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見出し1


たびたび処分してきたにもかかわらす、
ホコリかぶったり、日に焼けたりしながら
私についてきた金魚のふんみたいな本たちを、
ご紹介して行こうと思います。


ぱたぱたぽん
のびる のびる のびる豆絵本


著者:ヰノウエヨースケ/佐々木マキ
   瀬川康男/スズキコージ/長新太
発行所:福音館書店
    〒113 東京都文京区本駒込6-6-3
印刷所:凸版印刷
製版所:大村製本
制函:岡山紙器
ケースデザイン:なかのまさたか
発行日:1994年9月15日(第1刷)
定価:全5冊2,000円(本体1,942円)分売不可

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フシギ
こんなフシギな豆本を見たことがない。ミシンとじでもない、かがってもいない、1枚の厚め の紙の表も裏もカラー印刷で、1ページが6センチ角になるようにパタパタと折りたたんだ豆 本なんて初めてだ。広げていくと、のびることのびること、なんと両面あわせて3メートルに もなってしまう。これでは、1冊ごとにケースをつけないと手におえない。

5人の絵本作家
右開きが長新太さんとヰノウエヨースケさんの作品、左開きが佐々木マキとスズキコージさん、 天開きが瀬川康男さんと、テーマにあった構成。現代日本を代表する5人の絵本作家が、知恵 をしぼって創りあげた世界が、ページを追いかけて展開するワクワク、ドキドキ満点の名作ぞ ろい。

かわいい
手のひらサイズでキュートなパノラマ豆絵本、ほんとうにかわいいのだ。発売後、日本各地で、 右のポケットにキャラメル、左のポケットに豆絵本をいれて遊びにでかける子どもを見かける ことになる(でしょう)。

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これは、この豆絵本が収められている外箱に書かれたコピーを書き写したものです。何とかこ のあまり見かけない絵本を一生懸命に説明し、買ってもらおうという意欲と同時に、この豆絵 本をつくリ完成させた編集者の喜びにあふれる文章です。少々、饒舌に過ぎるところが微笑ま しい。

ヰノウエヨースケ:ゴットンゴットン絵巻
佐々木マキ:おばけです こんばんは
瀬川康男:かっぱがのぼる
スズキコージ:タマゴ
長新太:タコのタコベイ

の5冊が、縦115ミリ、横78ミリ、奥行70ミリの箱に収納されています。記憶に間違いがなかっ たらこの豆へ本が出版された当時、編集者が定年を迎えるあたり夢だった豆絵本を最後の作品 としてつくったという記事を読んだような気がします。最後の仕事で夢が実現できたという無 味乾燥になりがちな勤め人への最後のロマンを感じさせてくれる出来事だな、とちょっとうら やましさを感じたという記憶があります。でもこの本を求めてのは、そんあ裏側のエピソード を知ってではありません。少々風変わりな本が好きで買い求めたものです。

右のポケットにキャラメル、左のポケットに豆絵本、というのは絵に描いた餅的ではあります が、冬の今頃だったらひだまりなんかで、手のひらの上でもて遊びながらパラパラやるのは、 大人だからこそ楽しめる。編集者の思惑に反しているかもしれないけど、そんな大人の豆絵本 といえるのではないのかな。


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