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たびたび処分してきたにもかかわらす、 ホコリかぶったり、日に焼けたりしながら 私についてきた金魚のふんみたいな本たちを、 ご紹介して行こうと思います。 片岡敏郎スモカ広告全集 1985年5月20日初版発行 著作権者:スモカ歯磨株式会社 発行者:マドラ出版株式会社 〒107東京都港区南青山四丁目二三ノ四 印刷:社陵印刷株式会社 定価:3,500円 函入・小冊子付き タテ・ヨコ、17cm弱、厚さ、約8cm、重さ、1.7kg。 厚さのたとえに使われる電話帳よりもはるかに厚い この本を、もう長いあいだ、何度も何度も読み返しています。 ごろ寝はもちろんのこと片手で持つのはつらいボリュームです。 片岡敏郎:明治15年(1882)静岡県生まれ。 日本電報通信社(現電通)、森永製菓、壽屋(現サントリー)、 株式会社寿毛加で広告にたずさわる。 スモカ歯磨のほかに、森永ミルクキャラメル、 サントリー赤玉ポートワインなどの話題作を生んだ、 コピーラーターの大先達です。 ここに紹介されているスモカ歯磨の広告は、 昭和3年頃から昭和16年頃も掲載されたものです。 文案と言いたいコピーはもちろんのこと、 イラストやレイアウトなども実に洒落ています。 伝えたい内容も"タバコのみの"というコンセプトで ごちゃごちゃ言わず一刀両断のシンプルさです。 現代でも充分の通用する完成度だと思います。 ただ、内容については、薬事法やらいろいろな規制があって 現代では、ちょっと乱暴かなというところも多々見受けられます。 今ではすっかり悪役になってしまったタバコも 当時は、おしゃれや粋さを誇る小道具でもあったようです。 何回見ても楽しいし飽きない、そして、見るたびに発見もあります。 たとえとして適切かどうかわかりませんが 古典落語が何度聴いても新鮮な面白さを見出すのに 似ているように思います。 今でもこの本は手に入るのかな。 1992年に再版されたのを見かけたことがあります。 箱のデザインなどは変わっていたようですが 中味はおなじではないかと思います。 定価6,990円+税、らしいのですが。 付録の小冊子の土屋耕一さんの 「おっと名セリフ」のなかから片岡敏郎の名セリフをご紹介して、 作品の一部を見ていただくことにします。 「重大なことは 廊下で立ち話ですませろ。 あまり重大でないことは 応接間で話せ」 「うまくないものを広告すれば より早く商品の寿命を短くする」 では、収録作品の一部をこちらから。 最新へ戻る © share a gift allrightsre reserved |