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見出し1


たびたび処分してきたにもかかわらす、
ホコリかぶったり、日に焼けたりしながら
私についてきた金魚のふんみたいな本たちを、
ご紹介して行こうと思います。


HEIBON 平凡パンチ DELUXE

1967年 Vol.3
昭和42年5月15日発行
(年6回発行)第3巻第3号
編集人:伊勢田謙三
発行人:清水達夫
別冊付録共:定価200円

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田舎育ちの若者であったわたしはすべてにオクテで都会の若者たちのファッシ
ョンや言動を横目で見ながらジーンズも穿くことも出来ず地味なスーツで学校
生活とその後の職場で生活をいとなんでいた。

で、衝撃的変化をもたらしたのがグラフィックデザイナーという枠のなかに収
まらない横尾忠則という人物の目の前への登場であった。
モダンで西洋的なデザインを目指していたグラフィックデザイン界に日本的な
泥臭さい世界を持ち込んだ細身でちょっと内気な若きデザイナーをテレビや雑
誌で目にしたときのときめきは今でも体の一部に残っている。

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さて、このこの雑誌「HEIBON パンチ DELUXE」はそんな状況下のときに発売され
購入したものだ。「人物スペクタル―妖怪絵師横尾忠則」と銘打たれた巻頭15ペ
ージのグラビアのモノクロページ。今、わたしの手元に持っている雑誌の中で
いちばん古いものだろう。憧れの人に近づくためには、形のマネ (ファッショ
ン)から入る。そのためのテキストとして、たえずページを繰っていたような記
憶がある。タイトルの下のキャプションに 「"ライフ"誌でもクローズアップさ
れた"現代の英雄"のハプニングライフ」 とあるように、人気タレントのような
自宅やアトリエ風景、テレビ収録風景。三島由紀夫の自宅でのツーショット、
浅丘ルリ子、寺山修司、唐十郎、高橋睦郎などとの打ち合わせや談笑風景。そ
れに寺山修司の横尾忠則論。アトリエ内でのバスト90の若き裸婦との組み合わ
せのポートレート写真など、ちょっとアイドルタレント風の構成になっていて
これも新鮮だった。

今見ると、たった15ページのモノクログラビアページを何回往復してながめた
のだろう。別冊付録「ミニ・カー専科」などは残っているはずもなく、石津謙介
や長沢節、野坂昭如や野末陳平などのエッセイなど読んだ記憶も跡形もなく消
えているというのに‥‥。

誰にでも若い頃の思い出の中にじわっと恥ずかしさがこみあげることがいくつ
かあるはずだ。大人に対してする反抗まがいの、若者特有価値観に裏打ちされ
ていた言動やファッションにいま、思い出すと冷や汗をわきの下に感じる。そ
んなほろ苦さをもたらす一冊だ。


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