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とさのしょうげんかんきょのだん
傾城反魂香イメージ(リンクなし)
は立つものの生まれつきの吃音で出世できない又平、かたや弁の立つ女房おとく、誠実な二人は今日も師匠の見舞にやってきました。

土佐将監
修理之介
浮世又平
女房おとく
奥方
狩野雅楽之介

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 舞台は京都。「土佐将監光信」は宮廷絵師でしたが、他の絵師との争いが原因で謹慎処分を受け、山科で侘びしく暮らしています。
 そこへ百姓たちが、竹薮に虎が逃げ込んだと大騒ぎしながらやって来ます。日本に虎などいるはずがないと弟子の「修理之介」が探すと、そこには一匹の虎が・・・
 将監は足跡が無いのを見て、以前狩野元信が描き絵から抜け出した虎だと見抜きます。修理之介は筆を使って虎の姿を消すことに成功し、将監に土佐の名字を許されることになりました。

 弟子の一人である「浮世又平」は腕は立つものの生まれつきの吃音で出世できず、今は大津絵を売って貧しく暮らしています。
 いつものように又平が女房「おとく」と共に師匠の見舞に来ました。うまくしゃべれない又平の代わりにおとくが「将監奥方」に挨拶を愛想良く述べます。この女房おとくのおしゃべりがおもしろいので注目(^^)
 夫婦は弟弟子の修理之介が土佐の名字を許されたと聞き、又平にも土佐の名字を許してほしいと必死で願い出ますが叶えられません。
 将監は、又平の身の上に心が乱れはしますが、わざと声をあらゝげ「修理之介にはただいま大功があった。お前には何がある?しゃべれない者には及ばぬ願いだ。茶でも飲んで帰れ」と突き放します。又平は喉をかきむしって悲しみます。

 狩野元信の弟子、「雅楽之介」が六角家の急変を知らせに駆け込んで来ました。元信が襲われ姫を奪われてしまったという一大事、将監は姫を助けるために弁舌の立つ者を使者と偽って送り込んで姫を奪い返そうと考えます。
 なんとか手柄を立てたい又平は、自分をその使者に遣わせてもらいたいと将監に泣いて頼みますが、焦れば焦るほど言葉にならず、将監は修理之介に使者を命じるのでした。
 又平はそれでもなお急ぎ出発しようとする修理之介を抱き留めて、自分に行かせてくれと懇願しますが、振り切られ女房にまで情けない気が狂ったか、といわれ失意のあまり声も惜しまず泣き伏します。

 絶望した又平夫婦・・・おとくは庭にある手水鉢を石塔と見なして自画像を描き自害するように夫に勧めます。
 又平は死の覚悟を決め最後の筆を振るいます。すると不思議なことにその一念が通じたのか、描いた絵が手水鉢を通して反対側に表れ、一度に両側に描いたかのようになりました。
 さすがに将監も驚き又平に土佐光起の名を与え、使者になることを命じました。
 しかし、問答ができるだろうかと将監は案じます。又平は将監の前で舞い、謡い、節が付けば言葉が滑らかに出ることを見せてから、おとくを供にして姫を救い出すために出かけて行くのでした。

ここまでが近松門左衛門の原作です。  気になるこのつづきは・・・つづきボタン
 
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