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やどやのだん
宿屋の段
を弾きながら夫を慕う気持ちでいっぱいの朝顔が歌ったのは・・・そうあの歌でした。
     
駒沢次郎左衛門
戎屋徳右衛門
お鍋
朝顔
岩代多喜太

 駒沢たちは同じ宿屋に居ますが、大道具は替わり、別の部屋となります。

 「駒沢次郎左衛門」はひとりになり部屋の衝立がふと目につきます。種々の書画を張り混ぜたその衝立に、地紙に書かれた「朝顔の歌」を見つけます。

 この東の街道まで誰かが謡い伝えたのだろうかと、駒沢が思いを巡らしているところへ「戎屋徳右衛門」が入ってきたので、衝立に貼ってある朝顔の歌について訊ねます。徳右衛門は流浪しているうちに目を泣き潰してしまった哀れな女のことを語ります。聞くほどに深雪のことではないかと駒沢の心は騒ぎ、朝顔を呼んでもらうことにしました。

 「お鍋」に手を引かれ「朝顔」と名乗る盲目の女が現れました。やはり深雪でした。「岩代多喜太」が近くにいるので駒沢は自分がそこに居ると言うことも駆け寄ることもできません。琴を弾きながら夫を慕う気持ちでいっぱいの朝顔が歌ったのは・・・そうあの歌でした。

 岩代に身の上話をせよと言われ、彼女は今までの苦労や悲しい別れの数々を語ってから下がります。

 岩代が部屋を出たあと、駒沢はもう一度朝顔に会おうとするのですが、朝顔は出かけてしまったあとでした。またもや、すれ違いです。出立の時刻が近づいてきたので駒沢は宿の亭主にお金と扇と薬を預けて朝顔に渡して欲しいと頼みます。その薬は甲子歳生まれの男性の生き血で飲むとどんな眼病でも治るという薬だそうです。

 駒沢は宿を去る、もしやと朝顔は戻ってくる、扇に書いてある名前を徳右衛門に読んでもらうと、紛れもなく阿曽次郎。驚き取り乱した朝顔は徳右衛門が止めようとするのを振り切り、いとしい人を追いかけます。

 
 
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