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『傾城反魂香』


◆作品について◆



 
初 演  宝永5年(1708年)・竹本座と推定される
狩野元信の150年忌にあたる年に上演
三巻の時代物(現在上演されるのは上の巻)
 
作 者  近松門左衛門
 
文楽でたびたび上演されるのは、正式の外題名が「名筆傾城鑑」で、近松門左衛門の原作を吉田冠子(人形遣い・吉田文三郎)が宝暦二年(1752)に改作した物です。  
『傾城反魂香』は上・中・下巻から成りますが、現在上演されるのは上の巻後半の「土佐将監閑居の段」のみです。脇筋に当たる部分が愛されていると言えます。作品の中心は中・下の巻にあるそうです。 また外題は何を表しているのでしょうか?  


◆外題について◆


「中の巻」で触れた「三熊野詣」というのは狩野元信と遠山との「熊野詣の道行」になっていますが、実際に行くのではなく、元信が屏風に描いた三山の絵に入ってゆくのです。元信はそこで、遠山の後ろ姿を見て「死んだ者の熊野詣は後向き、逆様だという言い伝え」を思い出し、遠山は亡くなっただと知り、歎き悲しみます。
『傾城反魂香』の「傾城」は「傾城遠山」のこと。「反魂香」は「死んだ者の魂を呼び戻す香」のこと。昔、漢の武帝が夫人に先立たれ、反魂香をたくと面影が現れたという故事があります。道行の初めに幻の遠山が香をたくんですね。
   
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