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たびたび処分してきたにもかかわらす、 ホコリかぶったり、日に焼けたりしながら 私についてきた金魚のふんみたいな本たちを、 ご紹介して行こうと思います。 みちのくの人形たち 1979年8月1日 初版発行 著者:深沢七郎 発行者:深沢七郎 発行所:夢屋書店 〒340-01埼玉県菖蒲町上大崎730 振替口座:東京8-17056 定価:2000円(送料共) 印刷者:山梨県石和町市部 深沢三人 題字:柚木久江 装丁:桃原青二 深沢七郎さんが、今川焼きと同じように(?)、1979年に谷崎潤一郎賞を受賞し た”みちのくの人形たち”を手作りの本にして、売り出したものだ。奥付の発 行日は、西暦で表示されている。これには深沢さんのこだわりだったのではな いだろうか。ここは昭和に直してみたい衝動にかられる。で、調べてみたら昭 和54年だ。この本の出版予告を知ったのは新聞だったのか、雑誌だったのか記 憶がない。ただ、深沢七郎氏の本に深くはまっていたころだったのだろう。ま た、東京のどこだったか忘れてしまったが、”夢屋”という今川焼き屋もやっ ていたころだと思う。さっそく予約をした。 送られて来た本は、タテ18センチ、ヨコ7センチ。お経の本のようなつくり だ。B6サイズの”予定変更のお詫びと貴意の御伺い”が同封してあった。 『過日は夢屋書店の第一回発行について早速御申込み御送金までいたゞき有難 うございました。ついては、予定の三篇一冊が一篇収録しただけで一冊になっ てしまいました。また、四米半の手作業の折込とハリ合せ八ヶ所の手数のため、 思いがけなく一篇一冊で価格千円(送料共)になってしまいます。それで、一冊 お手許にお届けいたします。表紙は紙に生地のままですから古くなれば味もで ます。手作りの折込のため見苦しい点は何卒お含みおき願います。また、御気 持に添えない方々はお手数でも御返送下さい、送料を含め御返金いたします。 なれないため不都合のかずかずは深くお詫び申し上げます。「秘戯」は手とじの 予定で、これも一篇一冊一五〇〇円の予定です。 夢屋 深沢七郎拝』 こんな文章がしたためられている。確かに上記に書かれているように、表紙の 年月がたってためだろう、生成りが濃くなっているように見える。次回の予告 されている「秘戯」は、何故か、残念ながら購入していない。 最新へ戻る © share a gift allrightsre reserved |