麦草峠2001 -九死に一生スペシャル-
2001/9/22から2001/09/24に行われたBD
CyclingMLのオフ会「麦草峠アタック2001」に参加してきました。
ついに始まる
茅野駅の改札を出て、左に曲がると既に準備が終わってる人、準備している人、いろいろいました。
12人いるメンバーの中、一番の初心者は自分なのでやはり緊張します。
組み立ててトイレに行ったあと、みんなで輪になって自己紹介をします。
「横浜のにちです。初心者なのでいろいろご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いします」
そのとおりとっても迷惑をかけてしまうのだ。有言実行なのだろうか
この自己紹介はちょっと照れくさいです。声もぼそぼそって感じになってしまいます。
この日はBD-1系以外にも、ロードの人やBikeFridayな人も数人いました。リカンベントはいませんでした。
BikeFridayのPocketRocketはかなりカッコよく、「次はポケロケが欲しいなあ」なんて思っていました。
(身のほど知らずとはこのこと(^-^;))
BD-3はやはり異彩を放っていました。
BD-1WはロゴにWの文字はないし、ハイポリッシュはめずらしい色ではないので、なんとなく損した気分です。
自己紹介が終わってほどなく、出発です。おのさんが先頭で、私がそのあとに続きます。
ちょっと進んだところで、信号があり止まります。
そのとき振り向くと、気合の入った自転車乗り達が一直線に並んでいます。
ああ、はじまったのだな。
そう思いました。
伝説のセブンイレブン
麦草峠には、いくつか名所があります。
ある者は、ここからが峠との証という、冬は閉ざされてしまうというゲート。
寒い頂上で疲れた身体にうれしい暖かい食物が食べられる、麦草ヒュッテ。
標高2127の麦草峠最高地点のカンバン
そして去年の吉田さんのレポートにある最初に帰るか悩んだというセブンイレブン。
私が参加を決めてからMLで「あそこは峠のうちに入らない」とかいろいろ話題に出ていたので、
ちょっと気になっていたのです。
信号が青になり、交差点を渡り少し走るとセブンイレブンが出て着ました
まさか、ここが?もちろん違うのでした。
ここで、補給をします。食料、水などをおのおの仕入れています。
2リットルの水を買い、みんなでシェアしたりしています。さすが慣れているなあと感心しました。
ここでは、水(500ミリリットル×2)、おにぎり2つ、それと都こんぶを1つ買いました。
水をボトルに空け、持って着ていたバームパウダーを溶かします。3袋持ってきたので、2袋を溶かします。
ちょっと薄めですが、そのくらいが飲みやすい感じです。
それから急いでおにぎりを食べていると
「そろそろいきましょう〜」
あわてて口に詰め込んで、出発準備をしますがゴミを捨てたりあわあわ状態。
結局少しみんなを待たせてしまうのでした。くすん。
ここからもまだゆるやかな登りと平坦な道が続く感じで、天気もよく風はさわやかで涼しく最高のサイクリングでした。
景色も最高で、のどかな田園とその向こうには山々が広がります。
「今日は、あの、あのへんの山をヒューーイって超えていきます」
おのさんが指をさします。はるか向こうの山です。
全く遠くの世界にある物体のように見えます。登るどころかたどりつくんだろうか?
だんだんコンビニとかがないようなところに着ます。どうやら伝説のセブンイレブンをみることはできなかったようです。
「さっきのディリーストアがそうだった」
と、おのさんが。一年の間にセブンイレブンがつぶれてディリーストアになったんだろうか?
いろいろ考えているうちに、坂の角度もそこそこあがってきて、第一の休憩をすることになります。
自転車の乗り方
休憩していると、
「にちさん、サドルがちょっと低いんじゃない?」
と言われました。
私はいろいろと通勤していく中でこの高さを決めたので、(マジックで線まで書いておいた)
「そうですかねえ」
と思ったのですが、どうも私は後ろから見るとお尻がはずんでいるようです。
実際に少し上げてから乗ってみて、位置を合わせてもらいました。
さらに、いっとくさんが
「あと、土ふまずでペダル踏まないほうがいいよ」
と指摘してくれました。私は土ふまずでペダルを踏む癖があります。自分でも気づいていました。
それまでは別に問題ないと思っていたのですが、気をつけるようにしました。
さて、休憩も終わり再度出発します。サドルを少しあげすぎたのか足が伸びすぎて少し辛いです。
次の休憩ポイントでもうちょっと下げることにしました。この後はすごく踏みやすくなりました。
走ってる途中、かぜはるかさんに
「足が外側に向かないようにしたほうがいいよ、力が外に逃げるから」
といわれたので、気をつけるようにしました。
しかし、気が付くと足は外に向いていて、土踏まずでペダルを踏んでいます。
そのたびに足をずらしまっすぐに前のほうで踏むようにします。
これがなかなか治らず、ふと気が付くとやはり同じような状態に戻っています。
これは結構、矯正するには長い時間がかかりそうです。
もしかしたらサドルの位置とかを調整する必要があるのかもしれません。
だんだん、気にしようとしていたのが、気になってしょうがない、という状態になってきました。
そのうち、風景も変わってきます。
広い平地を走っていたのが、生い茂る草木の中に続く坂を進んでいくようになります。
この時点で、ギアをインナーの3段まで下げました。
始まったばかりなので、体力的には余裕があります。
ただこの後どのくらい続くのかわからないという恐怖があるため、できるだけ軽いギアでゆっくり進むことにします。
このあたりでは私はずっとたかさんの後ろを走っていました。
たかさんはノーマルBD-1なので、軽いギアがなくとっても辛そうです。
後ろではミキさんといっとくさんがいます。私たちのペースにあわせてくれています。
「もう辛いっす〜」
「みんなに着いていくのがせいいっぱい」
後ろで二人が嘘をつきあっています。余裕がありすぎです。同じ人間なんだろうか。
この時点では時速7キロから8キロくらいで登っていました。
ちょうどよいスピードで楽でした。なんとなく気分も乗ってきました。
ここらへんで何を思ったか、9キロくらいまでペースをあげてたかさんの前に出ました。
気持ちよくなりそのままのペースで登っていこうと右カーブを曲がったときに、それは起こりました。
何もこんなときに
ちょっとバランスをくずしたので、自転車から降りようとしました。
私のBD-1は麦草仕様として、サドル前方にボトルケージをつけていたので、それを避けるように変なふうに足を曲げて降りようとしたとき
「あ、イテっ」
ふくらはぎがキューっと内側に吸い込むような痛みが走りました。
足がつりそうになったのです。
慌てて片足でケンケンしながら体勢をキープしながら自転車を降ります。
幸い、足がつるまではいかなかったのですが、このまま走ったら確実につります。
少し休憩をし、アキレス腱をのばしたりしていました。
すぐにたかさん、いっとくさん、通りすぎ、ミキさんがきました。
ただ、置いていかれるのもなんなので自転車を押して歩いていると、
「歩かないで休んだほうが良いですよ」
といわれて、スタンドをたて少し周りの風景を見渡しました。
今まで自転車にのっていて足がつったことはありませんでした。
普段の生活でももう数年、足はつっていません。
やはり麦草峠、知らず知らずのうちに足は坂に蝕まれていたのでしょうか。
単に運動不足なのでしょうけど、これはショックでした。
1,2分で痛みも楽になったので、また登っていきます。
しかし、やはりしばらくするとつりそうになってしまいます。
結構坂もきつくなってきているので、一番軽いギアでも足に力が入ります。
その状態でこいでいるとだんだんつってきてしまうのです。
今度はおのさんが偵察に下りてきました。
状態がよくなり一番軽いギアで漕いでいると、
「足がよく回ってますねぇ〜、これならどこでも大丈夫なんじゃないかな」
と、励ましてくれます。そしてまたスーッとすごい速さで登っていきます。
うーむ、すごい。
なんどか休憩を重ねて、冬は閉ざされるというゲートまでたどりつきました。
ここまではみんなポイントポイントで設けた休憩の場所に全員がたどりつくまで待っていてくれたのですが、
ここからはアタックです。よーいドン!でみんな猛スピードで登って行きます。
私と吉田さんとたかさんはみんながいったあとにスタートです。
このあたりで既に結構疲れていたので、ここからの坂はきついです。
登っても登っても続く坂道。
空気は冷たく、風が吹くと寒いです。
ただし、この日は日差しが強く、ちょうど良い感じです。
私は足に負担をかけないように、つりそうになる、ならないに関わらず定期的に休みを取ります。
そのうち吉田さんははるか向こうにいってしまいました。たかさんは結構辛そうです。
私もここはマイペースを、と追いつくことも待つこともせずにただひたすら漕いで、少し休んで、を繰り返しました。
どのくらいのところか忘れましたが、ミキさんが下りてきました。
既に頂上を制覇したらしく、様子を見にきたようでした。
すごい勢いで下っていって、しばらくすると、すごい勢いで登って抜かされていきます。
とりあえず、見なかったことにしてひたすら漕ぎます。
激闘
はるか前に走る吉田さんが、青いカンバンを指差し、そしてガッツポーズをしたように見えました。
いや、その時点では何をしたかはよくわからなかったのですが、カンバンの近くにきてわかりました。
標高2000メートルのカンバンでした。
ゴールはもうすぐです。
たしか、標高2100メートルちょっとのはずなので、あともう一回2100メートルのカンバンがくればゴールだ
そう思い、がんばって漕ぎます。
このあたりから、少し長めの直線が続いて、ヘアピンがあって、また直線、というのが続きます。
ヘアピンを曲がって向こう側にカンバンがあるたびに「2100か!?」と心躍らせるのですが、
「第○○カーブ」だったりして、がっくりします。
1900から2000まではあっという間だったようなきがしたのですが、2000から2100はひたすら長く感じました。
最初から軽いギアで登ってきたため、心拍数は一定以上あがっていませんでした。
そのため呼吸が辛いということはなかったのですが、やはり全体的に疲れがきていました。
それでももうすぐ来る感動のゴールに希望を燃やし、ペダルを踏みます。
周りの植物もだんだん変わってきて、「読んだレポートの通りだなぁ」なんて感心したりしていました。
おのさんが下りてきました。
「このあとカーブ曲がれば、ずっと直線ですよー」
そして通りすぎていきました。またきっとすごい速さで登っていくのでしょう。
もうあとちょっとなんだと思い、カーブを曲がりました。しかし、また向こうにはカーブです。
このカーブのことをいってたのかな、と次のカーブを曲がります。
ここでついに「2100」の標識を発見。ついにゴール間近です。
おそらく最後かその一歩手前になると思われるカーブを曲がります。
しかし、そこのカーブは他のカーブに比べて傾斜がきつめでした。
私はそこにインから入ってしまい、余計にきつい傾斜を登るはめになります。
しかし、もうすぐゴールだ!と足に力を入れたそのとき
「ギャア」
私の足は完全につってしまったのです。