2.トラック(3トン クラス〜)、非装甲車両(装軌車両含む)

ベッドフォード OYD 3t トラック 

 いかにもベッドフォードらしい面構えの4×2の標準トラック。英軍の輸送を一手に引きうけていたと言っても過言ではない。米軍が6×6のGMCを多用していたのに比べると割きりが感じられるあたりがお国柄であろうか? キットはチェコのTondaからバキュームキット、フランスのPhebusからレジンキットが発売されている。後者はより小型のOXタイプも発売しており、バリエーションが楽しめる。日本国内での入手は大変困難だが、メーカー自身でサイトを開いておりそこから直接購入は可能である。キットの出来はそこそこで、いかにもフランス製レジンキットの雰囲気がある。

2000年12月現在、アキュリットのニューキットとして前期型木製カーゴボディと後期型金属製カーゴボディの2種類が同時に発売になった。エンジン、足回り、インテリアなどが完全再現されたキットらしい。近日中に購入予定なのでいずれ詳しく紹介出来るだろう。

 いつものアキュリットらしく原型は大変精密だが、成形状態はあまりよくない。幌が付属しているのは大変嬉しいのだが、原型の布目がモロに出てしまっているのはスケールにふさわしくないと思うので、パテなどで塗りこめてやる必要があるだろう。欠点はあるが以前のPHEBUSのキットに比べればはるかに出来がいいので、好きな人にはお勧めである。

ベッドフォード QL 3tトラック

 イギリス軍を代表する4×4のトラック。レジキャストから超絶的に出来がいい素晴らしいレジンキットが発売されている。その分割は恐ろしいほどで、資料の少なさを考えると組むのは大変困難な部分もある。しかし、それを乗り越えられれば、これ以上ないくらいの素晴らしい完成品が出来るのだろうとは思える。同社からはバリエーションとしてQLR(無線車)も発売されており、後部キャビン内部も完全に再現された、これまた素晴らしいキットである。また、QLT(兵員輸送タイプ)とQLB(ボフォース対空砲牽引車)の発売もアナウンスされているが、いまだに発売される気配はない。

 2000年12月現在、QLTが一部国内模型店にも入荷している。出来は大変素晴らしくアキュリットアーマーを凌駕していると言えるだろう。英軍ソフトスキンファンには必買キットである。気泡・欠けなどはほとんど存在せず、実車写真や製作途中の写真がふんだんに使われた説明書も大変分かりやすい。

 QLDの最新ロットは以前は部品化されていなかった幌が追加されている。これだけでも買いなおすには充分な理由になるが、説明書もグレードアップしており「組める(あるいは組めそうな)」キットに進化しているのは、メーカーの良心を見るようで大変気分がいい。
(新旧ともに買ってしまう、などという馬鹿者はそうは多くないだろうなぁ・・・)

オースチン K5 3tトラック

 ベッドフォードQLの対抗馬としてかなりの数が使われている。なんとなく両車の雰囲気は似ており(キャブオーバーでラジエターグリルが少し突出)、よく知らない人が解説するとたいてい間違えている(苦笑)。 キットは懐かしのエアプレスのバキュームフォームキット(なんとタミヤのCMPのシャーシーを延長して使うように指示されていた!)しかなく、入手は絶望だろう。クロムウエルが数年前に発売をアナウンスしたが、全く出る気配がない。細部を割り切ってしまう同社よりはアキュリットアーマーあたりからマルチマテリアルキットとして発売された方が、組むのは大変にしても嬉しいような気もする・・・。レジキャストが予定しているという未確認情報もある。最近の同社の製品は非常に精密かつ高品質なので、なんとか発売にこぎつけてほしいところだ。

 イギリスのSOVERIGNから2001年3月に発売になった。大変キレイな成形で組みやすそうなキットである。部品分割も巧みで、現在の水準作と言えるだろう。多少難点に思えるのは幌がついていないことで、しかも幌骨用のテンプレートもないというのは困った物である・・・。とりあえずイギリスのソフトスキンが好きな人にはお勧めであるが、国内での入手はほぼ不可能ではないだろうか? R&Jで取り扱っているので、一度問い合わせて見ては?

AEC マタドール 牽引車

 重砲牽引になくてはならない大型の4×4の牽引車。キットはクロムエルとアキュリットアーマーの2社からレジンキットが発売されているが、有無をいわせず後者の方が抜群に出来がいい。レジン、ホワイトメタル、エッチングとアキュリットお得意のマルチマテリアルキットでその精密な表現、的確な分割など見ているだけで幸せな気分になれる。実際に組み始めると地獄を見るのは間違いないところだろうが・・・。

 これに牽かせる火砲としては、やはり5.5インチ野砲が一番似合うだろう。幸い最近になってオランダのSCALE LINEというメーカーから大変高品質なキットが発売されているので、それを使うのがよいと思う。
(国内入荷は全く未定、海外からの入手も大変困難という大問題を乗り越えれば、の話だが・・・)

スキャンメル パイオニア・タンクトランスポーター

 6×4の大型車両で、タンクトランスポーターとして大活躍した車両。キットは当然ながらアキュリットから発売されている。未所有なので詳しくは触れられないが、アーマーモデリングの作例などを見る限りでは基本的によく出来ており、細部に手を入れれば充分な製品のようである。アキュリットからはバリエーションとしてリカバリー(レッカー)、重砲牽引車の発売が予告されている。リカバリーについては2000年3月に発売になり、すでに国内でも流通している。
(牽引される砲として7.2インチ重砲も新製品として発売予定に上がっている)

レイランド・ヒッポ Mk II 6×4 10tonトラック

 英軍で使用されたトラックとしては最大級の車両。キットはSCOTIAが原型を展示していたことがあるが、メーカー自体が廃業されてしまったので発売になるかどうかは全く未定である。原型が完成していて、どこか別のメーカーに移管されれば可能性はあるだろうが、詳しいことは現時点では全く分からない。模型にしても大きくて大変見栄えがするので、発売にこぎつけて欲しいのだが・・・。

クルセイダー・ガントラクター

 大戦後半には実用に耐えなくなったクルセイダーの車体を流用して17ポンド砲牽引用に開発された。キットはアキュリットアーマーから改造キットが発売されており、出来は大変によい。クルセイダーの場合、イタレリのキャタピラが出来がいいとは言いかねるので、最近アキュリットから発売になったトラックパクスシリーズのレジン製キャタピラを使用した方がいいだろう。

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