「日乃出堂通信」Vol.29

−今月のおたより−

 「エコエコアザラク」(タキ・コーポレーション/円谷映像)

 エコエコアザラク エコエコザメラク ………

 懐かしい漫画が映画になりました。怪しい雰囲気が良いです。
 黒井ミサ役には吉野公佳、クラス委員に管野美穂、美術教師に高城澪、といった顔 ぶれです。アイドルファンの人には見て損は無い(?)のでは。ついでに、血の好き な人も見て損はないと思います。実際にああ言う風になるかどうかはともかくとして 、これでもかこれでもかと言うくらいでます(^O^)。

 原作は、知っている人は知っている古賀新一のオカルトマンガです。当時の少年 チャンピオンは、この「エコエコアザラク」の他にも「恐怖新聞」「魔太郎がくる」 など怪しい雰囲気のマンガがたくさんありました。良い時代でした(^O^)。
 今でも「サスペリア」などがありますが、どちらかというと少女マンガ系の漫画で 、少年漫画の方ではあまり流行っていないようですね(単なる勉強不足かもしれませ んが)。
 映画の話に戻ります。この映画の原作は昔のではなく今「サスペリア」で連載して いる「エコエコアザラク2」の方です。何といっても主人公が高校生ですから。
 そして、このごろ流行の学園ホラーものです。

 内容は結構来ています。

 黒ミサに貫頭衣を着て、赤い蝋燭を使う魔女たち。
 連続殺人は魔法陣を描くためだと主張するオカルトマニア。
 開かずの間。
 残された13人。
 抜け出せない校舎。
 外と通じない、切られた電話。
 飛び来る机や椅子に舞い散る血。
 首と胴体の生き別れ。
 白墨で描かれた魔法陣。
 真一文字と吹き出る血。
 手と足を鉄釘で止められた少女。
 魔女の正体。
 ルシファーの復活。

 ある意味では学園ホラーの常道なのかもしれません。

 ヒロイン黒井ミサはある高校へ転校してきます。当然ながら彼女は死を呼びます。 これは公然の噂のようです。
 そして、今回は彼女の魔術が(最初の方はともかく)効きません。人間黒井ミサと 魔女の戦いです。
 しかし、ミサと同級生の恋愛(?)は見ていて辛かったです。情けなくて(T_T)。黒井 ミサはもっと孤高で人間を見下すような態度を取ると思っていますので。
 ということで、2はもっと人間臭さのない魔女を期待したいと思っています。

 エコエコアザラク エコエコザメラク エコエコケルノロス エコエコアラディーア

 ところで、この「エコエコ云々」は何語なのでしょうか?
 私の持っている魔術書には”魔術解読”と後もう一つしか載っていないので、わか りません。「エロイムエッサイム」も一緒に教えてくれると有難いです。

 (兵庫県 ”「白い鴉」購入計画推進中”の伴奉天)

 「耳をすませば」(徳間ジャパン)

 スタジオジブリの作品です。期待を裏切りません。
 典型的なガール・ミーツ・ボーイの話です。見ているこっちが恥ずかしくなるよう な(私だけ?)話です。見る年齢に問題があるのかも知れません(〜_〜;)。
 しかし、ヒロイン雫には脱帽しました。本を学校の図書館で借りて、更に市民図書 館でも借りる。やはりあれくらい本を読まなければ駄目なのでしょう。
 私にとって、この話はある意味では羨ましい物語です。何といっても将来やりたい 目標をはっきりと持っていますから。どこか「いらかの波」(河あきら/集英社)に 似ているなと思いました。
 更に、この映画に出てくる人は皆何か目標を持っています。
 生きていること以外の目標を、そろそろ見つけなければならないのでしょうかねえ?
 ということで、私には非常に見るのが辛かった作品でした。

 でも、この中で一番印象に残ったのは「カントリーロード」という曲(歌ではなく )です。初めて聞いたはずなのに、何となく知っている。奇妙だなと思っていると、 毎朝TVで掛っていて、聞いていたんですね(うつらうつらですが(^O^))。こういう 事もあるんだなと思いました。

 今年は「もののけ姫」だそうですから、これも今から期待したいと思います。

 (兵庫県 ”スタジオジブリ作品はいつも中古で買っている”伴奉天)

(編)伴奉天さんいつもありがとうございます。「エコエコアザラク」などと言う如何 物的作品の感想をありがとうございます。編集部でも影響されて見てしまいました。 伴奉天さんが感想を書いて送っていただいた訳がわかりました。実によい作品です。


−リスニングドラッグ−

 以下の文章は、PC−VANの某雑誌のオンラインエッセイ用に「日乃出堂通信出 張版」として、書いたものです。
 パブリックな場への公開を意識して内容はちょっと抑えていますが、著者本人とし ては気に入っています。
 これを機会に皆さんもSKi=「制服向上委員会」を贔屓にしてやってください. ..と言ってもCD等は手に入りにくいのですけどね。

 これを書いているのは梅雨です。これから気温と湿度が高い毎日が続くと考えると 毎年のことながらうんざりします。
 ところで、梅雨、夏と云えば食中毒です。食中毒と云うのは、食による中毒で、だ んだん食物に対し耐性が出来てきて、摂取量が増えていく。しかし、食べるのをやめ ると禁断症状が...
 中毒と云うとそういうイメージしかわかないのはすべて中島らも師のおかげと言え るでしょう。
 若かった学生の頃、普通にdragにあこがれることはありました。まあ、幸いな ことに非合法なものに手を出すことは有りませんでしたけどね。
 そういう中で出会ったのはジャンキー(文学)の神様と言われるウィリアム・バロウ ズでした。でも今になってもバロウズは判りません。
 で、学校を出て会社に入って中島らも氏との出会いがありました。と言っても直接 合ったわけでは有りません。
 あの頃の彼にはなんだかわけが分からないパワーがありました。
 そして、大阪ローカルで放映されていた「なげやりクラブ」、深夜の「現代用語の 基礎体力」「ムイミダス」などの番組(これらにも中島らも氏は関係していた)にかな り影響されました。
 特に「なげやりクラブ」は“すごすぎる”としか言いようがありません。どこかで LD BOXを出して欲しいくらいです。
 ま、そんなことはどうでも良いのですが、中島らも氏の著作を追っかけていくうち に出版されたのが「今夜、すべてのバーで」(現在、講談社文庫収録|講談社)でした。
 この小説には不覚にも深く感激してしまいました。中島らも氏自身の体験と文献に 拠る知識。“薬物おたく”としての認識でした。まあ、それ以前の本(エッセイ集とも 言う)を読んでいる限り「彼はジャンキーだ」とは思ってはいましたが、実際そうだっ たことを確認できて嬉しかったです。
 その後、「今夜、すべてのバーで」で何とかの新人賞を受賞してからはつまらない 文章ばかりを書くようになってしまいました。
 ただし、昨年末に出た「アマニタ・パンセリナ」(集英社)は中島らも氏自身の薬物 遍歴が書かれていておもしろかったですけど。
 本論はそこにはありません。実は私もそういうジャンキーになりたいと願っていた のですが、中島氏と同様、非合法の薬物に手を出すこともしたくないし、なのに私は アルコールがだめときている、かといって砂糖やチョコレートでラリるのも辛そうだし。
 その時ふと気が付いたのが、私が暇なとき良く聞いているアイドルグループのこと なのです。
 “ライブ”と云ってもほとんど“学芸会”レベル。10年前の私ならきっと耐えら れなかったことでしょう。なのに今はそれを毎日のように聞きながら顔の筋肉を緩め ているのです(ほとんどすけべおやじである(^_^;))

 アイドルに対する耐性獲得、習慣性、そして一番恐ろしいのは、アイドルが、モル フィン系の麻薬等のような肉体的依存を示すのではなく、コカイン系のような精神的 依存を強く示すことなのです(これは当然のことでしょう)。この精神的依存性を示す 薬物中毒からの再起は非常に強靭な意志を持ってしても不可能に近いと言われていま す。もちろん脳内麻薬物質の関与も否定できないため肉体的なダメージもあるかもし れません。
 そう、アイドルが私にとっての薬物でありアシッドヘッドへの道だったのです。(実 はニコチン中毒患者でもありますが)
 アイドルが一種の薬物である状況をわたしの体験を元に説明しましょう。
 まず、習慣性
 これはアイドルに限ったものではありませんね。音楽というのは習慣性があります。
 なにより現代日本では何処へ行っても音楽が流れてます。音楽無しの生活が考えら れない状況だと思います。こうやって何かを書いているときにもなんらかの音楽を必 要としてます。

 ドラッグとしてのアイドルの恐ろしさ(^O^)は、その“耐性獲得”にあると言えます。
 まず、アイドルを試してみると言うのは、人それぞれの理由があると思います。
 例えば、私の知り合いには、「卒業論文を書く時のBGMにEL&P、クラフトワ ークやキングクリムゾンだと聞き入ってしまって作業にならないから」と言う理由で アイドルものを聞き始めた人物もいます。
 私の場合も、その知り合い同様、普段BGMとするのにはEL&P、クラフトワー クやキングクリムゾンだと聞き流せず、かつドライブに向いてないと言う理由からで した。
 プログレなどから入ると、最初に手にするのはアイドルの中でもいくらか歌のうま い人のレコード(CD)なのです。それでも、「これじゃあ“歌手”とは呼べないよね 」などと不埒なことを考えてしまいます。
 また、アイドル中毒の初期症状として、数人のアイドルをチェックし始めると言う のもあります。
 そうやって、数年経つと驚いたことに、最初に手にしたアイドルの歌が“うまく” 聞こえてくるのです。
 つまり、アイドルの歌に耐性を獲得して、さらに深みにはまっていることに気が付 くのです。そうなるともう後には引けません。自らをして、「さらに」を求めてしま うのです(^_^;)
 そして、その「さらに」が内なる“興奮物質と抑制物質”を導き出しているかのよ うな緊張感と陶酔感を体験させてくれるのです。
 そう考えるとアイドルというのは究極のプログレッシブなのかもしれませんね(本当 か?)

 残った「依存性」の問題は書くほどのこともないと思います。
 アイドルには皆さんご存じのとおり「追っかけ」と言う人達が存在してます。その 事実だけでアイドルが精神的依存性を持つことの証拠として良いでしょう。
 私自身は“追っかけ”まではしてませんが、暇な時に聞くCDにはアイドルを選ん でしまう確率がかなり高いことから精神的依存性を持っていることを確信しています。
 また、上に書いたように、「興奮剤と抑制剤の同時服用」的な快楽を伴っているこ とからドーパミンの存在も予測されます。それが、肉体的依存性を起こしてないと言 う保証もありません。ということはこの先アイドルに見切りを付けることがあった場 合になんらかの肉体的な禁断症状まで伴うと云うことなのでしょうか?(^_^;)精神的 な禁断症状は覚悟してましたけど。
 意外とつらいかもしれない(^O^)
 すでに、CDが店頭にない昔のアイドルが気になるというフラッシュバック(ちがう か)には悩まされてますけどね。(^O^)
 取り留めのない話となってしまいましたが、トリップするのに外部から接種する薬 物を必要としない場合もあると云う話でした。
 では、また。

<参考文献>
毒物雑学辞典 ヘビ毒から発ガン物質まで 
      大木幸介著|ブルーバックス|講談社
薬物依存 ドラッグでつづる文化風俗史
    中村希明著|ブルーバックス|講談社
チョコレートからヘロインまで ドラッグカルチャーのすべて
    A・ワイル/W・ローセン著、ハミルトン・遥子訳|第三書館
(次はリーディングドラッグだと思う斉藤一夫)


−いもほり日記 by NP−

「容赦なく」Without Remose
トム・クランシー著
新潮社|新潮文庫
 トム・クランシーの翻訳最新作です。主人公はジョン・クラーク。ベトナム戦争当 時の話です。CIAに移ったばかりのJ・グリア提督(ベトナム戦争当時すでに提督だ った!)も出てきます。話は、クラークがCIAの工作員にリクルートされるいきさつ です。そして、麻薬との関わり!
 ところで、ジョン・クラークと云えば「Clear and Present Danger」です。
 今、その「Clear and Present Danger」のLDを見ながら書いてます。意外とこの 映画に出てくるクラークのイメージは合っているのかも知れません。「Witnout Remose」の頃はまだ、SEALの面影を残していましたが、「Clear and Present Danger 」まで、20年の歳月は、元SEAL隊員さえ老いさせるでしょう。

「Clear and Preset Danger」と「Without Remose」に共通するのはクラークが出てく ることでもおわかりのように「味方を見捨てるな」でした。

「Without Remose」ですが、後半、スパイの描写に楽しい部分があります。まあ、私 が本で知っているエスピオナージュの知識と同じ(正しいかどうか知らない)ので楽し かったのですが。


「Aptiva」
 云わずと知れたIBMのオールインワンパソコンです。
 今回は6月に発売になったH64を購入しました。
 CPUは、ペンティアム、クロック周波数は166MHzです。
 まあ、WINDOWS95プリインストールなのですが、95はわかりません。
 ところで、この原稿は、THINKPAD330Csで書いてます。Aptiva は、ビデオCDを再生してます。タイトルは「リボンをほどいて 17才のメモリア ル/宝生舞」です。フルスクリーン表示で見ているのですが、なかなか味があってよ ろしい。
 さすがに、ビデオCDの情報量だとフルスクリーン表示は、画質的には凄く悪いで す。でも、所詮パソコンでビデオを再生しようと云うのですからそれはそれで許せます。
 ただ、小さな画面で再生しながら原稿を書くというのは頭がついていきません。
 映像を見ながら原稿を書くのは、正面にモニターを2台並べて行わなければならな いようです。

 ところで、Aptivaにはサウンドブラスタ互換の音源ボードが付いていて、そ れにMIDI/JOYSTICKポートが付いてます。
 んで、さっそくTHRUSTMASTERのラダーペダルを購入してマイクロソフ トのFlightsimuraterを試してみました。(ジョイスティックは98に サウンドブラスタ導入時に購入済み)
 WIN95のDOSゲーム窓とDOS窓で試してみましたが、DOS窓の方が良い ようです。DOSゲーム窓では周期的に停止してしまいます。95との絡みがあるの でしょうか?わかりません。表示もSVGAではしてくれないし。なにか設定の秘密 があるのかも知れません。そこら辺はこれからの課題でしょう。おっと、スクリーン セーバが働いてしまった。
 で、ラダーペダルですが、実に使い心地が良いです。ラダーの制御がやりやすい!
 ちょと部屋の配置を考え直して、椅子に座って作業する環境を造らなければならな いのかも知れません。
 宝生舞ちゃんはかわいいですよ。

 最後にAptivaにはDOS/V用BTRONである「1B/V2」も入れまし た。え?BTRONを知らない?バツですねえ。
 さて、この原稿は330で書いていると書きましたが、Aptivaで編集すると きにはやはりFDを介してファイルをやりとりしなければならないのでしょうか?な んとなくアナクロですね。やはり室内LANを組まなければならないのでしょうか(^O^)

 結論:WINDOWS95は判らない!

「航跡 −造船士官福田烈の戦い−」
古波蔵保好著
光文社NF文庫|光文社
 単行本は昭和40年刊となってますから、今から30年も前の話です。
 未だにこの手の本を購入して読んでます。まあ、造船会社に勤めたことがあり、帝 大造船学科卒の人間に囲まれたことのある人間としてはしょうがないとも言えます。
 内容的には大したことはありません。皆さんご存じのことばかり書いてます。知ら ないのは私だけです。
 実際の軍艦計画資料が欲しいですね。
 このところ本を読んでいない!なぜだ!それは、日乃出堂通信を出さなくなったか らだ!きっと。
 また、ちょっと本を読んで記録をつけるようにしなければならないとは考えている のですが。

「SKi」
 SKiとはすなわち「制服向上委員会」である。これが実に良いのである。
 筆舌に尽くしがたいとはこの良さのことであろう。もう心がぶっ飛んでしまうくら い良いです。実際この良さをかみひとえさんに伝えようと言葉にしたところ、この口 から出てくるのはほとんど“悪口”ととられてもしょうがない単語なのです。
 つまりアイドルは「奥が深い」と言うことでしょう(^_^;)
 お求めはお近くのTower Recordか新星堂で!
 って、大分には新星堂もTower Recordもあるのですが、どちらにも「SKi」のC Dは置いてないです。近畿在住の伴奉天さんに確かめていただいたところ難波にある 新星堂にも「SKi」は置いてないようです。つまり、SKiのCDは東京以外では 手に入りにくいと言うことでしょう。
 私は、販売元から直接通販で手に入れてます。

「脅迫された管制システム」
リー・グルー・エンフェルド著
伏見威蕃 訳
新潮文庫|新潮社
 航空小説と言えるのでしょうか。テロリストに航空管制システムを乗っ取られると 言う話です。詳しい内容は本を読んで貰いたいと思います。
 航空管制システムを盾に政府が脅迫されるというのは、私がちょっと前に読んだデ イル・ブラウンの「頭上の脅威」(早川書房)でもありました。
「頭上の脅威」では空港がテロリストにより如何に簡単に爆撃されうるかと言う話で したが、この「脅迫された管制システム」はコンピュータにより航空機の運航を混乱 に陥れるタイプの脅威でした。
「脅迫された管制システム」はラストが「ちょっと」と言う感じでしたが、途中はま あまあ読み続けさせてくれる小説でした。
「頭上の脅威」に関しては、今年のアトランタオリンピックに関わるテロによって、 強力な対テロリスト法案を可決してくれると思うのでそれで良いです。やっぱテロリ ストに対しては強力な“力”を用意しないとね。

「イントルーダーズ」
スティーブン・クーンツ著
高野裕美子 訳
講談社文庫|講談社
「興奮のグラフトン・シリーズ最新作!」と帯にあります。
 グラフトン氏は、地中海でのある事件で飛行機に乗れなくなって、地上勤務をして いるのが最近の活動なのです。
 しかし、このお話は彼に再び飛行して貰うため時間を戻してベトナム戦争あたりを 描いてます。グラフトン大尉(今はグラフトン大佐です)のころの話です。
 お話はベトナム戦争後の平和な海で訓練に明け暮れるグラフトン達の生活を描いた ものでした。もちろん事故あり、事件ありで退屈はしません。もっとも、事故や事件 がなくても夜間の着艦があれば退屈はしないのですけどね。

「映画を旅する」
田沼雄一著
小学館ライブラリー|小学館
 帯に端的に本の内容が書かれているので紹介しましょう。
「名シーンの舞台を訪ねて列島縦断24の旅!」
です。
 高倉健主演作品が6本、大林監督作品が4本。著者はかなり偏ってます。
 紹介作品には「犬神家の一族」も入ってました。この作品のロケは長野県上田との ことです。
 しかし、この本を読んでも「実際に見に行きたい」と思わないのはなぜでしょう。 また、紹介された映画も「見てみたい」とは思いませんでした。
 同じ小学館ならまだ「続々・映画の昭和雑貨店」(川本三郎著|Shotor Library)の 方がましです。
 でも、「異人達との夏」は欲しいかもしれません。

「異端審問」
渡邊昌美著
講談社現代新書|講談社
 異端審問の入門書と言える本です。異端と判断するための教義については触れられ てないためちょっと物足りないのですが、そこまですると新書サイズではとても入り きれないことは素人にもわかります。
 まあ、概要しか書いてないのですが、中世ヨーロッパでのキリスト教義研究が如何 に深いものであったか何となく感じられる本です。おそらく論理学的な発達はすさま じいものが有ったと思われます。
 超有名な審問官である“ベルナール・ギー”の紹介も一節をとってされてます。
 こういう素人向けの入門書を必要とするのはニッツウの読者の中では私くらいだと は思いますが、もし、「これから」と思っている人があればと思い紹介しました。

「電房具1B」
パーソナルメディア社
 トロンプロジェクトから生まれたリアルタイム、マルチタスクOSの“TRON” 。その中のビジネスユースを念頭としたBTRONのDOS/V互換機用OSです。
 現在、専用CPUを使用したBTRONはBTRON3と言うところまで開発され てますが、このDOS/V用はまだBTRON1の仕様です。
 3Bは32bitCPUを使用し、HDD必須でかなり使えるものだと聞いてます。
 1Bはかなり限定された仕様しか持ってません。しかし、基本的にはフロッピベー ス!でマルチタスクのウインドウシステムが動作します。これMS−WINDOWS しか知らなかったものには驚異でした。
 その上、ワープロ、データベース(カード型)、表計算、通信、MIDIなどを入れ てもHDDの容量が100MBあれば十分と言うのもすごすぎると思うのです。
 ただ、今までMS−WINDOWSの世界で暮らしてきたため、慣れてないと言う こともあり1Bはちょっと使いにくいかな?と言うところもあります。
 でも、やっぱりこれからはBTRONの時代でしょう。
 みなさんもパーソナルメディア社のTRON雑誌「TRONWARE」を購読して くださいね。
 ところで、このOSは昨年(1995年)秋にかみひとえさんが東京出張に行ったと きに買って貰ったものです。もちろんかみひとえさんも持っています。

「重力の影」Twister
ジョン・クレイマー著
小隅/小木曽絢子訳
ハヤカワ文庫SF|早川書房
 けっこうハードSFです。超ひも理論がベースです。
 めずらしく購入してすぐに読んだのですが、一気に読むことが出来ました。おもし ろかったです。
 著者は物理の博士だそうです。日本でもこういう作家が多く出てくるとおもしろく なるのですけどねえ。
 ところで、この話に出てくる「科学者達」も良いです。「やっぱりハードSFはこ うでないとね」と言う感じですか?やっぱりクラーク先生の影響なのでしょうか?
 書かれたのは7年ほど前とのことなので、コンピュータネットワークの部分にはか なり古い感じを受けます。でも本編のアイディアにはあまり関係ないので良いでしょう。
 ところで、巻末の著者による解説は不要かもしれないと思いました。

「Grasstron」
SONY
 ソニーのHead Mount Moniterです。思わず買ってしまいました。
 でも、使えません。値段高かったのに(笑)
 まず、重い。軽いのですが、実際頭に着けて映像を見ていると重くなってきます。 かなり首を鍛えてからでないと厳しいかもしれません。
 解像度はよくありません。大画面が眼前に広がるわけでもありません。でもなんと なくうれしいですよ。買ってきたその日だけはね。
 重さと解像度の悪さからかなり疲れます。でも、ベッドにねっころがって見ればそ れほど疲れません。寝ながらテレビを見るには適したデバイスでしょう。
 そのうち、ビデオカメラを購入して、モニター代わりにしてみるのも良いかもしれ ません。

「原子爆弾−その理論と歴史−」
山田克哉著
ブルーバックス|講談社
 裏に「人類の「叡知」が生み出した無差別大量殺戮兵器!!」とあったので買ってし まった。
「その理論と歴史」と副題に有るのですが、原子爆弾以前、つまり原子核物理学の部 分の歴史はおもしろいのですが、理論についてはご存知のことしか書いてません。
 理論については、いまさら“原子”の説明を書くのもどうかしているのですが、そ の説明にこの期に及んで“太陽系”を引き合いに出すのも納得行きません。この“太 陽系”モデルは完全に今のモデルと異なるのにね。また、原子の説明図も今のモデル からはまったく想像のつかないおかしなものになっています。あの画は30年以上遅 れています。
 そういう風にちょっと気になるところも有りますが、原子爆弾開発を、原子核物理 学の黎明期からの歴史としてあの程度の分量にまとめ上げた著者の努力は良いと思い ます。
「人類の叡知の結晶」としての原子爆弾のすばらしさをもっと簡単に知りたいと思っ ている私のような一般的な者には適当な入門書でしょう。
 また、原子爆弾の解説書は同時に原子力の平和利用の解説書であるので原子炉の安 全性を信じている普通の国民にも読んで欲しい本です。
 ところで、あさりよしとおの原子力啓蒙漫画は単行本にならないのでしょうか?

「世界の航空エンジン」
ビル・ガストン著
見森昭+川村忠男訳
グランプリ出版
 レシプロ編とガスタービン編の2冊が出ています。この本は私のような素人には結 構な資料となります。
 もちろんカーチスも出ています、でも、ジブリもフォルゴーレも出てません(^O^)
 日本のエンジンメーカーもちゃんと押さえられています(当然ですが)。そう、愛知 が載っているのです。
 しかし、個人的には、ガスタービンエンジンと言えば、ロールスロイス、GE、ア リソンそしてP&Wくらいしか知らなかったですからガスタービン編の方が役に立ち ました。

「エコエコアザラク」
吉野公佳、菅野美穂主演
 他の情報が欲しい?そ言うひとはLDを買いなさい。そで無くてもまだ持ってない 人は即刻買いなさい。でないと、私が呪っちゃうぞ。でも買ったら買ったで、このL Dは呪われていますからねえ。
 以前から見てみたいとは思っていながらどうしても決心がつかなかった映画なので すが、ちょっとした気の迷い(かなりの気の迷いだな)からLDを購入してしまった。
 しかし、決心がつかなかったのも当然の映画です。見る前からつまらないことがわ かっている映画ほどつまらないものはないですから。
 しかし、ひどい映画だ。LDの帯に「最新SFXを駆使した...」と書いている のですが...
「これが最新SFXか!」と言う感じです。
 もう、カス映画ですね。所詮日本映画と言うことでしょうか?納得行きません。
 吉野と菅野が出ていることでいくらかは相殺されるとは言え、トータルとしてはマ イナスです。
 と言うことで、まだLDを買ってない人は即刻購入して呪われてください。
 あと、個人的には高樹澪さんは好きなのでそれは許します。
 ところで、伴奉天さん、高樹さんは数学教師ですよ。
 いや、すばらしい特撮、美しいライティング、様式美の演出、どれをとってもすば らしい映画です実際。
「まだ、「ハウス」(大林監督作品)の方がまし」と思うのもあながち間違いでは無い と思います。

「ハード・ブレット」Bullet
ジュリアン・テンプル監督
ミッキー・ローク主演

 見た後に非常に清々しい印象の残る映画である。
 薬と絶望感。死への願望。
 あのようなクソな人生を送ってみたい。ミッキー・ロークの役どころは35歳。私 と同じだ。
 なのに私は馬鹿のように会社に通い、本を買って喜んでいる。人間として私は退廃 しすぎている。彼のように人間らしく生きなければならない。
 美しい兄弟愛の映画でした。こういう甘い映画はあまり人にはお勧めできないかも しれません。でも、彼のような人間らしい生き方もたまにはお話で見ておかなければ ならないかもしれないと思います。

「ドラゴンハート」
 くさいお話です。見ていられないくらい恥ずかしいです。でも、そういうお話が大 好きなのがいやになります。
 ドラゴンは、ちょっと頭でっかちかなという気がしないではないですが、良いでし ょう。
 それにつけても、コンピュータ界でのMS同様SFX界ではILMなのですね。な んとなくいやです。でも、MSを無視してパソコンを使用できないのと同様ILMの 特撮がないと映画が始まらないのは認めます。
 それにつけても、すごい動きです。
 しかし、特撮について言えば過去に「ジュラッシック・パーク」があったのであの 程度は出来て(今回程度には進歩していて)当然と考えるわけです(観客は厳しいもので す)。
 個人的にはお話が気に入りました。あのくさいお話がです。
 騎士道などと言う惚けた戯言を口にするのがとても好きです。いきなりドラゴンが 一行をアヴァロンに連れていくと言うのも恥ずかしくて良いです。
 テレビ放映の時にはやはり若山さんの声でやってくれるのでしょうか?若山さんの 声のドレイコも見てみたい気がしますね。

「日本沈没」
 vapのJ・CINEシリーズから昔の映画のサントラがいろいろ出ていますが、 その中の一つです。
 この映画で、佐藤勝と言う作曲家を知りました。その後、テレビで見た「山本五十 六」とか、「用心棒」、「椿三十朗」などの作曲家でもあることを知りました。伊福 部さんより好きかもしれません。まあ、伊福部さんの「海底軍艦」も捨てがたいです けど。
 この「日本沈没」は東宝映画の中でも一番好きな映画の一つです。話も良いですし 、音楽も良いと思います。
 原作も良いですよね。小松左京氏の小説の映画化と言えば、「首都消失」も「さよ ならジュピター」も小説はすごいのに映画はカスでした。しかし、この「日本沈没」 はかなり良い出来だと思っています。残念ながら「エスパイ」は見てない。
 そういえば、「日本沈没」の原作は光文社新書(カッパノベルス版)も、徳間文庫版 も光文社文庫版も持ってます(自慢です...なんだそりゃ(^O^))
 で、佐藤勝氏ですが、「ゴジラ対メカゴジラ」(釈迦に説法ですが、ゴジラVSメカゴ ジラではない)の音楽担当ですね。あのメカゴジラのテーマはわくわくさせられました よね。中野光線キラキラで外皮が落ちて姿を現すメカゴジラのシーンと共に強く印象 に残っています。
 映画化と言えば、「虚無回廊」を映画化して欲しいです。でも、その前に「はやく 完結させろ!」と言いたいです。
 で、さらに映画化と言えば「宇宙のランデブー」の映画を見てみたいです。お金が 掛かるでしょうね。そういえば「宇宙のランデブー」は日本版スターログの「Believe or not Believe」にも載っていたような?あれ?「宇宙のランデブー」はそんな昔の 小説では無かったような気もしてきた。
「楽園の泉」の映画化の話も聞いたことが有るよな気もするし。「渇きの海」も映画 が見たいような。
 軌道エレベータと言えば「星々に架ける橋」でも良いかも。
 日本人作家で言えば石原藤夫博士でしょう。「コンピュータが死んだ日」も捨てが たいですが、「ランダウの幻視星」(ランダウの幻視星も軌道エレベータの一種ですよ ね)などの光世紀シリーズが見たいです。あと、惑星シリーズはテレビアニメ化してく れませんかねえ。「オロモルフ号の冒険」はちょっとねえ。
「タウ・ゼロ」なんかも良いかもしれません。で、亜光速で航行するバザード・ラム 宇宙船の見え方をコンピュータシミュレートして、映像化する...お金があ。まだ 、「RAMA」の方がましかも。輪郭だけシミュレートして後はテクスチャ張り付け るだけで済みそうだからねえ。亜光速だから表面のディティールいらないかも。

「カオス−新しい科学をつくる−」
ジェイムズ・グリック著
大貫昌子訳
上田よし亮監修
新潮文庫|新潮社
 古い本で、いもほり作品と言えます。内容は題名どおりで、「カオス」に関する科 学分野の歴史を概観したものです。
 私にとって、“カオス”と言う分野は名前しか知らなかったものなので、かなり楽 しんで読むことが出来ました。
 この本の中で“カオス”のおもしろさにちょっとだけ触れることが出来たような気 がします。
 中でも、後半「力学系集団」に書いて有った「カオスまたはほぼカオス的系がマク ロスケールとミクロスケールの空白を埋め、カオスこそが情報創造そのもの」と言う ところに惹かれました。
 また、ニュートン法(知ってますよね)の初期値の境界(どの解に収束する初期値がど こにあるのかということをプロットした図)は衝撃的ですら有りました。
 この原本が出版されたのが1987年ですが原本の出版時点ですでにカオスはそれ 独自の探求だけでなく広範囲な科学分野の問題解決手法になっていることを考えると 、現在のカオスの状況というのも知りたいところです。
 しかし、個人的には非線形などはまったく扱ったことがないので恐ろしいです。実 際に工場で相手にしているのは非線形なのですけどね。
 そういうわけで、この本はお薦めです。

(ブランクが長いのに取り上げた題材が少ないNBC兵器大好き)


−人体標本を見に行きました−

「PLASTINATION|人体の不思議展|からだ=未知なる小宇宙」
 1996年9月28日大阪の梅田スカイビルで開催されている「人体の不思議展| からだ=未知なる小宇宙」(PLASTNATION)を見に来た。
 内容は、「プラスティネーテョン」であり、人体標本が並んでいた。これは昨年見 逃した国立科学博物館で行われた特別展とほぼ同じものであろう。
 基本的に、今回の見学はこれまで写真で見てきた人体標本の実物を確認することで あった。
 写真と実物の違いは、興味がある部分について細かく見ることが出来ると言うこと でしょう。
 全身標本については筋肉の付きかたがおもしろかった。
 やはり手首の駆動系を取り出した解剖標本が欲しいと思いました。手の駆動装置自 体は単純でいつでも機械に置き換えることが可能なようです。問題は制御をどうする かだけです。まあ、それが一番の問題なのでしょうけどね。
 今回、どの標本も興味深いものでした。中でも、3ヶ月の胎児の“透明な”標本は 実にきれいでした(残念ながらカタログには載ってません)。胎盤の標本もおもしろか ったですが、スライス標本も見てみたかったと思います。
 内蔵の標本はだいたい外部から見ることが出来る程度のものでおもしろくはありま したが、じっくり見ていたいと言うようなものではありませんでした(私にとって)。 特に消化器系は顕微鏡単位で表面での生体としての“動き”の方が素人には興味があ ると思われます。
 また、肺、腎臓、肝臓などは構造が微細であり展示標本ではよくわからないのもち ょっと不満です。
 タバコを吸って真っ黒な肺は見慣れているので驚きませんが、肥大した心臓は驚き です。カタログではよくわかりませんが、驚くべき大きさです
 しかし、プラスティネーションと言う技術はすばらしいです。
 いろいろな、形での標本がつくれます。これは画期的と言う以外ないでしょう。
 生体では最近CTやMRIと言ったコンピュータ装置で見ることが出来る横断面や 縦断面が実物としてみることが出来ます。これらは、人体の形状について再確認させ られます。
 スライス標本は厚くも薄くも創ることが可能なようですが、その薄さはやはり実物 を見ると感動します。

 一番きれいだったのは手首の血管だけを取り出した標本です。残念ながら、図録に 載っている写真ではよくわかりませんが立体造形として実にきれいです。この美しさ は、どちらかというと自然の造形の美しさと言うよりも標本化した人の感性の勝利な のでしょう。

 ところで、今回標本にさわることが出来ました。全身標本は構造的な強度を持たせ る為に、堅い樹脂で固定しているため触った感じは「モデル」そのものです。触った 標本の中で唯一肺がシリコンのような柔らかい樹脂で固定されており触った感じが柔 らかくておもしろかったです。
 また、確かににおいは樹脂のにおいしかしませんね。

 第4土曜日と言うことで子ども連れが目立ちました。良い時代になったものです。 やはり昨年の死体ブームは無駄でなかったということでしょうか?

 しかし、今年(1996年)になってプラスティネーションの人体標本を見ることが 出来るとは思いませんでした。
 今回の特別展もそうですが、標本はドイツのハイデルベルク大学からの借り物なの で、昨年の国立科学博物館での特別展が日本で見ることが出来る展示としては今世紀 最後ではないかと言われてましたから実に幸運と言わざる得ません。

 今回この展示会を見ることが出来たのはすべて伴奉天さんのおかげです。
 実は、9月か10月に国立民族学博物館(みんぱく)で行われている「生誕200年 記念特別展|シーボルト父子のみた日本」と云う特別展に行こうと計画していたとき に、「実はこういう特別展が行われている。」と云う情報をもらったのです。
 昨年の国立科学博物館での特別展を知ったのが、終了の2週間くらい前で、結局ス ケジュールが合わずに見逃して惜しい思いをしていましたから、とるものもとりあえ ずやってきたわけです。もちろん、みんぱくの特別展も見に行きました。
 みんぱくの方は後で書きましょう。

 この特別展のどこかに張ってあったのですが、「普通の模型とは違う、それぞれが 異なる自然」と言うことが確かに大切なのかもしれません。
 後日、改めて調べてみたら、上記の言葉は、プラスティネーションのカタログCD の裏に養老孟司東京大学名誉教授の言葉として収録されていたものでした。

 しかし、素人にとっては、人体の不思議、未知なる小宇宙と言うのはやはり生体で ないと実感できないとは思います。活動していてこそ、生体機能の精緻さこそ、興味 を惹かれます。
 松原さんとも話したのですが、こういう催しというのはやはり「見世物興行」や「 衛生展覧会」と同レベルなのでしょう。少なくとも私個人にとっては同レベルだと断 言できます。
 やはり次は「鳥羽秘宝館」で「衛生博覧会」です。

−「人体標本」を見たついでに「シーボルトの軌跡も見て参りました」−

「生誕200年記念特別展示|シーボルト父子のみた日本」
 シーボルト事件で一躍有名になり、幕末の蘭学に非常に大きな貢献をしたフランツ ・フォン・シーボルトが今年生誕200年とは昨年まで知らなかったことです。また 、彼が事件で国外追放を受け、阿蘭陀に戻った後にもうけた2人の息子達が開国後の 日本にあれだけ大きな貢献をしていたというのも全く知りませんでした。これは日本 人として恥ずかしいことだと思います。
 今回の特別展には、シーボルト父子が日本で収集した品物が展示されていました。 多くの品物はいわゆる“日用品”レベルのもので−日用品と言っても一般庶民が使用 できたとは思えないものばかりでしたけど(^O^)−、日本国内では残りにくい部類のも のが多かったようです。いくつか「ええっ?こんなものまであったの?」と言うもの もありました。
 まず、この特別展の入ってすぐのところに、「生き人形」がありました。この人形 の存在は「衛生展覧会の欲望」で知識として知っていましたが、実物を見たのはもち ろん初めてです。
 実際目の当たりにしてみるとその精巧さは驚くべきものがあります。
 こういう人形で話題の事件の再現場面を造ったらそれは確かに受けるでしょう。そ して、当局がいやがるのも無理無いことと思いました。
 これはやはり、上にも書いたように「鳥羽秘宝館」へ行かずばなるまい。と強く思 った次第です。
 ところで、江戸時代に流行った「見世物興行」は東京の江戸東京博物館に展示され ているのでしょうか?はたして、国立歴史民俗学博物館には資料があるのでしょうか?  それにつけても、際物好きな私です。いかに自分が一般人か痛感できます。

 江戸時代にはやったと言えば浅間信仰です。これは一般には富士講として有名な弥 勒信仰ですが、庭先にミニ富士を作る話はよく聞く話ですが、この展示の中には「起 こし画」と言う技法を使った「富士全景図」と言う宗教図がありました。これは知ら ない資料でした。結局あのころからまったく変わってないと言うことがわかりました。  あと、感動したのは「麦藁細工」です。これが「すごい、綺麗」としか言いようが ない。興味がある人は図録をお見せしましょう。ともかく、実物は無理としても図録 を見て貰いながらでないとその美しさはわたしには説明できません。

 シーボルト父は医者でありながら(ありながらと言う表現が正しいかどうかはこの際 おいといて)民族学者としても民俗学者としても一流でした。特別展の紹介にも書いて 有ったように彼のコレクションは「日本」のすべてを網羅していました。それは現代 にあってこそ重要な意味を持っていると認識させられる展示です。
 彼の著作である「日本」を読んでみたいと思わされるコレクションです。
 また、最初に書いたように彼の息子2人の活動も驚かされます。如何に開国直後の 日本に貢献したかと言う話は私もよく知らないので何とも言えませんが、年表を読む 限り「この一家についての本がもっと出て良いのでは?」と思わされます。
 それから息子達のコレクションは父親のコレクションをより完成へ近づけるものです。
 コレクションをした人については何度も書いているようにまだ何も知らない段階な ので何も書けません。残念です。

 で、コレクションの内容です。
 最初に書いたように一般人の生活と言うより、裕福な層の生活が多くコレクション されているようです。しかし、あのころの裕福な層と言うのはいったいどう言った人 たちだったのでしょう?これは一緒に行って貰った伴奉天さんとも話したのですが、 コレクションを見る限り私達には想像できませんでした。やはり、現代日本人は平均 的に金持ちになっているようです。
 今回の展示にあった、「人形」とか「農具のミニチュア」と言うのはこれらも初め て見たような気がします。これらはかなり精巧なもので、意外なところで日本のミニ チュア文化に触れたような気がしたものです。しかし、所詮「ミニチュア」を造る技 術がすごいだけなのかもしれませんね。日本には“見立て”と言う技法がありますが 、そういう文化が今の特撮技術の荒廃を招いたのでしょうか?
 観客には「いかにミニチュアに見えようと映画を見る上での“約束”としてそれを 本物に見立てる」ことが期待されているのでしょうか?そんなことは無いはずです。 見立ての技術こそが今の日本の特撮技術に必要なことだと思います。

 まあ、そんなこんなで、いろいろ新しい情報も手に入れることができました。
 次は、千葉にあると云う「国立民俗学博物館」にも行って見たいですね。

 とまあ、これが今回私がわざわざ大阪まで出向いて見たすべてのものです。
 土曜日に大分を出発してその日にこの2つの展示を見て、翌日の日曜日は日本橋に 行ったのですが、幸い目に付いたものは無く、何も買う事なく最終の全日空機上の人 となったのです。
 でも、今度行ったときには何か買っちゃる!

(一日で博物館2つは結構つらいと思う斉藤一夫)


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_   「日乃出堂通信」Vol.29 1997年...?  _
_   発 行:日乃出堂               _
_   e-mail:hig@fat.coara.or.jp          _
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