02 Enemy at the Gates(1994)

ユニット+マーカー 1232+1008(2240)
マップ A1 4枚
ルール版 2.0
シナリオ数 10
場所 ロシア南部
期間 1942/11/19-1943/3/14

スターリングラードの第6軍の包囲せん滅を狙うソ連軍の冬季大反攻開始の状況から、スターリングラード包囲戦、ドイツ軍のスターリングラード救出作戦、ソ連軍の数次にわたる冬季攻勢、ハリコフ争奪戦、マンシュタインのバックハンドブロー(ポポフ機甲集団とソ連第6軍の壊滅)までを扱うビッグゲーム。


Guderian's Blitzkriegと同じレベルのアートワーク。やはり見づらい。

SS装甲師団「ライヒ」の全部隊。輸送トラック2個、ダス・ライヒ装甲偵察大隊、ダス・ライヒ装甲連隊の第1と第2大隊、ダス・ライヒ突撃砲大隊、フューラー装甲擲弾兵連隊、ドイチュランド自動車化歩兵連隊、ラングマーク(?)自動車化歩兵連隊、ダス・ライヒ対戦車大隊、ダス・ライヒ自動車化砲兵連隊。

第3装甲師団の全部隊。輸送トラック、第3オートバイ歩兵大隊、第6装甲連隊の第1から第3大隊、第394装甲擲弾兵連隊、第3自動車化歩兵連隊、第543対戦車大隊、第75自動車化砲兵連隊。
第394装甲擲弾兵連隊が装甲2個大隊と共に平地で歩兵や騎兵を攻撃する場合、攻撃力はそれぞれ倍化するため40にも達する。

第16自動車化歩兵師団の全部隊。第165オートバイ歩兵大隊、第126装甲大隊、第60半自動車化歩兵連隊、第156半自動車化歩兵連隊、第228対戦車大隊、第146半自動車化砲兵連隊。

ソビエト第1戦車軍団の全部隊。第117、第159、第89戦車旅団、第44自動車化歩兵旅団。
ソビエト第4戦車軍団の全部隊。移動力が低めなのが痛い。第51軍の冬の嵐作戦での反撃戦力。
ソビエト第4機械化軍団の全部隊。練度が高く戦闘力も十分にある。

 ソビエトの軍団はおおむねドイツの師団と同程度の規模。戦車旅団が純粋な装甲部隊ではなく機械化部隊扱いなのが目を引く。タンクデサントを搭載している状態なのだろうか。
 意外なのは国防軍の装甲連隊が3個大隊編成なのに対して、SSの装甲連隊が2個大隊と1個突撃砲大隊で編成されていること(ただし、装甲大隊の戦闘力は圧倒的にSSの方が高い)。
 この時期のドイツ装甲師団の自動車化歩兵はまだ狙撃兵と呼ばれていて、装甲化された連隊も呼び名は変わらなかった。ここでは一応兵科マークに合わせて自動車化歩兵と装甲擲弾兵と区別して記述した。
 グデーリアンの頃(1年半前)に比べると、自動車化歩兵師団には戦車大隊と装甲猟兵大隊が付属するようになり、単独での攻撃や防御に格段の強さを持つようになった。

登場する装甲師団は、SSライヒ、SS髑髏、SSアドルフヒトラー、第3、第6、第7、第11、第13、第14、第16、第17、第19、第22、第23、第24、第27の16個師団。装甲擲弾兵はSSヴァイキング師団だけ。自動車化歩兵師団は、第3、第16、第29、第60、大ドイツの5個師団。他にハンガリーとルーマニアの装甲師団とイタリアの自動車化歩兵師団が登場する。
ソ連の戦車軍団は、第1、第2、第3、第4、第7、第10、第12、第13、第15、第16、第17、第18、第23、第24、第25、第26の16個軍団。機械化歩兵は、第1親衛自動車化、第4自動車化、第5自動車化、第6自動車化、第7ライフル、第1親衛騎兵、第3親衛騎兵、第6親衛騎兵、第4騎兵、第8騎兵軍団。

地形効果の特記事項:村は移動には影響を与えないが戦闘では軽障害[Close]となる。戦闘力はそのまま。GBで言う都市は大都市と小都市にわかれた。大都市は重障害[Extremely Close]で装甲部隊x1/3、機械化部隊攻撃時x1/2、機械化部隊防御時x1、道路がなければ履帯移動コスト3、装輪移動コスト2。小都市は中障害[Very Close]で装甲部隊x1/2、機械化部隊攻撃時x1/2、機械化部隊防御時x1、道路がなければ履帯移動コスト2、装輪隊移動コスト1。丘陵は村とほぼ同じだが装輪部隊の移動コストが2になる。

シナリオ1: 南ロシア・キャンペーン

 スターリングラードの第6軍の両サイドのルーマニア軍を破り、ソ連軍の冬季反攻「ウラヌス作戦」が始まる。ドイツ軍は快速部隊をまとめて戦線を繕い、南方軍集団の崩壊を防がなくてはならない。
ターン: 1-34 (17週間)
マップ: 4枚全て

シナリオ2: ウラヌス(天王星)攻勢(和文ルールでは「コルスンポケット」になっているがミス)

シナリオ1のキャンペーンゲームから特別ルールを除いたシナリオで、戦いのさわりを楽しめるようになっている。戦線が短い分セットアップが楽で、特別ルールが無いため練習にも使える。
スターリングラード郊外で待機していた第29自動車化歩兵師団はスターリングラード南部で突破して来たソ連第57軍を捉えて蹴散らしてしまう。さらに南でルーマニア軍の戦線を突破した第51軍はそれを知って動きを止めるが、B軍集団司令部は第29自動車化歩兵師団にスターリングラード南部に陣を張り、ソ連軍の攻撃に備えるように命令を出してしまう。南翼を救う望みは潰えた。
北翼ではドイツ軍第48装甲軍団が崩れたルーマニア軍戦線を突破して来たソ連軍を食い止めるべく奮戦する。第22装甲師団は稼働戦車が少なく後退を余儀なくされ、ルーマニア第1装甲師団もソ連軍の波に飲み込まれる。ソ連軍の最終目標はドン川沿いの小都市カラーチ。ここで南北から突破して来たソ連軍は手を結ぶ。

シナリオ2リプレイ(有効なのは第1ターンのドイツ軍の手番まで)

シナリオ3: チル河の戦い

ソ連軍の「リトルサターン(小土星)」作戦の発動と第11装甲師団の機動防御を扱う。ウラヌス作戦でドイツ第6軍の包囲に成功したソ連軍は、さらなる戦果の拡大を図り、リトルサターン作戦を発動した。ドン川の上流部で大きく戦線を突破したソ連軍は、チル河を越えようとする。
ターン: 5-7
マップ: Dの一部

シナリオ4: スターリングラード救出作戦

スターリングラード救援の「冬の嵐(ウインターストーム)」作戦の再現。
ターン: 8-12
マップ: Dの一部

シナリオ5: リトルサターン作戦(2枚マップ)

1942年12月17日のソ連軍の2度目の冬季攻勢の「リトルサターン」作戦を再現。スターリングラード救出作戦に対するソ連軍のカウンターパンチ。ドン川を越えてドニェツ川を目指す。
ターン: 9-12
マップ: Cの一部&Dの一部

ターン: 1-4
マップ: C&D

シナリオ6: リトルサターン作戦キャンペーン

リトルサターン作戦とその後を扱う。
ターン: 9-34(最長)
マップ: 4枚全て

シナリオ4: 星作戦

ソ連軍のさらなる冬季攻勢「星」作戦を扱う。ハリコフは星作戦で包囲されつつあった。パウル・ハウサーのSS装甲軍団は、総統命令を無視してハリコフを放棄してしまう。ARMY GROUP SOUTH (SPI(4 in 1)/HJ(付録)/Sunset(SPIの再版))の「星作戦」が同じテーマを扱っている。
俊足の装甲部隊が1個軍団自由になったおかげで、マンシュタインは最終的に勝利を収めることができた。
ターン: 23-27
マップ: Aの一部

シナリオ8: ギャロップ作戦

星作戦と同時期に行われたソ連軍の冬季攻勢「ギャロップ」作戦も扱う。
ポポフ機甲集団とソ連第6軍の攻勢とマンシュタインのバックハンドブローが見られる。ポポフはドニェツ川を越えてスターリノの西を通過して第1装甲軍、ホリト軍支隊の包囲を狙う。ソ連第6軍はドニェツ川を渡りドニエプル川のドニエプロペトロフスクを狙う。
マンシュタインはフランスから移送されて来た第15歩兵師団で第6軍の先方部隊を食い止め、SS装甲軍団(ハリコフを脱出して来たもの)、第48装甲軍団、第40装甲軍団でバックハンドブローを行いソ連第6軍、ポポフ機甲集団をせん滅し、返す刀でハリコフを奪い返す。
ターン: 21-27
マップ: A&B

シナリオ9: 1943年1月28日以降

第21ターンから始まるキャンペーンで、ソ連軍の「星」作戦と「ギャロップ」作戦の発動、スターリングラードの第6軍の降伏など一連の戦いを扱う。
ターン: 21-35(最長)
マップ: 4枚全部


 故SPIのARMY GROUP SHOUTHを引っ張り出して調べたついでにマップを確認したが、SPIのマップデザインはすばらしい。ハーフサイズマップで行える作戦級ゲームが4つ入っているのでお買い得感が強い。ユニットも線が細くてくっきりしており、今風の線の太いユニットデザインより好感が持てる。

 このゲームはサンセットゲームズのプロジェクト100で再版が予定されている。ドライブ・オン・スターリングラードのできもよかったので、非常に期待が持てる。

2006年2月15日追記: 既にに発売されており購入しました。


戻る