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見出し1


たびたび処分してきたにもかかわらす、
ホコリかぶったり、日に焼けたりしながら
私についてきた金魚のふんみたいな本たちを、
ご紹介して行こうと思います。


意地の都市住宅

昭和62年(1987)6月10日初版発行
著者:中原洋+藤塚光政
発行所:ダイヤモンド社
東京都千代田区霞ヶ関1-4-2
版下制作:ローヤル企画
印刷:新藤美術印刷
製本:大島製本
定価7000円

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優柔不断なわたしがよく思い切ったものだ、と思う一冊だ。
1冊7000円の本なんて、今本箱を見てもないような気がする。今だってせいぜ い、3000円ぐらいが清水の舞台だものね。

もちろん家を建てるための参考資料として買ったものではない。そんなことは はなから、あきらめていたから、これは画集や写真集の類という範疇で買った ものだ。私は、建築のデザインのへの関心がないわけではないがこの種の本を 手にする理由はもうひとつある。それは、木やコンクリートやガラスなどで構 成された一個の造形物的な魅力なのです。そこには、また住み手の気配や、た たずまいなども加味されていていっそう魅力的なのだ。細部の機能に関係ない ディテールなども興味の対象だ。だから、建築写真が少ない論文的なものには 興味が薄い。そんなこともあって清水の高さの倍ある舞台から飛び降りたのだ ろう。

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文章が、コピーラーター出身の中原洋氏で写真が建築写真の第一人者の藤塚光 政氏。この本のもとは、ダイヤモンド社から出ていた "月刊BOX"という雑誌に 連載されていて、それをまとめて単行本化したものなのだ。もちろん、連載時 から時々は目を通していた。"意地の都市住宅"というタイトルが好きだった。

東京という地に家を建てようとすると、潤沢な資金を持つ人は別にして(とい ってもここに登場する施主は貧乏とは、縁遠い人々ではあるのだが)小さな土 地、ローコスト、土地の悪条件などを克服することが、自己の生き方の表現だ という気負いをもった人々(施主、建築家)の意地のドキュメントとして共感を もった。

東孝光、安藤忠雄、石山修武、磯崎新、伊丹潤、伊東豊雄、内田繁、鯨井勇、 高松伸、難波和彦、長谷川逸子、林雅子、原広司、宮脇檀、山本理顕、六角鬼 丈氏ら総勢52人の建築家と50の家を紹介して、現代を代表する建築家を網羅し ている感じだ。

今また、安藤忠雄や伊東豊雄などの活躍もあり建築界も注目され 雑誌も建築専門誌のほか"CASAブルータス"や"ペン"などの 一般誌なども特集を組んでいるところをみるとちょっとしたブームなのだろう。
乱暴に扱ったわけではないが、あまりの厚さのせいか最初のページの方がバラ バラになってしまっている。

パート2が出たのは知っていたが、購入する余裕もなかったようだ。 今、古書で4000円くらいで購入できるはずだ。 どんな建築家を取り上げているんだろう、 という興味があって見てみたい気もしないではない。


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