全盲の就職活動(その4) 自己PR書類・どんな仕事が出来るのかをこちらから提案



視覚障害者就職活動の自己PR書類ですが、ほとんどの会社は視覚障害者に、やってもらえる仕事がなかったり、どのような仕事をさせればよいか、わからないというのが現状です。
そこで自己PR文書に、視力に障害があってもどんな仕事が出来るのかを記述し、会社側に提案していくことが大きなポイントです。


●出来る仕事を作業ベースで書いていくことが重要
次に自己PR文書に記述する、「どんな仕事が出来るのか」についての内容ですがPCなどを使用して、具体的にこんなことが出来るということを作業ベースにまとめ、こちらから積極的に提案していきます。
こうして視覚に障害があってもこのような作業が出来るということを明確にして自分を売り込むことが会社にとっても自分にとっても大切です。


●具体的な作業(私の場合)
視覚に障害があっても、どんな仕事が出来るのかを自己PR書類に記述する方法ですが、私の場合、目の見えているころの生産管理業務の作業を例に出しました。
生産管理業務は、いろいろありますが、その時やっていた仕事が、もし見えなくなったら、どのくらいの作業が出来るのかを考え、その結果、スクリーンリーダーとExcel、Wordを使って生産計画、予算管理、日程表作成、外注発注指示、出荷指示を作成し、メールを使って関連部門に発注するなどの作業を細かく記述。これら作業はスクリーンリーダーがあれば視力の有無に関わらず作業が出来るということを自己PR書類にてアピールしていきました。
なお記述した業務が選考を受けている会社の仕事内容と違っていても、視覚に障害はあるもののこのような作業が出来るということを書いていくことで、会社側も何か出来そうな仕事があるかも知れないと思い、検討してもらえるチャンスが増えます。
ところで過去にお仕事の経験があると、自己PR書類も書きやすいですが、経験が少ない方でもネットなどを利用することで自己PRに書く情報を集めることが出来ます。


●自己PR書類に書く情報を集める手段
視覚に障害があっても、どんな仕事が出来るのかを自己PR書類に記述するのが重要ですが、まずは自分が何をやりたいのかを明確にし、どんな仕事をしてその会社で働きたいのかをイメージします。
自分がやりたい仕事のイメージが出来たら、次に視覚障害者の雇用の成功例をインターネットで検索します。
インターネット上には、成功例として、視覚障害者の社員インタビューやメッセージなどが企業のホームページや就職サイトのページによく掲載されています。それら情報を数多く収集していきます。
そして、視覚障害者雇用の成功例を数多く収集したところで、自分のやりたいことと情報を比較し、一番やりたいことと近い情報をピックアップします。
情報をピックアップしたら、全盲でも、どのような作業をしているのかを分析し、自己PR書類にて、
「Aという企業では、全盲視覚障害者でもこのような作業をしているので、私も御社で同じような作業を行い、貢献出来る。」
という切り口で自己PR書類を作成していきます。

このように他社の具体的な事例を提案していくことで、企業側は全盲視覚障害者でも、このような作業を行うことが出来、企業において業務を遂行していける可能性があることを把握、その結果、視覚障害者雇用について前向きに検討いただける可能性が広がります。


石山朋史(BJA)



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