ぬぬ 

 京都に行ってきました。
 日曜日は東本願寺が講演会場です。大谷保育協会主催で、保育心理士研究会という保育者向けの講座です。
 京都には何回かうかがったことがありますが、こんなど真ん中のお寺は修学旅行以来かも? 修学旅行? 中学の時です、すでに60年前!!
 もともとが仏教系の園の保育者の研究会として発足したそうなので、そういう方々が多いようです。会場と同時にリモートでも配信。
 始まる前にお寺を案内して下さいました。仏教に関して、恥ずかしいほどのちんぷんかんぷん。前日のにわか勉強で、浄土真宗の宗祖、親鸞の辿ったみちを読みました。

 東本願寺ってすごい広さです、その敷地や建物、庭に驚きです。どの部屋も広いし、ふすまや天井などがみごとです。畳の縁の布の色、ふすま、掛け軸、もうどれだけ美しいかと感じました。さぞや多くの方が救われたくて、救われてこの重みがあるのだろうと察しました。仏様の前で座って拝んでいる方々がいます。一般は入れないような所もご案内いただきました。
 しかし、昔の人は暖房のないところで、よくぞ過ごしていたものです。お寺にしても、お城にしても冷え冷えですよね。ご案内いただいた後は、もう足の裏が冷たく、膝が痛みはじめ、わが身はしんしんと冷えてしまいました。


 講演会には日本のあちらこちらからおみえになっていました。鹿児島、宮崎、大分、岩手、東京・・。私がお招きいただいたゆえんを代表の方が話しました。この方は岐阜の住職で保育施設を四か所開設しています。「それまで柴田愛子という人は全く知らなかった。だけど教頭からこの人のを見なさいと言われて、何本も映像(ユーチューブかも)見た。で、これからはこういう子どもの見方が必要かと思っておよびしました」と言うことでした。
 本は何冊も読むのは大変だけど、映像を見るほうが身近でわかりやすいのでしょう。そういえば、「りんごの木の夏季セミナーオンライン受講しました」「小学館の先生ゼミナール見ています」「チャイルドのセミナー受けました」「ベネッセの・・・」と、声をかけられることが多くなっています。私が忙しくなっているのは、コロナのせいで急発展したネット文化のお陰なのかもしれません。保育者たちはほんとに熱心ですね、コロナの時期も、次々要求される指針などにも、勉強しようとがんばっています。底辺の頑張りがあって、子どもたちは育てられているんです。それは事実なんですが、まだまだ「教えて育てる」やり方の方が多数派なのも事実です。


 講演後は住職さんとの対談でした。私からひとつ質問しました。
「いまや子どもたちに恐い思いをさせてトラウマになってはいけないので、節分さえなくなっている傾向があります。地獄絵図など、恐ろしいのを見せるのはいかがなものでしょう?」と聞きました。
「社会そのものに、怖いことっていっぱいあるじゃないですか。恐いものがなく生きられることはないです。恐がることはあっていいと思います」というお答えでした。
 鬼で恐がらせるのはよくない。豆をぶつけるのは虐待であるということから、節分をなくす園が増えているようです。豆のアレルギーやの喉や鼻に詰まる事故なども相まって、控える傾向にあるようです。私は事故に関しては配慮必要とは思いますが、恐いものはあっていいと思います。人間様は図に乗りますし、理性で抑えきれないものは、鬼や、神様や、罰が当たるなどの得体の知れない、大きな存在、恐い存在で押さえるというのは必要。子育てにおいては文化とさえ思っています。なので、住職のお答えにホッとしました。

 翌日の月曜日は、小学校に隣接している児童館に伺いました。以前に大勢の人の講演会を催して下さった方が「職場の人たちで共有したいので・・」と、よんでくださいました。その地域は子どもの数が増えていて、小学校は増築しているそうです。午前中は親子の広場、午後からは小学生一年から六年までが、夕方からは中高生がくるそうです。これだけの年齢差のある子どもたちを相手にしているだけでも大変ですが、人数も100人を越えるそうです。学校より学校っぽい施設だと思いました。職場の雰囲気はよかったですが、どう考えてもこの多様な子どもたちを多数相手にいているのですから余裕はなさそう。ここも底辺で子どもの育ちを支えている現場です。
 バスに乗って京都駅までの車窓には立派なお寺の数々。
 今度は十分な時間を用意して、お寺参りにでも来ようと思いました。というのも、東本願寺を案内していただいたたときに、いろんな工夫がされているのを聞きかじったからです。改めて、修学旅行はなんの足しにもなっていなかった。子どもたちの親睦旅行でした。
 やっぱり興味を持ってこそ身につけていく学びになるということでしょうかね。

 

                                        (1月29日 記)

 

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