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見出し1


たびたび処分してきたにもかかわらす、
ホコリかぶったり、日に焼けたりしながら
私についてきた金魚のふんみたいな本たちを、
ご紹介して行こうと思います。


前衛への道

著者:篠原有司男
1968年6月20日発行
発行者:大下敦
発行所:株式会社美術出版社
東京都新宿区市谷本村町15
印刷:東洋印刷株式会社
製本:和田製本工業株式会社
定価600円

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先日、日本テレビの"メレンゲの気持ち"という番組に
とてもなつかしい人が出演していました。
ぎゅーちゃんことアーテストの篠原有司男さんです。
72歳という年齢に似合わぬ元気のよさ。
いい年の取り方をしているのに、ちょっと刺激されました。
で、篠原さんが画壇やマスコミの注目浴びた
1960年代の中頃に出版された本のことを思い出しました。
ごそごそと屋根裏を探し、久々にその本を見つけだしました。
それが、この「前衛への道」です。
四六判サイズの箱入り、表紙は、光によって
虹のように色が変わるビニール状の素材が使われています。
箱はにぎやかなのですが、本体には書名などいっさいありません。
その上目次すらもなく、いきなり本文というつくり。
そこで、各文章についているリードを書き写してみます。

ゴッホのような友人たち
前衛運動のはしり
純情だったあのころ
芸大林教室、裸婦の胸に短剣
驚きの校舞
落選に落選を重ねる
アンフォルメのショックと感激
モヒカン刈りで売り込む
竹とメリケン粉の大アクション彫刻
個展会場はまるで原色のゴミため
ジャズバンド共演のアクション・ペインティング
地上最大の自画像をつくる
土曜日ごとのワイルドパーティー

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"フライパン絵画"を飛びこえる
効果満点、ボクシング・ペインティング
強烈なロックに芸術論は不用
ネオダダ・グループの活躍
荒川修作、ネオダダを除名
真黒なドラムカンが会場に三十個
ネオダダ・グループ蒸発す
画廊時代に突入
ティンゲリーのアシスタントになる
次はポップで行け!
ついにイミテーション・アートを始める
公開質問会に出場する
イミテーションのOKをとる
ラウシェンバーグ、質問に答えず
日本人ではなく東京人だ
ジャブ ジャブ ストレー レフト フック KOだ!
ニューヨーク画壇へ挑戦のチャンス
デュシャンの像と涙の別れ
新しいファイトに燃える
後光の消えたアメリカ美術
幕末浮世絵版画に感激
二千ドルのクリスマス・プレゼント
花魁シリーズの集大成で勝負

こうやって書き写していると、
1960年代の風景がよみがえってきます。
この本の持っている明るいバイタリティは、
篠原氏のキャラクターによるところがあるにせよ、
当時の持っていた絶望と希望の拮抗という時代背景と
無関係ではなかったはずです。
何か、素朴さと純情さがみなぎっていたように
思うのは郷愁がもたらせるものなのかもしれませんが。

*最近、美術出版社から復刻されました。


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