていますが、ある意味自由度の高い作品だと思うので、これからどんな風に進歩して行くかも楽しみです。

 あっ、忘れちゃいけないのがガブ君。僕は残念ながら近野君しか見てないんですが、いいですねえ。前回はガブ君に不満が残っていたのですが、今回はすばらしい!やっぱりガブ君が良いと舞台が締まりますね。「ラマルク将軍は死んだ!!」というせりふもしっかりはまってるし。ガブ君はこうでなくちゃ!

 本当は今回はレミゼの魅力についていろんな事を書こうと思っていたのですが、なんとなく新しい人の感想だけで終わってしまっちゃいましたね(笑)。次回はレミゼの魅力について思う所を書こうと思います。個人的にも初演からどんどん見方が変わっていますので、そのあたりを書きたいんですが、どうなる事やら。

(01/1/21)